「立つ鳥あとを濁さず」は英語でどう言う?

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「立つ鳥あとを濁さず」を英語で表現する言い方としては、It’s an ill bird that fouls its own nest. が挙げられます。同じ「鳥」の比喩で同じ趣旨を表現できる点がオススメポイント。

英会話でじかに「立つ鳥あとを濁さず」と述べる場面はそう多くはないでしょうけれど、「退居する前にキレイにしておかなくちゃ」的な言い方で表現する機会はあるかもしれません。

英語で伝える別れ際の一言「今まで本当にありがとうございました」

「立つ鳥あとを濁さず」の「あと」は、漢字では「跡」と表記します。「立つ鳥を濁さず」。「後」ではありません。

「立つ鳥跡を濁さす」を英語で表現する言い方

「立つ鳥跡を濁さず」を直訳・逐語訳したような英語の表現は、特に見出されません。西欧由来のことわざではないので(古代中国の故事成語というわけでもないようですが)。

その上であえて近い言い回しを挙げるとすれば、やはり It’s an ill bird that fouls its own nest. が候補筆頭に挙がるでしょう。

It’s an ill bird that fouls its own nest.

It’s an ill bird that fouls its own nest. は「自分の巣を汚す鳥は悪い鳥だ」という意味の、英語の慣用表現です。

日本語の「立つ鳥~」は「濁す」という語が「水面から飛び立つ」場面を思い起こさせますが、英語の「It’s an ill bird that ~」は巣(nest)に関する話題です。

foul one’s own nest は「自ら悪しざまに言う」という意味もある

It’s an ill bird that fouls its own nest. という一文そのままの形で目にする機会はそうそうないかもしれませんが、fouls its own nest 部分だけなら比較的ソコソコ目にする機会があるかもしれません。

foul one’s own nest は「自陣の事を悪く言う」という意味合いで用いられることのある言い回しです。それが「後腐れを残していった人間」の比喩である可能性もなくはないでしょう。

the kingfisher was one of the few birds that fouls its own nest.
カワセミは自分の巣を不潔なままにしておく珍しい種だった
Herald.ie , 7 June 2018
Some in Germany saw him as a Nestbeschmutzer, a chick that fouls its own nest.
ドイツでは彼(ギュンター・グラス )を「巣汚し」と――つまり自分のねぐらを汚すヒナ鳥のような(祖国をくそみそに扱った)奴だと言った者もいた
―  The Spectator , 31 December 2016
We are the only animal that fouls its own nest, yet we call ourselves Homo sapiens — man, the wise.
人は、ねぐらを自分から劣悪にする(自ら貶める)唯一の動物だ、なのにホモ・サピエンス(賢い人間)を自称している
Washington Post, February 4, 2015

A bird does not foul the nest that it is about to leave.

研究社 新和英中辞典 では「立つ鳥」(=a bird just flying off )の文例として A bird does not foul the nest that it is about to leave. という一文を掲げています。

これは多分きっとバッチリ意味が伝わる妙訳です。

A bird does not foul the nest that it is about to leave.
(いま巣立たんとする鳥は古巣を汚したりはしない)

この一文そのものは、もともと英語圏で慣用的に用いられていた表現というわけではなさそうです。研究社さんが考案した一文と見るべきでしょう。

しかしながら、これは foul the nest という(もともと英語圏で馴染みのある)表現を援用しつつ、leave の語で「飛び立つ」という意味合いをしっかり補った、日本語と英語のうまい折衷案といえるでしょう。

On leaving a place one should see that everything is in good order before one goes.

同じく研究社 新和英中辞典 の「立つ鳥」の文例には、On leaving a place one should see that everything is in good order before one goes. というやや長い文も掲げられています。

こちらは鳥の比喩から脱却して本旨そのものを直接的に述べた文です。

On leaving a place one should see that everything is in good order before one goes.
(退去に当たっては出発前に万事うまく片付くよう取りはからうべし)

こうした例に接すると、「立つ鳥~」の趣旨を伝えるために《鳥》の比喩に絡める必要なんて全然ないことに気づかされます。

自分の言葉に勘案する発想が何より大切

日本語のことわざや慣用表現について「英語でどう言うんだろう」と考える場合、そこに「正解」のようなものがあるとは考えない方がよいでしょう。

まあ日本語ことわざ表現にバッチリ対応する「正解例」のような英語表現がある場合もあるのですが、それでも、その表現が唯一無二の正解(それ以外は誤り)ということにはなりません。

ことわざ・慣用表現は、ある種の含蓄を簡潔に表現するという役割しかありません。その含蓄は、他の言葉でも言い表せます。

つまり、ことわざや慣用句を英語で表現する場合には「字句・字面」ではなく「真意」を英語にするという発想が大切です。

まずはことわざの趣旨を自分なりにかみ砕いて、平易な日本語に置き換えて述べてみましょう。そうして自分なりの言葉で紡いだ表現なら、英語にするのも簡単なはずです。

 

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