とっさの場面で使える喜怒哀楽などの感情を表す表現

感動詞感嘆文と呼ばれる表現は、思考を巡らさず反射的に「口をついて出る」種類の表現であり、その意味で語彙力・表現力が試されます。

感動を思わず口にする表現は多分に口語的であり、学校で学ぶ機会はなかなかありませんが、日常生活ではひんぱんに用いられます。感情に即した表現がとっさの場面で使えるようになっておくと、コミュニケーションも円滑になり、また「思考の英語化」も促進されます。

喜びの感情

 I did it!

やったぞ!

レポートを完成させるなど、何かを成し遂げたときに使われます。

I made it. とも表現できます。

 Excellent!

すばらしい!!

たいへんな好印象を受けた場面で使われる表現です。

excellent の他にも、「素晴らしい」の意味合いをもつ単語が幅広く用いられます。

  • Superb!
  • Splendid!
  • Magnificent!
  • Brilliant!
 Hurrah!

ばんざーい!

賞賛、歓喜、激励の意味合いで発せられる表現です。Hooray!  ともいいます。日本語のいわゆる「フレー」の基といえる表現。

hurrah の発音は / hu̇-rά / のような感じ。hooray は / hʊréɪ / のように発音します。

last hurrah で「最後の行動、活動」という意味もあります。

 Whee !

ひゃっほう!

興奮と歓喜を表現する言い方です。

Yippee! という表現もあります。こちらは「きゃぁ!」とか「わーい!」のような幼児語っぽいニュアンス。

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驚きの感情

Really?

マジで!?

本当のことかと聞き返すことで驚きを表現する言い方です。 Seriously? とも言えます。

No way! とも言います。こちらはインフォーマルな表現で「まさか!」というニュアンス。

 What did you say?

なんだって!

いま何と言った?と聞き返す形で驚きを表現する言い方。What was that? とも、あるいは What?! だけでも表現できます。

What did you say? は say の部分をやや強調気味に発音します。What was that? の場合は what をやや強調気味に 。平板なトーンで述べると、文字どおり「なんて言った?」「なんだった?」のニュアンスになります。

 Unbelievable!

信じられない。

日本語と同じく、好ましい事柄にも悪い事柄にも使われます。

I can’t believe it. と述べる言い方もあります。

 You’re kidding.

嘘でしょ?

「君は冗談を言っているんだ(よね)」と言って信じがたさを表現するフレーズ。

※なお You’re lying. は驚嘆のフレーズとしては用いられず、「ウソだね!」と言い切る表現になってしまいます。注意しましょう。


怒りの感情

 Shut up!

黙らっしゃい!

「(その口を)閉ざせ」と命令する言い方。言語道断というような、かなりキツい表現です。そうそう使わないほうがよいでしょう。

Be quiet. と言うと、語気は弱めで「お静かに」程度のニュアンスで表現できます。相手に向けて怒りの感情を投げかける表現である点は同じではありますが。

 You’re so mean!

ひどい人!

mean は動詞としては「意味する」といった意味がありますが、形容詞としては「卑劣な」「下劣な」といった意味で使われます。

mean は人や行いについて「ひどいなぁ!」と表現する言い方です。状況や境遇その他の物事について「最悪!」と言う場合にはAwful.Terrible. のように表現できます。

 Damn it!

ちくしょうめ!

いわゆる卑語・罵倒語です。Shit! God damn it! のような言い方もあります。

いずれも日常でよく耳にする表現ですが、日本語の「クソッタレ」的な強烈な表現なので、基本的には慎んだほうが無難です。使うにしても、よほど気の許し合える間柄の相手にのみ使いましょう。

 You idiot!

ばか!

罵倒表現です。idiot を fool に替えるとさらに強烈な表現になります。

 Shame on you!

みっともないなあ!

相手が何か失敗したときのツッコミに用います。

字義に則して「恥を知れ」と訳されることの多い表現ですが、ジュースをこぼしちゃった程度の些細なヘマについて「気をつけてよー」くらいのニュアンスでも用いられることもあります。

非難する感情

 I mean it.

本気だぞ!

形容詞(「卑劣な」)でなく動詞の mean で、「意味する」あるいは「意図する」といった意味合いです。

直前に言ったこと(it)が冗談でなく、その言葉通りの意味である、と述べて本気度の高さを示す表現です。

 That’s enough.

いいかげんにしな!

「もう充分だよ」と述べることで「よしなよ」「もう沢山だよ」と伝える表現です。意味合いとしては Stop it! (やめろ!)に通じるところがあります。

 What on earth are you thinking?

一体全体、何を考えてるのさ!?

on earth は強調表現で、比較級を強める場合には「この世で最も」という意味合い、疑問文で用いる場合には「何だってまたそんな」というような意味合いが加わります。

 That’s going too far.

やり過ぎだよ。

going too far は「行き過ぎ」を意味します。that が示す内容(直前に行ったこと)の内容次第で、「やり過ぎ」「言い過ぎ」あるいは「極論すぎる」「そりゃあんまりだ」などのように訳文がアレンジできます。

 Who do you think you are?

何様のつもりかね!?

直訳すると「あなたは自分を誰だと思っているの」。身の程を知れというニュアンスを多く含む、上からの物言いです。

後悔の感情

 Oh, dear!

しまった!

Oh, no! とも Oops! ともいいます。映画などでもよく耳にするフレーズです。

 That’s too bad.

そりゃ残念!

基本的には「ガックシ」という感情、あるいは相手への同情を表現するフレーズです。ただ、言い方次第では「残念でしたー」のようなからかいの表現にもなります。

I’m really sorry.

本当にすいません。

「申し訳なく思います」という意味合いで遺憾の意を示す表現です。または、良くないことが起こってしまった人へ「お気の毒です」と同情を示す意味でも使えます。

really の表現は同種の形容詞に置き換えられます。

  • I’m terribly sorry.
  • I’m awfully sorry.
 I shouldn’t have (done it).

するんじゃなかったよ。

仮定法過去完了(third conditional )を使用した、非現実の表現です。

 I don’t care.

どうでもいいよ。

結果がどうあれ気にしないと表現するフレーズですが、無関心さに起因する判断のニュアンスがあります。

相手が「どちらがいい?」と聞いてきたような場面で、肯定的な意味で「どちらでもOK」と伝える場合には、Either is ok.  のような表現のほうが好ましいでしょう。

→ 英語で相手の気持ちを害さずに「どっちでもいいよ」と伝える言い方

 I’m so embarrassed!

めっちゃ恥ずかしい!

embarrass は「恥ずかしい思いをさせる」という他動詞。過去分詞で形容詞的に用いて「自分が恥ずかしい思いをした」と表現します。

自身の感情や境遇を表現する英語表現は、他動詞を過去分詞で形容詞的に使用する場合が多々あります。I’m tired. (疲れた)も元々は tire (~を疲れさせる)という他動詞です。

悲しみの感情

What a disappointment!

がっかりだ。

実は what と 名詞 を並べるだけで感嘆表現が簡単に作れます。

How sad!

かわいそうに。

Poor thing! とも表現できます。ただし poor thing は目下の者(たとえば子供など)に対して使う表現です。

人を励ます表現

 Go for it!

がんばれ!

Good luck! も同じ意味合いです。

Take it easy.

気楽にいこう。

「のんきに構える」という意味合いから、無理せずに・落ち着いて・慌てずにといったニュアンスを表現するフレーズです。

文脈によっては「心配するなよ」のような意味や「くつろいでいってね」のような意味でも用いられます。

Calm down.

落ち着いて。

「気を落ち着けなさい」という意味合いです。

Cheer up!

元気出して!

くよくよしないで、という激励のフレーズです。

Don’t give up!

諦めるな!

Don’t let it get to you.

気にするな。

《主語+ get + to + 人》で「(主語が)人に(精神的な)影響を与える」という意味を表現できます。

Don’t worry.

心配するな。

日本語の「ドンマイ」に相当する表現。「ドンマイ」は英語の Don’ mind.= I don’t mind に直接依拠したフレーズと言えますか、mind は「気に懸ける」という意味が主であり、「構うな」といったニュアンスが中心です。

さらに色々な表現

That’s a piece of cake.

朝飯前さ。

ケーキが一切れほどだよ(簡単だよ)、という意味です。

→ パイ(pie)とケーキ(cake)の英語フレーズ8選

You bet.

当然さ。

bet は「賭ける」という意味で、I bet you (that~)で「断言するよ(賭けてもいいよ)」と表現できます。you を主語に取る場合も同様のニュアンスで「当たり前のことだよ」「もちろんだとも」という表現として使われます。

You’ll see.

まあ見てな。

文字通りには「もうすぐ見ることになるさ」と言う意味。「今に分かるさ」というニュアンスもあります。

I’m counting on you!

頼むよ!

count on + 人で「その人に頼る」という表現です。

I’m sorry to hear that.

お気の毒です。

sorry は後悔や同情を表現する単語で、日本語の「すみません」に対応する意味合いでも用いられますが、必ずしも自分の非を認める意味とは限りません。相手の不幸に同情を示して「それは残念な事ですね」と述べる意味合いもあります。

☆ フレーズと共に語調も大切です

表現が簡素・簡潔であればあるほど、さまざまな場面で、状況に応じたさまざまな意味合いで用いられます。どんなニュアンスが込められているかは、状況、文脈、そして表現方法によって変わります。

もちろん、これは英語に限ったことではありません。日本語で「マジで」という場合、ものすごく険しい顔で言うのか、爆笑しながら言うのか、苦笑しながら言うのか、涙目で言うのか。勘所はまったく同じです。

文脈次第でニュアンスが変わる、という点は、自分が発言する場合にも重要ですが、相手の発言を理解する場合も同様に重要です。

たとえば、相手から You idiot.  なんて言われた場合、文字通りに捉えれば「愚か者め」というキツイ一言ですが、実際は「バカだねぇ」程度の他愛のない軽口である場合も少なくありません。

「最高だね」という賞賛の文句が皮肉だったりすることもあります。そうした言葉のアヤに気が回るようになれば、英語の繊細なニュアンスの感じ方はかなり上級者に近づいているといえるでしょう。




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