日本語の「退屈」に対応する基礎的な英語表現として、動詞 bore が挙げられます。 boring の形の方がなじみ深いかも知れません。ただし bore の使い方には注意が必要です。
日本語感覚のまま英語で「私は退屈《している》」と言おうとすると、I’m boring. と表現してしまいそうになりますが、それは「私はつまらない人間です」という意味に聞こえかねません。
「(自分が)退屈」は I’m bored. と表現する
何もすることがない、暇を持て余している、手持ちぶさた、という状況は、I’m bored. と表現できます。
つまり、bore は受け身の形で用います。
bore は他動詞という点が大事
なぜ boring でなく bored の形を用いるのかというと、bore が「人を退屈させる」という意味合いの他動詞であるからです。
I’m boring. は、「私は(何かを)飽き飽きさせている人間です」という意味にも受け取れてしまいます。
It’s boring. なら「(自分が)退屈」の意味が通る
映画やテレビ番組を観ていて「つまらない」「退屈だ」と表現するような場合、その映画やテレビ番組を主語に位置づけて It’s boring. と表現すると、自分が退屈しているさまを正しく表現できます。
それ(映画やテレビ番組)が、人を飽き飽きさせるような(退屈な)代物だ、と表現することで、自分が退屈していることを表現するわけです。
使い分け要領の把握のコツ
bore(bored、boring)以外にも、語形と主語の組み合わせを注意して揃えないと誤解を招きかねない表現は沢山あります。
把握の仕方としては、自分の状態や心境を表現する形容詞表現のうち、元となる動詞が他動詞である(自動詞の用法はない)場合、自分(I)を主語に置いて表現するのなら、語尾は –ed 型の形容詞表現をとる、と覚えましょう。
自分の状態や心境の要因となっている対象を主語に置く場合は語尾 -ing 型の形容詞で表現します。
まだ沢山ある同種の要注意表現
bore と同様の要注意表現には exciting や interesting 、あるいは scary などが含まれます。
exciting と excited
exciting と excited の元となる動詞は excite 。「興奮させる」「興奮をかき立てる」という意味合いの他動詞です。自動詞の用法はありません。
「わくわくする」「興奮している」と表現するなら I‘m excited. あるいは It‘s exciting. と表現します。
interesting と interested
interesting と interested は他動詞 interest から派生した形容詞表現です。interest には名詞および他動詞の用法はありますが、自動詞の用法はありません。
興味を抱いている対象を主語に位置づけて述べるなら It’s interesting. と表現できます。「私は~に興味があります」という風に自分を主語に置いて述べる場合は interested in ~ のように表現します。
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scared と scaring と scary
scared と scaring は、動詞 scare に基づく形容詞表現です。scar(傷)ではなく scare 。「怖がらせる」「おびえさせる」といった意味合いの動詞です。
scare には自動詞の意味合いがないわけではないのですが、とりあえず「もっぱら他動詞」と把握しましょう。この辺の勘どころはまた別の機会に。
「自分は恐怖を感じている」という意味で「怖い」と述べる場合は、-ed 型の形容詞を使って I‘m scared. と表現します。
「自分はコレに恐怖を感じる」というように(「コレ」を主語に置いて)「恐ろしい」述べる場合は、It‘s scaring. と表現できます、が、この scaring と同じ意味で形容詞 scary が一般的に用いられており、It’s scary. (こわい)とも表現できます。