英語の動詞の中には、初歩的で基礎的な単語なのに使い方が紛らわしく、いつまで経っても使い間違えてしまうタイプの単語があります。その誤りが致命的な誤解を生むことはないかもしれませんが、やはり英語を学ぶ以上、正しく使いこなせるようになって起きたいところです。
特に「前置詞を取るか否か」という部分で特殊さのある動詞は、もともと前置詞が日本語にはない要素だけに、かなり厄介な代物です。
目次
×「explain me」→ ○「explain to me」(説明して)
explain は「説明する」という意味の動詞で、他動詞なのですが、目的語には説明する内容(話題)が置かれます。SVOO の文型も取りません。説明内容が省略される場合もあるのですが、その空いた部分に(目的語として)「人」が収まることはありません。
explain を用いて「相手に説明する」と述べる場合には、「explain to +(相手)」と表現する必要があります。
Can somebody please explain the offside rule to me?
誰かオフサイドのルールを私に説明してくれませんか
explain の他に express (表現する)、 propose (提案する)、 suggest (提案する)なども SVOO の文型を取らず、人を指すには前置詞 to が必要です。
また、inquire (尋ねる)は of を使用して相手を指す特殊な言い方です。
彼は上司に尋ねた
× 「discuss about ~」→ ○ 「discuss the issue」
discuss は「議論する」のように訳されますが、他動詞なので「~を論じる」までの意味合いを含みます。言い換えれば、discuss 単体で「talk about」に相当する意味を持ちます。
discuss を用いて「その件について議論する」のように述べる場合は discuss the issue のように表現できます。
日本語が「議論」を「~について議論する」と表現するために、about などを加えたくなるのかもしれません。
日本語式に、議論の内容を具体的に述べる形で「~について議論する」と表現する場合は、issue や problemを about で形容するという形が取れます。
地球温暖化の問題について議論した
issue や problemなどの目的語は関係代名詞に置き換えることもできます。こちらの方がよく使われる形といえます。
我々の目的は何か議論しよう
×「speak me」×「talk me」→ ○「~to me」または「tell me」
「彼女は私に話しかけた」という文を英語で言う場合、「She spoke to me.」あるいは「 She talked to me.」のように表現できます。
- She spoke to me.
- She talked to me.
speak も talk も、「誰かに話す」と相手を指す場合は前置詞が必要です。(先の explain の件と同様です)
他方、同じく「話す」という意味で用いられる「tell」は SVOO の文型を取り、前置詞なく人を対象に置くことができます。
彼女は私にその話をした
tell は SVOO を「SVO to (相手)」の第3文型に変えて表現できます。
彼女は私にその話をした
「話す」に相当する意味がある単語の意味と使い方の違いは、「 speak・say・talk・tell の違いと使い分け方」も参照ください。