地名は、どの言語でも、イレギュラーな読み方をする名詞の宝庫です。英語でも単語から読み方が推測できない地名(難読地名)にしばしば出くわします。
中には、英単語は一見して読み方が分からない変地名なのに、発音を聞くと「ああ、それね」と理解できてしまう、《カタカナ表記の方が実際の発音に近いんじゃないか疑惑》の色濃い地名が多々あります。
英語にも近隣の言語の影響を受けてきた歴史があります。外来語として入ってきた歴史が浅い日本における表音文字=カタカナの方が素直に音写しているケースがあるのも無理はありません。
イギリス
■Edinburgh
―― 「エディンバラ 」/ɛdɪnbərə/
スコットランドの中心都市です。アルファベット表記を見ると「エディンバーグ」とでも読みたくなるところですが。
■Greenwich
――「グリニッジ」 /ɡrɪnɪdʒ/
世界の時間の基準を担うグリニッジ天文台があるグリニッジ。「-wich」という語尾は街や地域という意味を持つようです。
■Portsmouth
―― 「ポーツマス」/pɔːtsməθ/
日露戦争の講和条約が結ばれたポーツマス。ポーツマウスではありません、ポーツマスです。
■Worcester
――「ウスター」/wʊstə/
一見発音が想像できない「Worcester」ですが、ウスターソースの発祥の地となった「ウスター」が正解です。
アメリカ
■Eugene
――「ユージーン」/judʒɪːn,/
オレゴン州の都市ユージーン。人名でもEugeneは使われるため、要チェックです。
■Sioux City
――「スー・シティ」/suː sɪti /
スーシティはアメリカ西部のアイオワ州に位置しており、スー族の町という意味です。Siouxとは、アメリカのインディアン部族スー族を指します。
■Zzyzx
――「ザイジクス」 /zaɪzɪks/
ザイジクス(ジージクス)はカリフォルニア州の開拓地です。辞書の一番最後の単語になるようにという思いで名づけられた地名です。
もっとも、日本語では「ジージクス」の表記の方が通例として用いられているようです。