理由を尋ねる「なぜ?」「どうして?」を英語で表現するなら、まずは「Why ?」の一言が思い浮かびますが、ここで why の変わりに「How come (~) ?」と表現できると、こなれた雰囲気が出せます。
how come は大体 why と同じ要領で使えます。とはいえニュアンスや使用場面には少しだけ注意も必要です。
how come のニュアンス上の特徴
how come は一種の省略表現で、もともと How comes it that ~(どうやって~が起こるのか)、あるいは、 How did it come about that ~ (どうやって~が起こったのか)という文だったと解釈できす。
how come には原因を求めるニュアンスがある
why も how come も、共に「なぜ?」という問いかけで用いられる言い方ですが、 how come には「どうしてそうなったのか?」「何がそうさせたのか」というニュアンスが多分に含まれます。
つまり、why は純粋に理由を訊ねるニュアンス、他方 how come はむしろそこに至った経緯・原因を求めるニュアンス、という差があります。
何だって彼女はあんなに怒っていたんだい
なぜあいつらはあの時そこにいなかったんだ
how come には口語的なくだけたニュアンスがある
英語では、文章を省略して述べる言い方は基本的にカジュアルな表現です。how come も同様で、もっぱら日常会話をはじめとする口語として用いられます。
「why」は使用場面を選ばない万能表現です。フォーマルな場面では、あるいはフォーマルかカジュアルか判断に迷う場面では、how come の使用は避けて why で表現した方が無難です。
how come の使用上の注意点
How come ~ ? の文は Why ~? と語順が違う
why も how come も、「Why ?」とか「How come ?」のように単独で述べても英文として成立しますが、そのまま文を続けて表現することもできます。
how come と why では後に続く文の語順が違ってくるので注意が必要です。
why は疑問文の形を取る
why は疑問詞を用いた表現、すなわち疑問文です。英語の疑問文では、助動詞 do、does、did などの語を文の前方に配置する形を取ります。
彼はなぜ来なかったんだろう
how も、how come ~ の特殊な形ではなく「普通の疑問文」として用いるなら、do や does などの語を先に置く形を取ります。
どうして分かるの
how come は完全文の形を取る
how come に続く文章は、通常の平叙文と同じ語順で述べられます。主語・動詞・補語などの要素は疑問文のような配置逆転を起こしません。
彼はなぜ来なかったんだろう
how come は元々「how did it come about that ~」のような関係詞を用いた表現の省略形である、という解釈が念頭にあれば、「how come に続く文章は that節 に含まれる文章=通常の文章と同様に述べる」という点は理解できます。
how come の方は学校ではなかなか習わない表現ですが、それだけに、使いこなせるとカッコイイ、上級者っぽい、こなれた言い方です。