理想的なコミュニケーションは、ただ意思の疎通をはかるだけでなく、会話を通じて共感や相互理解をはぐくむことも重要です。会話中では特に「あいづち」が重要な役割を果たします。あいづちは共感や理解を示し、また話を流れやすくする潤滑油の役割を果たします。
あいづちにもさまざまなパターンがあり、言い方次第で会話がチグハグな感じになったり、あるいは一気にネイティブっぽさが演出できたりします。話に合わせて最適なあいづちを打つことができれば、相手も話しやすくなり、互いの心理的距離感は一気に接近するでしょう。
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uh-huh (うん、うん)
特にコレと言った意味をもたないあいづちとして「うんうん」というような言い方が、日本語にもありますが、英語にも「uh-huh」という似たあいづち表現があります。(uh-uh などとも表記されます)
hu-huh は大きな共感や理解というよりは、ちゃんと話を聞いていること、話に付いてきていることを示す感覚で使われます。前フリに合わせる場合などに最適です。
昨日さ新宿あたりを歩いてたんだ
B. Uh-huh.
うんうん
A. Then, I found a nice restrant! Let’s go there soon!
そしたらイイ感じのお店を見つけたんだ、こんど行ってみようよ
B. That’s a good idea.
おっ、いいね!
Exactly. (ホントにそうだね)
相手の発言への同意や共感を示すあいづちとしては、「Exactly.」が使えます。「そうなんだよ」「その通りだよ」といったニュアンスです。
もっと強く、100パーセント全力の同意や賛成を伝えたい場合には、「Absolutely.」(絶対そうだよ)と言ってもよいでしょう。
この映画はちょっとつまらないと思うんだ
B. Exactly. I was disappointed with the leading actor’s performance.
本当だね。主役の演技にはがっかりだよ
Totally. (まったくだね)
「Totally.」は「Exactly.」と同様に同意を示すあいづち表現です。あいづち表現としての「Totally.」はスラングに近い言い方で、気さくな間柄のくだけた会話でよく使われます。
totally は、文章を強調したい場合の副詞としても使われます。
本当にごめんなさい、お宅に伺うのをすっかり忘れていました
Nice. / Good. (いいね)
「Nice.」や「Good.」は「いいね」というニュアンスで使われる相づちです。相手がうれしい知らせを持って来たら、「Nice.」や「Good.」の一言を添えてあげましょう。
聞いてよ、1週間も休みがとれるんだ!
B. Nice. What are you going to do?
そりゃ良いね。何をする予定?
Maybe so. (そうかもね)
「Maybe so.」は「まあ、そうかもね」といった意味で、軽く共感を示したいときに使えるフレーズです。他にも、「Could be.」というフレーズも同じ意味で使われます。単に「Maybe.」とだけ言う言い方もあります。
「Maybe.」と「Maybe so.」の違いは、「Maybe so.」が相手の発言に対して同調する意味合いを強く持つという点にあるといえるでしょう。「Maybe.」が「おそらくね」というニュアンスとすれば、「Maybe so.」は「おそらくそうかもね」というニュアンスです。
ここにあと何週間か滞在するの?
B. Maybe.
多分ね
A. You mean, you stay here by the end of August?
つまり、8月の終わりまでここにいるってこと?
B. Maybe so.
まあ、そうなるね
言葉にできなくても気持ちを示そう
あいづちの呼吸とリズムは餅つき(の手水)の極意に通じます。ただし、あいづちではさらに「状態を読む」ことも必要です。何から何まで「へえ」とか「ほう」としか反応しないのでは、話す方も乗れません。
うまい英語表現が見つからない場合でも、表情、声色、身振りといった言葉以外の表現方法で感情を示す心がけも必要です。非言語コミュニケーションは言語の壁を越えて案外と通じるもの。相手に「理解している」「話はちゃんと受け取っている」と伝えるには十分です。
もちろん、うまいあいづち表現が使いこなせる場合にも、表情や身振り手振りといったボディランゲージはぜひ併用しましょう。いっそう細やかなニュアンスと臨場感をもってあいづちが打てます。