ふと脳裏をよぎった些細なアイデアを「~と思うのは私だけだろか」というような切り口で提示してみたいとき、Is it just me or ~ という英語フレーズでピッタリ趣旨が表現できます。
Is it just me or ~ の or 以降には、通常の疑問文をそのまま組み込めます。つまり普通の問いかけ(疑問文)の頭に Is it just me or を加えるだけで、「って思うのは自分だけかしらん」という意味・ニュアンスが追加できるわけです。
Is it just me or は文字通り「って私だけ?」を意味する英語表現
Is it just me は素朴に「私(me)だけかな」と述べる言い方といえられます。共感してもらえないかもという前提を趣旨に含んだ前置きです。
一人称の格変化(I、my、me)が me になる感覚は微妙に捉えがたいところですが、It’s me.(私です)を疑問文に組み替えた表現と捉えれば迷うこともないでしょう。
まずは Is it just me といって「私だけかな?」と前置きし、接続詞 or を差し挟んでから、続けて本題を(疑問文まるごと)述べることで、「ひょっとして・・・」というような独特のニュアンスが表現できます。
それってひょっとして君のことなのでは
こなれた訳は「もしかして」「ひょっとして」
Is it just me, を字面通りに訳せば「それは私だけだろうか」というような塩梅になるでしょう。日本語でも「・・・と思うのは私だけだろうか」と付け加える言い方は珍しくなく、すんなり感覚的に通る感があります。
場面によっては「ひょっとして(もしかして)・・・・・・なのでは」という風に訳してもよいでしょう。断定的でない、あくまでも自分の思いつきであるようなニュアンスを基調とする表現の角度が、相通じます。
接続詞「or」の意味ニュアンス用法おさらい
Is it just me, or ~ という表現を把握する上で(日本人学習者が)最も注意すべき部分は、or の語のニュアンスでしょう。
or は基本的には「または」「もしくは」「あるいは」というような訳語と対応づけられ、往々にして「A or B」(AかBか)という選択肢の提示的な項目列挙に用いられる語として捉えられがちです。
しかし or は英語の中ではもっと幅広い意味合いで用いられます。
「言い換えれば」の用法
or が「選択肢の提示」である、という解釈そのものは真っ当です。その通りなのです。しかしながら、その「選択肢の提示」の次元が複数あります。
代表的な用法としては別名を紹介する言い方です。「言い換えれば」という意味合いで or が用いられることがままあります。
1/2キロ、つまり1パウンド以上(の重さ)
「さもないと」の用法
or の(面倒くさい)用法の典型が、命令文や過去の叙述について「~そうでなかったなら」と表現する意味合いです。
急げ、さもなくば全部取り逃すぞ
この手の or は、訳語は「さもないと」「さもなくば」という風に訳されますが、英語そのもののニュアンスはこれは「A or B」(AかBか)的な「選択肢の提示」に通じるニュアンスがあります。「いま急ぐか、それとも(急がずに)全て取り逃す(方を選ぶ)か」と選択肢を提示することで、真っ当な選択肢を選び取るよう促すわけです。
英語の接続詞 or は前後の語句を同列並列の関係で結びつけ、基本的には「相互に置き換え可能」な要素を並置する意味で用いられます。
Is it just me, or ~ の文も、「~」以下のくだりは「Is it just me,」と等価・同値であり、言い換え・言い直しの要素を満たします。
Is it just me, or ~ の表現は、そうした or の用法・意味・ニュアンスを感覚的に身に着ける手がかりにもなるでしょう。