「放送事故」の意味で最もよく使われる英語表現は TV blooper でしょう。TV blunder とも表現できます。blooper も blunder も「失敗」「しくじり」といった意味の英単語です。
blooper や blunder は、いわゆる「爆笑NGシーン」や「珍プレー好プレー」に類する失敗・失態も含むニュアンスがありす。
もしかすると、fail と表現した方が、日本語の「放送事故」に含まれる「盛大なやらかし」感が伝わるかもしれません。
「放送事故」を英語で表現する言い方
いわゆる「放送事故」は、英語では、だいたい blooper の語を使って表現されているといえます。
画面に映ってはいけないものが映り込んでしまったとか、出演者が滑稽なトチり方をしたとか、そういう(軽微な)ヘマを指すニュアンスが濃厚です。
文脈によっては単に bloopers とだけ言って通じることもあるでしょうし、TV bloopers 、TV news bloopers という風に言葉を補う必要がある場合もあるでしょう。
blooper(出演者の失態)
blooper は「失敗」「トチり」といった意味合いの英単語です。特に有名人や公の場に立った人などによる気まずい失敗という意味で用いられることの多い語です。
テレビ番組の制作や放送に絡む「失敗」は大体どんな種類のヘマでも blooper の語で表現できます。
ただし blooper はドラマや映画の撮影中に出てきた「NGシーン」の意味でもよく用いられます。たとえば、映画DVDの特典のメイキング映像集に含まれるNGシーン集などは bloopers といいます。
番組放送中の・生放送中の「放送事故」という意味合いは、blooper on the TV show 、あるいは live blooper のように言い足せば正しく伝わるでしょう。
blunder
blunder も「失敗」「失態」「へま」といった意味の英単語です。blooper と同様に TV blunders といえば「放送事故」の意味合いが表現できます。こちらも出演者の失態を中心とするニュアンスです。
どちらかといえば TV blunders よりは TV bloopers の方が一般的な言い方であり多数派です。とはいえ TV blunders で表現されている例も少なからず見られます。
blooper はもっぱら名詞として扱われる単語ですが、この blunder は動詞としても使える、という点が便利だったりします。「しくじる」「うっかりする」「まごつく」といった自動詞的な意味、および、「やり損なう」「しそびれる」といった他動詞的な意味で使えます。
fail
fail も「放送事故」に該当する表現といえます。
fail は「失敗」「しくじり」の意味で使われる基礎的な単語であり、succeed (成功)の対義語です。「失敗」「失態」「やらかし」の類が fail に含まれます。
fail は割と深刻な事態を指す場合も多々あり、その意味で日本語的「放送事故」に含まれるヤバめなニュアンスを表現し得る語とも言えますが、実際に英語の中で使うとなると、使い所の見極めは少し難しめかもしれません。
※ ↓ 痛々しい映像も含むので要注意
TV error (障害などによる放送中断)
放送局のシステムか何かに異常・不具合が生じ、放送が途切れる・中断される、といった種類の「放送事故」は、error(エラー)の語で表現できます。
テレビ放送が休止中の画面といえば色とりどりの縦縞で構成されたテストパターン。この画面は英語では普通 color bars と呼ばれますが、障害による放送中断などで表示されている場合は TV error screen とも表現されたります。
日本語カタカナ表現から表現を探すと失敗する
broadcasting accident ・・・とは言えなくはないが不自然
日本語の「放送事故」を安直に英語訳するとすれば broadcasting (放送)accident (事故)といった表現に思い至ります。これは自然な英語表現とは到底いえません。
まあ意味合いは当たらずも遠からずといったところで、不自然ながらも「放送中に何かしら望まれない事態になった」というおおよその趣旨は理解してもらえるでしょう。
英語の accident は、日本語でいえば「事故」にあたる語彙ではありますが、「不可抗力で起きたこと」や「避けがたい災難」「誰も悪くないけれども起きてしまった不幸な出来事」等々、不慮・不測の事態を幅広く含む表現です。
trouble や happening などの語では表現できない
日本語の語彙の中で考え巡らすと「放送事故」は「アクシデント」や「ハプニング」のように言い換えられそうな気もしますが、英語では accident や happening といった語で「放送事故」を表現することは基本的にありません。
trouble に「突発的事故」のニュアンスはない
trouble は本来、面倒や厄介、困ったことなどを意味する単語です。
英語の trouble は「心配事」や「厄介事」といった、中長期的な問題事を指す語です。engine trouble (エンジン故障)のような表現はあるにしても、「放送事故」の突発的・瞬間的な出来事という性質を表現するには適当とはいえません。
happening には「事故」のニュアンスがそもそも希薄
英語の happening は「出来事」「起こった事」という程度の意味合いであり、ありとあらゆる「出来事」を超広範に包括する語です。というか「出来事」という概念そのものです。
日本語で「ハプニング映像」と表現する場合のような「ハプニング」の意味合いは(含むといえば含みますが)、特に指し示すというわけではありません。
日本語の中のカタカナ語は英語上達の敵。