意見が衝突したときの言葉の選び方は難しいものです。できるだけ、相手への敬意や意見を尊重する姿勢を示しながら、同時にちゃんと意見を否定できるように、言葉を選ばなくてはいけません。
家族や親しい友人とのやりとりなら、より直接的にキッパリと否定する言い方でもよいでしょう。しかし、会議の場で建設的に議論を進める場合には、さらに言い方に一工夫が必要です。
目次
日常のくだけた会話で使われる英語の「苦言」はビジネスシーンには不向き
まずは前提知識として、ビジネスシーンではなく家族や友達との会話において相手の意見に反対する場合の標準的な言い方をおさらいしましょう。
親密な間柄の相手へ苦言を呈する言い方にも、実に多種多様な言い方が挙げられますが、典型的な言い方は次のような感じでしょう。
Your idea is impossible! そりゃ無理だよ
I can’t accept your proposal. その提案はちょっと受け入れられないな
こうした表現に見出せるポイントは自分の立場=相手の意見に反対しているということを明確に伝えることを旨としている、といえます。
気の置けない間柄なら、発言趣旨がズバリ伝わることを第一に考えた表現が最適でしょう。しかしながら、こうした直接的な言い方は、特に親しい間柄でもなければ、ただ相手を突っぱねる攻撃的な印象を与えてしまう懸念が高い言い方でもあります。
会議で建設的に話を進める言い方
ビジネスシーンで、建設的に話を進めることのできるすぐれた表現として、「~するのはちょっと厳しいでしょうね」という言い回しがあります。
It’s just not practical to … という言い方は、相手の意見に対して実現が難しい=現実的でない=不可能だろう、という考えを伝える言い方です。相手自身ではなく相手の意見についての指摘という点がポイントです。
It’s just not practical to do that. それは現実的ではありませんね。
似たような言い回しで It’s just difficult to … という言い方もありますが、こちらは「それは厳しい、が、頑張ればできない事もない」というニュアンスがあります。両者の使い分けには注意しましょう。
It’s just difficult to do that. それはなかなか厳しいと思いますよ。
理想論に対して現実を見るよう伝える言い方
反論に使われるちょっと面白い言い方として、In a perfect world it should work, but … というフレーズもあります。
これは、「完璧な世界にいるのであれば、その通りだろうけれども」という意味で、つまり相手の意見は実際には不可能であるということを示します。ちょっと荒唐無稽な案が出てきた場合に使えるスパイスの効いた言い方です。
さらなる検討を促す言い方もGood
言葉の中に否定表現が入ってしまうと、どうしてもネガティブな雰囲気は出てしまいます。より前向きに、「もっと検討が必要だね」のように言うことで、現在の案のままでは不十分と間接的に表現することもできます。
It remains still to be considered. さらなる検討が必要ですね
We haven’t given enough thought to it. まだまだ議論が足りない状況ですね
ビジネスシーンでは定型句を活用しよう
ビジネスの場における意思疎通は、確実さと効率が重視されます。ユニークな表現を使う必要はなく、むしろ決まり切った言い方を使った議論が歓迎されます。
ビジネスシーン向け表現は、自分の中でテンプレ化しておき、状況に応じて引き出せるようにしておく、といった考え方で身につけることをオススメします。