うっかり物忘れを防ぐために書き留めておくこと・ものを「備忘録」といいますが、英語では note や memo といった簡素な言い方で表現できます。他にも場面やニュアンスに応じて使える表現があります。
書き留めた内容は memo
memo は日本語の「メモ」と同様、英語でも「 memo : ~」のような形で項目名として用いられたり、会話中で「メモ書き」の意味で(備忘録と同じ意味合いで)用いられたりします。
簡素かつ幅広く使える言い方です。
・chopsticks, paper dishes
・paper cups, a bottle of gin
– メモ –
お箸、紙皿
紙コップ、ジン1本
memo は必ずしも「自分が忘れないように書き留めておくもの」を示すとは限らず、「人にちょっとしたことを伝達するために書きとどめたもの」を指す場合も多々あります。
このメモ書きを息子へ渡して頂けますか
より硬い場面では memorandum
memo は memorandum (メモランダム)を省略した言い方です。
memo は省略表現であるだけに多少カジュアルな響きのある表現です。他方 memorandum はあえて略さず述べる表現であるためカッチリした硬めの印象を伴います。その意味で日本語の「備忘録」という語の響きに近い部分もあります。
社内で回し読みして共有する備忘録や、契約・外交文書などにおける「覚え書き」などは、この memorandum がしっくり来る表現といえます。ビジネスシーンでよく用いられ、多分に「他人と共有するもの」というニュアンスがあります。
単に書き留めたものなら note でも十分
備忘録は基本的に「(忘れないように)書き留めておくもの」。「書き留めておくもの」という意味で、単に note や notebook と表現しても十分に意図するところは伝わります。
「自分のための」という意味で note to self
note + to self(自分へ)という意味で note to self と表現する言い方もあります。
英語圏でもブログメディアのタイトルや各エントリーのタイトルなどによく用いられています。
自分用メモ:観念的な誘惑を退けるにはこれが一番
―― Psychology Today, Posted Apr 14, 2017
備忘:イスラム教徒の礼拝の声をチュニジアのクラブでリミックスしてはいけない
―― Digital Music News, April 5, 2017
「備忘」の意味に主眼を置くなら reminder
「書きとどめる」という部分よりも「備忘」「忘れないように」という部分に焦点を当てるなら、reminder(リマインダー)と表現するとよいでしょう。
reminder は忘れずに行うように(思い出させるために)設ける仕組みを指す語です。ニュアンスは文脈によって少なからず異なります。自分用のちょっとした走り書きなら「備忘録」に相当する意味合いですが、自分以外の人への連絡や督促の意味合いが中心となります。