「空気を読む」「空気が読めない」は英語でどう言う?

空気を読む」という表現は、日本語あるいは日本文化に特有のニュアンスの感じられる言い回しです。英語には、ばっちり意味が対応する表現はなかなか見つかりませんが、「空気を読む」の趣旨で使える表現はあります。

「空気を読む」と表現する言い方

read between the lines

行間を読み取る

read between the lines は英語でもしばしば使われる表現です。書き言葉において、言葉で直接には示されていない、言葉と言葉の間に垣間見えるような「言外の意味」を把握する、という意味を含みます。

Reading between the lines, John must be irritated with his parents.
察するに、ジョンは両親に対してイライラしているに違いない

「《場》の雰囲気をくみ取る」ニュアンスは希薄

read between the lines は、発言の意図や真意を汲む、示唆されている事柄を把握する、というニュアンスを中心とする言い方です。言動の端々から状況が察せられるという意味合いもあるでしょう。いずれにしても、発言者の存在を念頭においた言い方です。

他方、日本語の「空気を読む」は、誰というわけではない「場の雰囲気」から判断・推察するというニュアンスがあります。その辺は少し違います。

take a hint

気を利かせる

take a hint は、文字通りにいえば「ヒントを理解する」と表現する言い方です。ヒント(暗に遠まわしに示される仄めかし)を鋭敏に察する、という意味で、「機転を利かせる」「気を利かせる」および「空気を読む」に近いニュアンスでも用いられます。

Though I didn’t want to talk with Mary, she didn’t take a hint.
メアリーとは話したくなかったのに、彼女は察してくれなかった

go with the flow

流れに従う

go with the flow は、「流れに乗る」「流れに身を任せる」という意味の表現です。他人と同じように振る舞ったり、周囲から逸脱しないように行動したりするさまを指します。

「空気を読む」とはややニュアンスがかけ離れている感もありますが、「同調」の意味合いを表現する場合にはしっくりくるでしょう。

She always goes with the flow.
彼女はいつも他人に合わせてばかりいる

「空気が読めない」と表現する言い方

insensitive

鈍感

insensitive は in- (否定の接頭辞)+ sensitive (敏感)で、「無神経な」「鈍感な」「人の気持ちがわからない」という意味の形容詞です。

場にそぐわない無神経な発言、人の気持ちを考えない無思慮な発言などは insensitive remark と表現できます。「空気を読まない一言」と言いたい場合にはぴったりでしょう。

You are insensitive to behave like this.
そんな風にふるまうなんて無神経だよ

wet blanket

場に水を差す奴

wet blanket は「場をしらけさせる人」「話に水を差す人」いう意味で用いられる慣用表現です。空気の読める人とは対極的な存在という意味で、「空気の読めないやつ」に通じます。

wet blanket (濡れた毛布)という言い回しが成立した背景には、「小火(ボヤ)の火消しには濡れた毛布をかぶせるのが最も効果的」という知恵があるようです。熱気あふれる場を瞬時に鎮静化する存在というわけです。

I was disgusted with wet blankets at the party.
パーティーで場をしらけさせるやつらにはうんざりしたよ

party pooper

パーティクソ野郎

party pooper は wet blanket とほぼ同じ意味で、場をしらけさせる人、とりわけパーティの楽しい雰囲気を台無しにする人を指すスラングです。

poop は日本語の「うんこ」に相当する低俗な語です。主に名詞として持ちいらえますが、「ウンコする」という動詞の意味でも用いられます。つまり pooper は「うんこたれ」という意味の語。あるいは、pooper を「うんこする部分(=肛門)」という意味で用いることもあります。

ちなみに、パーティやそっち系のイベントが大好きでよく参加する人は party animal と言います。いわゆるパリピな人々です。




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