人の「体型」は繊細な話題です。特に「デブ」な体つきは、基本的に美醜の「醜」に区分されがちなので、言及する場合には侮蔑的な物言いにならないよう細心の注意を払う必要があります。
人の体型がデブとかガリとか普通とか、そういう話題は避けるに越したことはありませんが、もし言及せざるを得ない場面になったら、できるだけ穏便な温和な表現を選びましょう。
基本的に避けた方がよい要注意表現
fat は失礼千万に聞こえる語
「太っている」という意味の語としては、デブ – 肥満 – 脂肪のような脈絡で fat が思い浮かぶところですが、fat は人を形容する表現としては思いっきり失礼な語として響く可能性が濃厚です。
fat は、確かに「太った」と形容する最も一般的な表現なのですが、その根底には「まるまると肥え太った肥満体」、「脂肪の塊」「a large amount of 贅肉」というようなニュアンスがあります。「ものすごく太っている」「異様に太っている」というニュアンスさえ伝わりかねません。
fat は、家畜の肥育ぶりを形容する言葉でもあります。
「最近ちょっと太った?」のように言いたい場面で、 fat の語を使って表現した場合、ちょっとポッチャリしたというような程度ではなく、見るも無惨に肥え太ったというようなニュアンスが出かねません。
彼は最近かなり太ったんじゃないか
僕ぁ昔は肥満児だったんだ
好意的ニュアンスを込めて表現する言い方
stout は年季の入った恰幅の良さ
stout はもともと「頑強な」といった意味の語ですが、fat と言いたい状況を穏便にボカシて表現する言い方としても用いられます。とりわけ年配の方の太り具合を形容する際に使われます。
日本語で「でっぷりした」「恰幅の良い」と表現するような、ガタイがよくて強そうな太った中高年を形容する場面でよく用いられる言い方です。
突然、恰幅のよい中年紳士が部屋に現れた
叔母はかなり太っていてまともに走れない
plump は「ふくよか」「丸ぽちゃ」に通じる好感のある言い方
plump も基本的には fat な体型を婉曲的に述べるボカシ表現ですが、fat と形容するほどのデブではなく、むしろ、わりと感じのよい太り具合を形容する語として用いられる言い方です。
plump は必ずしも悪い意味ではない太りかた、言うなれば「丸々としている」「肉付きがよい」「ふくよかな」といったニュアンスの太りかたを指します。特に赤ちゃんのまるまると太った感じを指す言い方として用いられます。
長期休暇から帰ってきた彼は太っていた
彼女のお腹は丸くてぽってりしている
heavyset は男性的なイカツイ体つきを指す言い方
heavyset は「体格がいい」「がっしりしている」あるいは「ずんぐりした」という意味合いの単語です。主に男性の体型を形容する際に用いられます。(女性に対して用いることもあります)
男性的たくましさを感じさせるガッチリした体型は heavyset と表現すれば間違いありません。だらしないビール腹の中年紳士を heavyset と形容しても、特に皮肉めいたニュアンスが出るわけでもないので、安心して使えます。
彼は、大きくて強くて、がっしりした男性です
curvy は女性的しなやかさを備えた豊満な体つき
curvy は「丸みのある」「曲線的な」という意味の語であり、女性の曲線美を形容する語として用いられます。
女性らしい丸みを帯びた身体を賞賛するニュアンスを多分に含む、ポジティブな意味を持つ言い方です。
curvy の語そのものには「太っている」というニュアンスは特に含まれません。過度の肥満体でなければ、デブの部類ではなく「豊満な肉体」であり、魅力です。
君は今のままで十分に素敵だよ、太りじしってやつさ
chubby は赤子のポッテリ感
chubby は日本語の「ぽっちゃりした」に近い意味ニュアンスの語で、肥満というほどではなく、しかし丸々とよく太っている様子を指す表現です。男女の区別なく使えます。
とりわけ新生児や乳幼児の丸々とした健康的な太りっぷりを形容する言い方としてよく使われます。
あなたの丸くてふっくらしたほっぺが好きよ
彼は丸々としていて気がよさそうでした。それが、私の彼に対する第一印象です