「地味にすごい」は英語でどう言う?

「地味にすごい」という表現を、そのまま英語で再現することは、至難のわざです。直訳は無理、「地味 → neutral あるいは plain 」のような辞書的な訳語では全く意味が通りません。

「地味に」の趣旨を汲んで大胆に言い換える、たとえば more than it looks(見かけ以上に)とか actually(実は)と表現して見ると、「地味に」で述べたかったニュアンスに近づける場合は少なくないでしょう。

いっそ「地味に」の部分は省いてしまって「スゴいぜ」とだけ述べる、という思い切った考え方も大切です。英語で表現できる部分だけ表現する、微妙な部分は捨てる、と割り切れるようになると、気も楽ですし、意思疎通も捗るでしょう。

「地味に」をそのまま英語に訳す発想を捨てよう

日本語の「地味にすごい」という表現は、俗な言い回しでもあり、ほとんど感覚まかせの表現です。どういう意味か解説して?って言われたら困ります。

あえて「地味に」の意味合いを説明するとすれば、「見過ごされがちだが卓越した部分がある」とか「あらためて着目してみると尋常なことではないと分かる」といったところでしょうか。「一見そうは見えないがタダモノじゃない」とも表現できそうです。

こんな風に日本語を咀嚼すると、「地味に」の趣旨を表現する、もっと英語にしやすい表現(たとえば「実は~」など)があることにも気づけます。

もともと「地味にすごい」という言い回しは「すごい」と言いたいわけであって、「地味に」の部分には核心的な意味合いがあるわけではありません。サラッと省略してしまうのが、いちばん効率的な考え方ともいえます。

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「地味」は元々けっこう英語に訳しにくい語

日本語の「地味に」という表現は、「地味にすごい」と述べる文脈でなくても、英語に直しにくい表現といえます。文脈によって表現を選ぶ必要があります。

たとえば、《何の飾り気もない》という意味の地味さは plain 、《色や柄が派手ではない》という意味の地味さは neutral 、《人柄が控えめである》という意味の地味さは modest 、といった語が対応します。

「地味な生活」なら humble (控えめ・慎ましい)、「地味な高校」なら ordinary (平凡な)あたりの語が適当でしょうか。「《地味》の訳語」は、それ自体、詳しく探求する価値のある興味深い話題です。


どう「すごい」のかを勘案して「地味に」を英語で表現する言い方

「地味にすごい」は「実は」(あるいは「意外にも」「見かけ以上に」)と「すごい」にあたる英語表現を組み合わせれば簡単に表現できます。

「実は」なら actually 、「意外にも」なら unexpectedly といった副詞の頻出英語表現がうまく対応します。「見かけ以上に」は more than (he) looks のような比較構文が最適です。

「すごい」にあたる英語表現はさまざまありますが、 amazing や awful あたりが最も日常的かつ広い場面で使われる英単語です。

英語で「すごい」「すばらしい」と表現する言い方

あるいは、「すごい」の意味するところを具体的に、intelligent(賢い=賢さがすごい)とか huge(でかい=大きさがすごい)などで表現しても良いでしょう。

She is actually amazing.
彼女は地味にすごいよ(実はすごいよ)
The man is more intelligent than he looks.
あの人、地味に賢い(見かけ以上に賢い)

「地味にすごい」をもうすこし丁寧な説明口調の英語で伝えるやり方

「地味にすごい」とだけ英語にして言っても、どういうつもりで「すごさ」を伝えたいのか、場合によってはイマイチ理解してもらえないかもしれません。何か隠れた魅力を伝えたいのか、「ねえねえ知ってる?」と自慢げに言いたいのか、情報提供をしたいのか、そのあたりをしっかり文章にする意識で英語にするのが良いでしょう。

It’s a little-known fact, but he holds a remarkable record in baseball.
あまり知られてないけど、彼は野球ですごい記録を持っているんだよ(地味にすごい人なんだよ)
It should be evaluated more highly that she was in the project team.
彼女がそのプロジェクトチームにいたことは、もっと評価されるべきことだ(地味にすごいことなのだ)



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