英語表現の「refer to」は自動詞で、辞書的には「言及する」、「参照する」のような訳語で解説される表現です。「参照する」なんて日本語は普通の会話で使うことはほとんどなく、refer to ~もとっつきにくい印象が先行してしまいますが、英語では refer to はかなり便利な表現です。
さまざまな文脈で使える上、丁寧な印象も加わります。使いこなせれば英語表現が一段階アップしたと感じられることでしょう。
言及する → 話題に上げる、引き合いに出す
refer to の主要な意味は「言及する」と訳される意味合い。言い及ぶ、すなわち、会話や文章の中で、ある話題に触れたり、人や物の名前を口にしたり、引き合いに出したりして、論を展開させることを指す表現です。
素朴なニュアンスの場合は say や quote などの動詞でも代替できます。が、特に注意や関心を引くためにその話題について触れるというニュアンスを伴うなら refer to が最適です。
refer to はハッキリと名前を挙げて明言しつつ話題に上げる言い方を指します。ちょっと触れる程度なら mention 、さりげなく遠回しにほのめかす程度なら allude のような表現がよりしっくり来ます。
refer ~ as… は、「~を…と呼ぶ」という意味合いで用いられる慣用表現です。
The author of the book frequently refers to the Bible.
その本の著者はしばしば聖書を引き合いに出す。
He referred to a line in the Old Testament.
彼は旧約聖書の1節を引用した。
She is often referred to as the mother of modern physics.
彼女はしばしば現代物理学の母と称される。
参照する → 問い合わせる、尋ねる
refer to のもう一つの意味は「参照する」。これは、何かわからない事が会った時に情報元として頼る意味合いです。問い合わせる(ask)に近い意味といえます。
例えば、デパートの案内所やオフィスビルの受付などに質問をしに行くような場面は refer to で表現できます。refer to a dictionary は「辞書を引く」という意味になります。情報源としての辞書に答えを問い合わせているイメージです。
I refer to a dictionary when I have something doubtful.
自信がないときには辞書を引くようにしています。
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