時期や時間を示す表現のうち、last や next を使って「先日」や「来週」を示す《相対的》な表現は、具体的にいつを指しているか混乱しがちな表現です。特に曜日の表現は要注意です。
last と next の基本的な指示対象を理解し、文脈によっては this を駆使して言い分ける、それでも曖昧な場合には聞き流さずに確認する。そのくらいの心構えが必要です。
【概説】last や next は相対的な直前・直後
last Christmas や next summer のように last / next を使って述べられる表現は、そう述べた時点を当の現在として時間的な前後を指し示す表現です。
last Christmas は大抵の場合「去年のクリスマス」を指すことになります。
next summer は「次の夏」ということで、年内のどの時点で言及したかによって訳し分けが必要となってきます。たとえば春先の(これから夏を迎える)時期なら「今年の夏」を指し、秋~冬の(その年の夏はもう過ぎた)時期なら「来年の夏」を指します。
定冠詞 the を付けて the last 、 the next と表現した場合には、過去または未来の特定の時点に立脚して「その次の」時点を指す表現となります。
【英語徹底解説】last と next の正しい使い方【the を付ける・付けない】
曜日を指す場合は this も駆使する
「この前の日曜」や「この次の木曜」のように、曜日を指す表現を用いる場合、何曜日の時点でその会話をしているかによって、今週の話なのか、来週の話なのかが不明確になりがちです。
たとえば last Monday というと、普通は「先週の月曜」を指しますが、これを言っている時点が火曜日だとすると昨日の月曜日を指している場合があり得ます。「先週の月曜」と区別して、1日前の=今週の、つまり「直近の」曜日を指す場合には、誤解を防ぐために「this Monday」と言うことがあります。
例文:
I went skiing last Sunday.
この前の(先週の)日曜にスキーにいったよ
I went skiing this Sunday.
この前の(2日前の)日曜にスキーにいったよ
同じく、next Thursday(次の木曜)と言った場合は、話している時点が火曜日だとすると、基本的には「来週の木曜」つまり9日後の木曜を指します。「2日後の木曜」と言いたい場合には、 this を使って「this Thursday」と言います。
例文:
Let’s meet next Thursday.
来週の木曜にお会いしましょう。
Let’s meet this Thursday.
今週の木曜にお会いしましょう。
とはいえ、この辺の言い分けは決して厳密ではなく、「今週の木曜」を指して next Thursday と言う人もいたりします。
確認が大事
英語の last や next に限らず、相対的な時間を指す表現は多分に曖昧・不明確になりやすいものです。いつの事を言っているのかが不確実な場合、可能であれば、相手に確認を取って日時をハッキリさせた方がよいでしょう。
誤解の余地の少ない表現もできる
this(この)と共に past(過ぎた)や privious(前の)のような語を組み合わせて、少々クドくはなりますが曖昧さの減る表現にできます。
もし話の中で曖昧な部分が生じたら、こんな風に言って確認しましょう。
確認のための表現例:
Are you talking about this past Sunday ?
この前の日曜のこと?
Is this previous Sunday ?
この前の日曜だよね
You are talking about Sunday a week ago, right?
1週間前の日曜日の話だよね
「直近の未来の木曜」ならば、this(この)とcoming(来る)をつかって、Is this coming Thursday?(この木曜ですか?)やYou mean Thursday this week?(今週の木曜のことですね?)と言って書くできます。「来週の木曜」ならば、the following Thursday か Thursday nextweekと言いましょう。
日付を明示して確認する
曜日だけではまだ心許ない、という場合は、日付もつけて確認すると尚良しです。日付を付ける場合は、Are you talking about this Thursday, 10th?など、曜日の後に置きます。しっかり確認して、会話に食い違いが生まれないよう気をつけましょう。