「予告先発」は英語でどう言う?

野球の「予告先発」を英語で表現する場合、「先発投手」を指す名詞的な用法では probable pitchers という表現が使えます。「先発を予告する」という動詞的な用法なら announce + starter だけで意味が通ります。

先発投手そのものは starting pitcher あるいは starter と表現できます。

英語における「専門用語」は、わりと基礎的な(平易な)言葉で表現される場合も多いものです。自分の言葉で素朴に表現すれば意外と的を射た表現になったりします。

「予告先発」を英語で表現する言い方

いわゆる「予告先発」とは、野球の試合に最初に登板する投手(先発投手)を事前に公表すること、あるいは、その投手のことを指します。

日本語の「予告先発」は、投手(予告先発投手)を指す意味でつかわれることもあれば、予告そのもの(先発予告行為)を指す意味で使われる場合もある、少し曖昧な表現です。この曖昧さを弁別できるように意識できれば、対応する英語表現も見つかるでしょう。

Pitcher Baseball

「予告先発(の投手)」は英語では probable pitcher(s) という

先発投手として予告された選手、という(名詞の)意味で「予告先発(投手)」と述べる場合、英語では probable pitcher(s) という表現が使えます。

この probable pitchers という表現は MLB(いわゆるメジャーリーグ)の公式ウェブサイトで用いられている、いわば公式の用語です。

Baseball Probable Pitchers ― MLB.com

probable は形容詞で、「まずそうなる」程度の確度を表現します。絶対確実と言い切れるわけではないものの、大方その通りに運ぶであろうという確度。なお確度がもっと低くて「多分」「かもしれない」くらいの場合は possible が用いられます。

文章的叙述としては announce + starter で十分

文章中で「先発ピッチャーを予告する」という(動詞の)意味で叙述する場合、他動詞 announce に目的語として (the) starter を置く形で表現できます。

announce the starter という表現そのものには「野球の(先発投手の)話題であること」とか「試合開始前の予告であること」といった情報は含まれません。でもそれは会話の脈絡上もはや自明となっているはずです。

ちなみに、メジャーリーグでは先発予告は特に制度として規定されているわけではなく、慣習・慣例のような形で行われているようです。予告先発の仕組み自体は policy of announcing starting pitchers in advance のように表現される例が見られます。


「予告」および「先発」を単独で述べる場合の言い方

「予告(する)」は announce in advance と表現する

予告先発の「予告」要素を表現する最も手頃な語彙は announce (アナウンス)でしょう。

announce は「発表する」「知らせる」「告知する」というような意味合いで幅広く使える動詞です。音声に限らず文字(文書等)による伝達・通知についても announce と表現できます。

announce の語そのもは「事前に」という要素は含みません。「予告」「事前の通達」という意味合いを明示する場合は in advance (あらかじめ)という副詞句を添える言い方が定番です。

もし試合前の時点なら、announce だけでも「予告」であることが伝わるでしょうけれど、試合が始まって以降の段階だと予告先発なのか投手登板に伴う場内アナウンスなのか判然としなくなります。その辺ハッキリさせる必要がある場合には announce in advance と明示的に表現した方がよいでしょう。

in advance の代わりに before the game とか prior to the game のような言い方で「試合前に」と述べる手もあります。

ちなみに announce はもっぱら動詞(他動詞または自動詞)として用いられる語であり、名詞の用法がありません。名詞は anouncement (もしくは annunciation)という形をとります。

「先発」は starter あるいは starting pitcher と表現する

「先発投手」は英語では starter(スターター)もしくは starting pitcher (スターティングピッチャー)と呼ばれます。

スターターもスターティングピッチャーも、日本語の野球用語としてソコソコ使われることがあり、その限りにおいて日本語の外来語知識がそのまま原語で使える珍しい例といえます。

しかしながら、日本語の語彙の中から英語表現を探すという思考方法は、日本語化された(微妙に誤った)英語表現を見つける懸念が常につきまといます。何より、日本語を手がかりにしていると「英語で英語を考える」思考が身につきません。

日常英会話の能力を伸ばすという点を重視するなら、やはり「日本語の野球用語を参照する」という考え方は《最初の手がかり》程度に留めておくことをおすすめします。

 


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