英会話を上手につなげる「つなぎ言葉」を使いこなそう

会話の中では、文の前後に少し間が空きます。少し長めに間が空いてしまう場面で、これから発言すると考えている場合、日本語なら「えー」とか「まあ、なんというか」のような言葉を使って間を持たせたりします。このような「間をつなぐ表現」を、英語では filler (「埋めもの」)といいます。

英語にも「つなぎ」に用いるお決まりの表現がいくつかあります。いくつか「つなぎ言葉」を覚えておくと、英会話で言い淀みそうな場面などで《気まずい沈黙》を避けやすくなります。

間をつなぐ表現といっても「uh…」のような声ばかりでは、知性的でない印象を抱かれてしまいます。つなぎ言葉の語彙力を鍛えてスマートに表現できるようになりましょう。


→英会話ビギナーの強い味方!「前置き表現」を身に着けよう

接続詞や副詞が「つなぎ言葉」として使える

会話をつなぐ表現は必然的に「会話と会話をつなげる」表現が選ばれます。そのため、前後の文の脈絡や展開を示す接続詞表現、あるいは、これから話す文に係る副詞的・形容詞的な表現が「つなぎ言葉」として活用できます。

文章の内容や前後の関係・つながり方をあらかじめ明確にしておき、言葉を使い分ける必要があります。

and、so、therefore (「それで」)

andso といった表現は、文章の流れを左右せずにそのまま進められる、シンプルで使いやすいつなぎの表現です。前文の内容に起因して事が進んだような(因果関係を示す)場合に使えます。

とりわけ and は因果関係、時間的な前後関係、あるいは単純な並置の関係を示す場合にも使える最もシンプルで汎用的な接続詞です。

So, I took courage and said; stop it.
それで、勇気を出して言ったんだ、やめなよって

but、although、however (「けれど」)

前後の文の内容が対立する場合、展開が順当に進まず逆転する場合、but をはじめとする(逆接の)接続詞が使えます。

逆接の表現は文章内容が意外な展開を見せることを示唆するため、相手の興味を引く効果も期待できます。

It was fine all day, but I didn’t step one foot outside my house.
一日中良い天気だった。だけど、家から一歩も出なかった

in short、in a word、that is (「つまり」)

同じ内容を違った表現で言い換えたり、話を要約して説明し直したりする場合、日本語の「つまり」に当たる表現をつなぎ言葉として使うと効果的です。

in shortin a word は「一言でいえば」という意味で、「要するに」といった意味合いで使えます。

In short, I missed the train.
つまりさ、電車に乗り遅れちゃったんだ

that is は「that is to say」の略で、「要するに」のニュアンスの他にも「言い換えれば」「より正確に言えば」といったニュアンスでも使える便利表現です。


文脈に関係なく使えるつなぎ表現

接続詞はどうしても前後の文の関係に左右されるため、とっさに出てこない場合もあります。言葉選びを誤ると混乱の元になりかねません。

つなぎ言葉の中には、日本語の「ほら」「何というか」のような、文脈に関係なく挿入できるフレーズも沢山あります。大半はお決まりのフレーズとして、ほぼセルフ相槌のような感覚で使われます。文中に挿入されることも多々あります。

こうした表現は会話の間が持つ点では便利ですが、基本的に無意味であり、多用するといい印象は持たれません。口癖になってしまわないよう注意はした方がよいかもしれません。

kind of =まあ、ちょっと、何ていうか

kind of ~という表現は、語気を和らげたり、曖昧な返事をする場合によく用いられます。「a kind of」(ある種の)とは意味が異なるという点には注意しましょう。

sort of」も同様につなぎの言葉として使われます。

Your face was, kind of, scary.
君の顔、何ていうかさ、ちょっと怖かったよ

Are you busy now?
今忙しい?
kind of.
まあね

like = ~みたいな、って感じ

うまく説明できない場合、あるいは言葉に詰まった場合などに間を埋める際の表現としては like も多く使われます。

The show was like, wow.
そのショーは、何ていうか、スゲェって感じだった

you know =ほら、ねえ

言い表しにくいことを述べる場面や、相手の理解や共感を求めたい場合などでは、you know がよく用いられます。「ほら、わかるでしょう」というニュアンスです。

I didn’t feel like going to school, you know, I was too tired from yesterday’s swimming.
学校に行く気になれかったの、だってほら、昨日の水泳ですごく疲れてたから

I mean = つまり

I mean は「つまり」「何が言いたいかというと」といった意味で、つなぎ言葉としてひんぱんに使われる表現です。that is などの表現に比べてずっと文脈に依存せずに使えます。ただし、自分の言いたいことがうまく整理でいていない印象を与えがちです。

like I said =前も言ったけれど

前に話題に上げた内容を再び言う場合に使える表現です。ただし、話を繰り返すことも、繰り返しに言及することも、あまり望ましい話し方とはいえません。

ただの繰り返しにならないように表現を工夫しましょう。

well = ん~と

言いよどんでいるさまを 率直に表現する言い方といえます。多用は禁物ではありますが、英会話の初歩の段階で言葉を浮かばない~! という場合には、黙りこくってしまうよりも Well… といって間をつないだ方が会話は円滑に進むでしょう。

something like that =何ていうかそういう感じの

something like that は文頭よりも末尾に言い添える形でよく使われる表現です。うまく言えない(名状しがたい)物事について、「そういうヤツ」と適当に示す場合に使えます。

つなぎ言葉としての用途は限られますが、ついでに覚えておくと何かと表現しやすく便利です。

使い過ぎには注意

つなぎ文句は、言葉を選ぶ場面にも、会話にちょっとしたニュアンスを足す場合にも使える、便利な言い回しです。表現の幅が広がり、ある種のこなれた感じも演出できます。

ただし、文脈に左右せず挿入されるつなぎ言葉は原則的に「言葉を濁す」フレーズであるという点も忘れてはいけません。つなぎ言葉の乱用は、「思考の言語化が得意でない」印象を与えてしまいます。日本語でも公の場で「えー」とばかり言うような人は「話がヘタ」と思われます。英語圏でもこれは同じです。

とりわけ発表・プレゼンテーションのような場では、つなぎ言葉は発表者にあるべき印象を損ないがちです。また、つなぎ言葉は総じてカジュアルな表現なので、フォーマルな場での使用も避けるよう意識しましょう。

 

理想的な「流暢な英語」には、つなぎ言葉はほぼ必要ありません。とはいえ、会話中に生じるすきまを埋めるクッション材としては十分に有効なフレーズでもあります。禁じ手と考える必要はありません。英語・英会話の学びはじめの段階では、会話に詰まることを恐れずに積極的に会話を進めるためのよい補助になるはずです。


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