英語の「nut(s)」(ナッツ)のちょっと意外な意味・用法

nut(s) は「木の実」あるいは「ナッツ(類)」という意味の単語としてお馴染みです。工業用部品の「ナット」を指す語でもあります。さらに、スラングとしては「頭のオカシイ奴」というような意味で用いられることがままあります。

nut(s) が絡むイディオム・慣用表現も「頭が変」という意味合いの言い回しが多々あります。

nut の基本的な語義の区分

nus の語源は古期英語ないしゲルマン祖語の hnutu に求められるようです。hnutu の主な意味は「小さくてかたいもの」だとか。今日では、nut は複数の意味合いで用いられますが、いずれも元の意味に通じるものは感じられます。

木の実(ナッツ)

nut も代表的な語義としてはナッツすなわち「木の実」という意味が挙げられます。硬い殻に覆われ、食用にできる木の実。日本語では「堅果」とも呼ばれます。

外殻部分を除いた中核(「仁」)を特に指す場合もあります。

たいていの文脈では複数形の nuts の形で用いられますが、1個単位で扱う(クルミをひとつひとつ割るような)場面では単数形で nut と表現されます。

クルミ、アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ、ピスタチオ、どんぐり等がナッツに該当します。ヒマワリの種(sunflower seeds)もナッツとして扱われる場合があります。

木の実を拾う(nutting)

木の実という語義に関連して、nut は「木の実を拾う」という動詞の用法で用いられる場合があり得ます。たとえば go nutting(木の実ひろいに行く)という風に用いられます。

「木の実」といえばどうする対象か?と問われれば、「木の実は拾うものである」と答えることになるだろう。・・・・・・という脈絡で意味が成立したかどうかは定かではありませんが、そんな感じで動詞の意味が推察できる単語は意外と多くあります。bottle (瓶に詰める)とか。

英語の「意外にも動詞の用法がある名詞」

留めネジ(ナット)

nut は機械部品のいわゆるナットを指す意味でも多く用いられます。ボルト(bolt)を締める補助として用いられる部品です。

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このナットも複数まとめて扱う場合には複数形で nuts (ナッツ)と呼ぶことになります。

ギター等の弦受け(ナット)

弦楽器に弦を張る際にヘッド側の支点となる部品もナットといいます。

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睾丸

俗に男性のキ〇タマを nuts と呼ぶ場合もあります。

基本的に2個あるものなので nuts と複数形で扱われます。

狂人・クレイジー

nut は俗に「変わり者」「狂った人」「頭のおかしい人」という意味合いで用いられることもあります。

たとえば golf nut は「ゴルフ狂い」。fishing nut といえば「釣りキチ」です。

「狂う」と表現する言い方は、俗な用法まで含めると実に多種多様です。crazy、eccentric、mad、insane、bonkers、bananas、等々。べつに nut がキの字を表現する唯一の語というわけではありません。しかしながら、慣用表現の豊富さという点では nut が抜きんでています。

形容詞の nuts(狂った)

nut は名詞として「変人」「狂人」を意味合い場合もありますが、「狂っている」「馬鹿げた」という意味の形容詞として扱われる場合もあります。

そして、形容詞の用法ではもっぱら nuts の語形で用いられます。

nut(s) に関連するイディオム・熟語表現

nut あるいは nuts を含む定型的な言い回しの多くは、狂人・クレイジーな人を指す意味合いに関連する表現といえます。

nuts about something

(be) nuts about (+名詞)と表現すれば、「~に熱狂している」「夢中になるほど大好き」という趣旨が表現できます。

I’m nuts about you !
君にゾッコン夢中なんだよ

drive someone nuts

drive someone nuts は「(人を)狂わせる」「人の気を狂わせる」という意味の言い回しです。

The expression is driving me nuts.
この表情が俺を狂わせる

do one’s nut

do one’s nut は「怒り狂わせる」「キレさせる」という意味合いの言い回しです。do はいわゆる本動詞として扱われ、do your nut とか do her nut のような形で表現されます。

Peta Credlin ‘did her nut’ over ties that bind
ペータ・クレッドリンが堅固な絆を通り越して激昂・怒り心頭
―― The Australian, March 5, 2016

do one’s nut は、どの英語辞書にもしっかり記載されている表現ではありますが、実際の使用例に遭遇する機会は、そうそうないといえそうです。

off one’s nut

off one’s nut は意味・用法ともに do one’s nut に通じる表現といえるでしょう。「気が狂う」と訳される種類の表現です。

While you may think Uncle Philbert is off his nut, consider playing along for the holidays with a pricey gift that would otherwise bust his disaster budget. 
フィルバートおじさんは、クリスマスに合わせたプレゼントが予算を超えそうで気が狂っているのだろう
―― Lincoln Journal Star, Nov 29, 2017

That’s nuts.

That’s nuts. は「そりゃナッツだわ」と述べるだけの一言ですが、これは「くだらねえな」「馬鹿げてるわ」と一笑に付するような場面で用いられる定番のフレーズです。

hard nut (to crack)

(a) hard nut to crack は「殻がなかなか割れない硬いナッツ」ということで難物・堅物・手に負えないような人物を指す表現です。

これは変人・狂人のニュアンスというよりも、頑固者を硬いナッツになぞらえた比喩表現といえるでしょう。

nuts and bolts

nuts and bolts は「ナットとボルト」ということで、機械部品のナットの意味で用いられる言い回しです。意味は「基礎的かつ実践的な事柄」。おおよそ「~入門」とでも訳せそうです。

The basic nuts and bolts of bitcoin
ビットコインのキホン
―― Livemint, Nov 30 2017

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