不安や懸念は「思い過ごし」を引き寄せます。現実とかけ離れた事を言い出した人には、「気のせいだよ」といって不安を吹き飛ばしてあげましょう。
目次
「気のせい」を英語で表現する基本的な言い方
It’s (just) your imagination.
気のせいだよ
It’s (just) one‘s imagination. は、「気のせいだ」と述べる場面ならたいてい無難に使える汎用的な表現です。
「気のせいだよ」「思い過ごしさ」「思い込みに過ぎないって」等々、さまざまなニュアンスで使えます。このフレーズだけ覚えておけば充分かもしれません。
だれか居る
? It’s just your imagination.
気のせいでしょう
ん? いま地下から変な音が聞こえたんだけど
? Come on ! I didn’t hear anything. It’s just your imagination.
またまた~。何も聞こえなかったよ、気のせいだよ
It’s just my imagination と述べれば「気のせいだわ」という独白の表現にできます。ただし my imagination は「想定」「発想」「空想」「夢想」「妄想」とか色々な文脈で用いられるので語弊がないように注意しましょう。
たぶん私の思い過ごしだろう
You’re (just) imagining things.
思い過ごしさ
be imagining things は「気のせい」「思い過ごし」のような意味で用いられる表現です。これも幅広い場面で使える言い方といえるでしょう。
image(思い描く)という動詞を用いて、基本的には相手に語りかける表現なので、主語は普通は you です。「それは気のせいだ」よりは「君の思い過ごしだ」と訳した方が対応関係が分かりやすそう。
一人称を主語に取り、 I’m ~ の形で「気のせいだったわ」と叙述する言い方も、できなくはなさそうですが、普通はそういう風には言いません。
be imagining things と同じ要領で、 be seeing things あるいは be hearing things といった表現でも「気のせい」の旨が表現できます。
It’s your imagination.
それは君の想像の産物だよ
It’s your imagination. は、「それは君の想像だ」と述べる形で「気のせいだ」と表現する言い方です。
be imagining things は多分に英語的な言い回しで、なかなか発想しにくい部分がありますが、It’s your imagination. は日本人的な素朴な発想でも見出しやすい、ある意味ありがたいフレーズです。
imagination は空想・想像を意味する語に置き換え可
It’s your imagination. の imagination は同種の名詞に置き換えても意味が通ります。
- It’s your delusion.
- It’s your illusion.
- It’s your dream.
- It’s your daydream.
- It’s your fantasy.
それは幻想だよ
夢でも見てるんだろうさ
定番フレーズ・常套句とは言いにくくなり、多少のニュアンスの加減も出てくるところでしょうが、「そりゃ幻だよ」と表現する枠組みからは逸脱せず、つまるところ趣旨は伝わります。
It’s a trick of the senses.
錯覚でしょう
(a) trick of (the) senses も幅広い意味合いの「気のせい」に対応し得る言い回しといえす。
trick of (the) ~ は「錯覚」「見間違い」のような意味合いで用いられることがあります。多分に「いたずら」「トリック」の意味合いが見出せる場合も少なくありません。
- a trick of the eye :錯覚(視覚のトリック)
- a trick of the memory:思い違い、うろ覚え
ただし実際 a trick of the senses という言い回しが用いられる場面はかなり珍しい部類のようで、少なくともウェブ上では使用例を見出すことすら至難のわざです。基本的には It’s just your imagination. で事足りてしまっているというか。
汎用ではないが場面に応じて使える英語表現
大体どんな場面でも imagination の語で表現してしまえますが、状況によっては all in head や seeing things といった慣用表現でこなれた風に表現する言い方も使えます。
It’s all in your head.
考えすぎだよ
all in head は「君の頭の中にしかない事」と表現して「気のせい」と述べる言い回しです。 head を your や his などの所有代名詞で修飾して用い、たいてい It’s all in your head. のような形で用いられます。
You’re seeing things.
幻でも見たんでしょう
be seeing things は「幻(まぼろし)を見た」という意味で用いられる慣用的な言い回しです。幻でも見たんでしょう、といった切り口で「気のせいですよ」と述べる表現です。
seeing things は、動詞 see から察せられるように、「見る」という視覚的行為を前提とする言い方です。幻聴の場合は hear を用います。
英語の thing は、名状できないモノ・名状する必要のないモノ、名状しようとは思わないモノなどを指す代名詞です。see things の意味合いを深掘りすると、結構ホラーじみて楽しくなれます。
You’re hearing things.
幻聴ってやつでしょ
be hearing things も、seeing things と同様に「幻でしょう」と表現する言い方です。動詞 hear が示唆する通り、聴覚を通じて知覚された幻を前提します。
落ち着けって、気のせいだよ(幻聴だよ)
see や hear は知覚動詞といって「見えている」状態、「聞こえている」状態を指す言い方です。
意識的に目線をやる場合は look や watch 、意識的に耳を傾ける場合には listen to のような動詞表現が主に用いられます。see や hear が用いられる場合は、意識を向けているか否かは度外視して、ただ見えるかどうか、聞こえるかどうかを焦点に当てます。
look や watch ではなく seeing things と表現することで、見ようとしているわけではなく何か見えてしまった、というニュアンスが伝わります。
同じく、listen ではなく hearing things と表現することで、聞こうとしているわけではなく何か聞こえてしまった、というニュアンスが伝わります。
「それはない」と表現して趣旨を伝える発想もアリ
気のせい、と伝える言い方も色々な伝え方があります。場合によっては、「ありえない」「そんなわけないよ」と断言する言い方もアリでしょう。
「気のせい」という日本語の字面にとらわれて、対応する表現を探そうとしてしまうと、《趣旨を伝える》という根本の部分を見失いがちになります。それで言葉に詰まるくらいなら思い切って大胆に換言してしまうのも手です。
It’s impossible.
そんなことある筈ないよ
impossible は可能性(possible)の無さ(im-)を示す、日本語の「ありえない」に対応する表現です。
んなワケない、と伝えることで、現実的ではないという趣旨を伝えられます。すなわち、気のせいに過ぎないという趣旨を表明できます。
It can’t be true.
それは本当のことじゃない
true は「真実の」「本当の」といった意味で用いられる語です。主に形容詞として用いられます。
It can’t be true. は「それは違う」とか「間違っている」といったニュアンスで用いられます。impossible に比べると、やや柔和なニュアンスというか、語気は抑えめと言えるでしょう。
No way.
ありえない
no way は「そんな道理はない」「あり得ない」という意味合いで用いられる口語的な表現です。
way は根本的には「道」を指す語です。転じて、進むべき道・方法・方途、というニュアンスでも多く用いられます。
「落ち着いてよく考えて」と伝える切り口もアリ
幽霊だ~! と言って半狂乱に陥っているような人に対しては、「それは気のせい」と諭す言い方が効果的とは限りません。むしろ、「落ち着け」「まずはよく考えよう」というように、平常心を取り戻させる言葉の方が効果が期待できる場面もあります。
positive
positive (ポジティブ)は「前向きに」「肯定的に」といった意味合いの表現です。
think positive のよにうに述べることで、前向きに明るく捉えましょう、という趣旨が表現できます。
rational
rational は「理性的」という程の意味合いの語です。Be rational. と言えば「冷静になれ」とか「落ち着け」という趣旨を伝えることができます。
constructive(ly)
constructive は「建設的な」という意味の表現です。前向きに積み上げてゆくニュアンスを含みます。
Think constructively. といえば、「建設的に考えよう」という意味で、「しっかりと前向きに考えて行こう」と伝える言い方になります。
相手に「気のせいだよ」と言われた場合の返し方
相手が変なことを言い出して「それは気のせい」と指摘する立場だけを想定していたのでは、片手落ちというもの。自分が怪しい物影を見たり怪しい物音を聞いたりした当事者になってしなった場合も想定しておかなくてはなりません。
りん、と風鈴が鳴った。……ような気がした。いま何か物音がしなかったかと、友人に問うてみた。友人は気づいた様子はなく、いや、気のせいでしょうと、意に介さない体。、大体そんな場面。
「確かに気のせいかもね」的な返し方
言われてみれば気のせいだよね、と思えたなら、 It’s my imagination. (私の気のせいだわ)という言い方が使えます。
たぶん私の気のせいだわ
たぶん私(の気のせい)ね
もう少し言葉を足すなら「君の言う通り」のように言い添えてもよいでしょう。
確かにそうだわ気にしすぎているのかも
「いいや気のせいなんかじゃない」的な返し方
―― マジで目にした・耳にした、笑い飛ばされても気のせいとは思えない、という場合も、想定はしておく必要は多分あるでしょう。
ウソじゃないって、本当だよ
こんなセリフを使う機会は訪れないことを祈ります。