確認は英語では check や confirm などの語で表現できます。ただし表現によって「軽く目を通す」「入念に読み込む」といったニュアンスの違いが生じます。場面に応じた適切な語を使えるようになりましょう。
確認は日常生活でもビジネスシーンでも多々行われる作業です。何を確認するのか(確認してほしいのか)まで念頭において言葉を選べば、言葉の選択はそう難しくはありません。
「確認」の度合い別ニュアンス別単語5選
check は軽めの点検
check は確認行為という意味合いで最も一般的に使われている基礎的な動詞です。「軽く見る」「点検する」といった程度のニュアンスで用いられる表現です。
check は文脈によっては(確認というよりは)「調べる」と訳した方が適切な場面が多々あります。「止める」「制する」「阻止する」といった意味合いで用いられる場合も少なくありません。
check は基礎的な語彙であるだけに多義的であり、多義的であるだけに口語的な響きがあります。
check は確認行為を指すとはいえ確認対象の内容の是非を問うニュアンスは希薄です。check の手続きが必ずしもチェック対象を「よし」と認めるものとは限りません。
プロジェクトの現況を教えてください
? OK, I’ll check and get back to you soon.
はい、確認してすぐに戻ってきます
ツアーバスで問題が起きたって、ちょっと見に行ってもらえますか
confirm は決裁レベルの最終確認
confirm は、確認対象が正しい内容であることを注意深く確かめる動作を表現する語です。ビジネスシーンではよく用いられる表現でしょう。
confirm は「事実の裏付けを取る」「検証する」といったニュアンスが強く、「確定」「最終確認」の意味で用いられることも多々あります。総じて check よりも強く硬い意味合いがあります。
もともと confirm の語は con(共に)+firm(固い)という構成の語。事実確認により「確たるものにする」というイメージが土台になります。
それが本当かどうか確かめなければ
航空券予約の後確認メールが送られます
会議はこの部屋で開かれるんだよね
? Wait, let me confirm that.
待って、確認するわ
verify 真実であることの証明
verify も「確認」に相当する意味合いのある動詞です。
もっぱら、すでに正しいと見なされている事柄を更に追究して、客観的な真実かどうか実証・立証するといった意味合いで用いられます。
verify はPCまわりの「認証」を指す英語表現としてもよく用いられます。IDやパスワードを確認してユーザーが本人であることを確認する、他人でないことを証明する、という意味合いが verify の語に込められています。
verify はラテン語で「真実」を意味する語に由来しており、根本には「真実にする」という語意があります。
これらの事実を確かめましたか?
コンピューターはパスワードが正しいかどうか確かめます
この運転免許証は正しいかどうか確認が必要だ
validate は妥当性の検証
validate は「正当であると確認(検証)する」といった意味合いを中心とする表現です。verify にほど近い意味といえます。
提示されている理論が正当かどうか、または情報が有効かどうか、確かめるときに使います。
validate の語そのものは valid(妥当な)+ate(~にする)という構成で、文字通りに捉えれば「妥当にする」という意味合い。
駐車券をあらためさせてください
クレジットカード番号を確認いたします
ascertain は確かなものにする手続き
ascertain は「事実を突き止める」「確かめる」「つまびらかにする」という意味合いを中心とする動詞です。
語の構成は as(~に向かって)+certain(確か)というもので、文字通りに捉えれば「確かなものにする」といったところ。
不確定な要素を取りのぞいて確たる事実を得るといったニュアンスがあります。
警察は爆発の原因を確認できずにいる
経営陣は十分な資金提供があるかどうか確かめるべきだ
真相を突き止めるのは難しい
ビジネシーンで「ご確認お願いします」と依頼する表現
ビジネスシーンではあまり凝った表現は使わずに、広く用いられている表現に絞った上で使い分ける姿勢が重要です。
「確認」に対応する語としては check と confirm だけ押さえておけばまずは十分でしょう。
「一応ご確認ください」程度なら check で
ビジネスメールに資料を添付して「ご確認お願いします」と言い添えるような場面では、基本的には check で表現できます。
外部宛てに確認依頼を送る際、期待される内容は、たいていは資料の有無を確認するとか、方針・方向性が相違ないかという部分です。何も内容が全くの真実であることを仔細に確認せよというわけではありません。その意味で check (お目通し)と表現して十分です。
添付ファイルをご確認ください
みんなの回答:添付ファイルをご参照下さい。は英語でどう言うの?
「ご覧ください」程度なら look のような語でも可
参考までに添付するのでお目通し願います、という程度の資料なら、「ご覧くださいませ」という意味で have a look at または take a look at のような表現を使うのも手でしょう。
添付ファイルをご覧下さい
添付ファイルをご覧下さい
相手に確認を強いるニュアンスはさらに軽くなり、案件の進行を妨げる要因になりにくくなるでしょう。
「間違いないかどうかご確認を」という趣旨なら confirm で
契約の締結に際して契約書草案の確認を依頼するような状況、つまり相手にも内容を細かく入念に確認してもらう必要がある場合は、では、 check よりも confirm の方が適切でしょう。
社内で扱う文書・資料でも、軽く目を通せばよい種類の資料なら check で表現して大丈夫でしょうが、上長に最終確認と決裁を依頼するような場面では confirm で表現するとよいでしょう。