「よろしくお願いします」は英語でどういう?場面別に上手に表現できるシーン別ニュアンス別フレーズ集

「よろしく」はこう訳せます

  • 「手伝いましょうか」の一言に「はい、是非よろしくお願いします」と答える場合
    I appreciate your kindness. (お心遣いに感謝します)
  • 手伝って欲しくて「どうか何卒よろしくお願いします」と頼む場合
    Any help would be appreciated. (どのような形のご支援でもありがたく存じます)
  • 初対面の人と自己紹介して「どうぞよろしく」と挨拶する場合
    Nice to meet you. (はじめまして)
  • 今後も付き合いを続けましょうねという意味を込めて「今後ともよろしく」と伝える場合
    Let’s keep in touch. (また連絡し合いましょう)
  • この場に居合わせていない人へ「あの方によろしくとお伝えください」と言づてする場合
    Please say hello to him/her/everyone. (彼/彼女にもよろしくと言っておいてください)
  • 職場のチームやプロジェクトに加わり仕事仲間に「以後よろしくお願いします」と挨拶する場合
    I’m looking forward to working with you. (あなた方と共に仕事できるのが楽しみです)
  • これまでの協力に感謝しつつ「これからも(引き続き)よろしくお願いします」と伝える場合
    Thank you for your continuous support. (変わらぬご支援ありがとうございます)
  • 軽い頼み事をした上で「じゃあ、よろしくね」と言い添える場合
    Thank you. (ありがとね)

日本語の「よろしく」や「よろしくお願いします」は、使う場面によって趣旨が変わります。そのため、「よろしく」のニュアンスを英語で正しく伝えるには、場面や状況に応じて英語表現を使い分ける必要があります。

まずは日本語の「よろしく」が、具体的にどういった意味合いを込めて使おうとしているのか、その辺りを考えてみましょう。たとえば、「自己紹介」「頼み事」「手紙の定型文」。これをはっきりさせれば、その場の趣旨に応じた「よろしく」の意味合いを正しく表現できる英会話フレーズが見つかりやすくなります。

ネイティブスピーカーは、母国語をなんとなくの感覚で使いこなせてしまうため、意外と言葉で説明できない場合が多いものです。これを機に「よろしく」のような便利表現を理解し直すのも、よいかもしれません。

みんなの回答:よろしくお願いします。は英語でどう言うの?
みんなの回答:ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。は英語でどう言うの?

日本語の「よろしく」のニュアンスを振り返ってみよう

日本語の「よろしく」(宜しく)という言葉に込められた意味合いを改めて振り返ってみましょう。

使用場面はかなり多岐にわたっていることに気付きます。

  • 「これからよろしくお願いします」→ 初対面の相手へのあいさつ。
  • 「今年もよろしくお願いします」→ 節目を迎えて改まったあいさつ。
  • 「悪いけどこれ、よろしく」→ 軽い頼み事に添える一言。
  • 「はい、是非よろしくお願いします」→ 好意の申し出に甘える一言。
  • 「以上、よろしくお願いします」→ 文章に添える形式的な一言。

ニュアンス上の共通点をあえて集約するなら、相手が便宜を図ってくれることへの期待、または感謝の意味合い、といえるのではないでしょうか。

同じニュアンスを英語で表現する場合、場面や状況に応じて表現を根本からを組み立て直す必要があります。そして、基本的には、相手への感謝を示す表現として置き換えることができます。

「よろしく」を他の日本語表現に言い換えてみよう

日常の場面で「よろしくお願いします」と発言する場面を想定してみて、「よろしく」以外の日本語表現で同じニュアンスを伝えられないか、少し考えてみましょう。

言い換えは簡単ではないでしょうけど、感謝、お礼、期待の表明といった意味合いを踏まえるといくつか代替表現が見つかります。

  • 「今年もよろしくお願いします」 → 今後も良好なおつきあいができますよう願っております
  • 「はい、よろしくお願いします」→ 提案に甘えます、ありがとうございます

このように言い換えてみると、言い換えた後のメッセージは英語でも表現できそうな気がしてきませんか?

これは「よろしく」に限らず他の表現でも幅広く使える思考訓練です。とくに「すみません」や「気をつけて」といった万能フレーズは、まずはメッセージを明瞭に伝える日本語に置き換えてみると、英語化しやすくなります。


英語で「よろしく」を伝える場面別の英語フレーズ

相手の好意に甘えて「よろしく」と言う場合

たとえば「手伝ってあげるよ」というような提案を受けて、「それじゃあ、よろしくお願いします」と返答するような場面。こうしたシーンでの「よろしく」は、率直な感謝を示す表現に置き換えるとよいでしょう。

Thank you.
ありがとう。
I appreciate you.
感謝します。
I appreciate your concern.
お気遣いに感謝いたします。

「そうして下さい」と伝える場合

感謝のフレーズは、提案内容に同意するのかしないのかという部分は曖昧になりがちです。

「ええ、是非そのようにお願いします」という提案内容についての同意を第一に伝えるなら、Yes (, please do so). のように伝えるとよいでしょう。

Yes, thank you.
はい。ありがとうございます。

頼み事に「どうかよろしく」と言い添える場合

人に何かを依頼するにあたり「どうかよろしくお願いします」のように伝える場合、「よろしく」のニュアンスは、まだ応じてくれるかどうか不確かな状況だけどぜひともお願いしたいという思いを伝えるニュアンスがあります。

このニュアンスを伝える表現として、any help would be appreciated という英語の定番フレーズが使えます。これは、今後の事について(支援の内容や内容にかからわず)支援があればありがたい、と伝える表現です。

Any help would be appreciated.
どんな助けも大変にありがたく思います

丁寧な依頼表現が正しく使えれば大体それで十分

日本語で頼み事に添える「よろしくお願いします」は、依頼と感謝のニュアンスを明示的に述べる意味合いで用いられます。英語では、丁寧な依頼表現を使って正しく丁寧に依頼できれば、それで十分です。ことさらに「よろしく」のような言葉を加えなくても大丈夫です。

初対面の相手に「これからよろしくね」とあいさつする場合

初対面の相手に「よろしくお願いします」と伝える場合、これは「はじめまして」の定番フレーズの一部として、Nice to meet you. で代替できます。これ自体に「はじめまして」と「よろしく」の両方のニュアンスがあります。

Nice to meet you.
はじめまして。

一通り会話を交わして別れ際に改めて「今後ともよろしくお願いします」とあいさつするような場面では、初対面の相手に対する別れ際の英語フレーズ Nice meeting you. が対応します。

Nice meeting you.
お会いできてよかったです

Nice to meet you. と Nice meeting you. は、字面のよく似たフレーズですが、使い所はそれぞれ明確に決まっています

お会いできてよかった、という表現としては It was nice to meeting you. あるいは It’s a pleasure to meet you. のような言い方も使えます。特に It’s a pleasure ~ は「お会いできて光栄です」というような丁寧なニュアンスがあります。

「これからもずっとよろしくね」のニュアンスを表現する場合

「はじめまして、どうぞよろしく」というよりも「連絡してね!」というような気さくなニュアンスで「よろしく」を伝えるときには、Let’s keep in touch. と伝えてもよいでしょう。

Let’s keep in touch.
連絡取り合いましょうね

これはメールや手紙の結びでも使える便利なフレーズです。

「あの人に よろしくお伝えください 」と伝える場合

彼によろしくと伝えください」、というように、あいさつの言づてを頼む言い方は、英語にもあります。 say hello to 、や give ~ my regards といった表現が定番です。

Please say hello to her.
彼女によろしくと伝えておいてください
Please give him my best regards.
彼によろしくとお伝えください
He was saying hi to you.
彼があなたによろしくと言っていました

ビジネスシーンでの「よろしく」表現パターン

ビジネスシーンにおける「よろしくお願いします」は、日本語では意識して多用されるフレーズといえます。新入社員からベテランまで、目上の方にも目下の者にも、取引相手にも、口頭でもメールでも文書でも、とにかく「よろしく(お願いします)」を使います。

「今後ともよろしくお願いします」と伝える場合

これから連携して業務やプロジェクトを推進していく、という場面での「どうぞよろしく」は look forward to で表現すると、これから一緒に頑張りましょうというニュアンスを伝えられます。

I’m looking forward to working with you.
これから一緒に働けることを楽しみにしています

「引き続きお願いします」と伝える場合

面識を得てから今後の良好な関係を臨んで「これからも(引き続き)よろしくお願いします」と伝える場合、対応する英語の定番フレーズとして Thank you for your continuous support. があります。

Thank you for your continuous support.
引き続きのご支援に感謝申し上げます

ビジネスシーンでも、「引き続き連絡を取り続けましょう」という意味で keep in touch のフレーズが使えます。さすがに let’s はあまり適切ではありませんが、かわりに please を使って Please keep in touch. といえば、「ご連絡をお待ちしております」という趣旨を伝えられます。

用事を頼む場合

上司が部下へタスク依頼や作業指示を計らう場面で「コレよろしくね」なんて言う場面では、英語では Thank you. をよく使います。

I want you to make 30 copies of this for the next meeting. Thank you.
次の打ち合わせ用にこれ30部コピーしといてください、よろしく

Could you please take care of this? (これをお願いしても良いかな、よろしくね?)のような言い方もあります。

メールの結びで「よろしくお願いします」と書く場合

英語は英語の定型フレーズを代わりに使う

ビジネスメールでは定型的に、末尾に「以上、よろしくよろしくお願いします」のような一言を付け加えます。英語にも末尾に書き添える定型表現があり、「よろしくお願いします」に対応する結句として扱えます。

英語のメールの末尾の文句にも複数の種類がありますが、ビジネスメールでは、Best regards, Sincerely, がよく使われます。相手との関係や丁寧さ・カジュアルさの度合いに応じて、表現を使い分けられるようになっておきたいところです。

  • Best,(カジュアル)
  • Best regards,(ややカジュアル)
  • All the best,(ややカジュアル)
  • Thank you,(一般的)
  • Sincerely,(丁寧、一般的)
  • Yours truly,(かなり丁寧)

Thank you, は丁寧すぎず、カジュアル過ぎず、中間的ニュアンスで用いることができるため最も無難に使える表現です。

日本語の汎用フレーズを日頃から意識してみるのがミソ

日常でよく使う日本語の挨拶表現なんて、ほとんどの日本人が言葉の意味など意識せずに使っているものです。しかしながら、その意味を意識できるかどうかの違いは、英会話の表現力を左右する一因にもなり得ます。

「すみません」という言葉の意味するところについて思い巡らせると、「すみません」と言って伝えたかった真意が見えてきます。それが見えたなら、対応するシンプルな英語表現を見つけることも容易なものです。

よろしく」と同様「すみません」も、色々な場面で用いられる日本語の万能フレーズです。どういう場合に「すみません」と言うのか? あらためて振り返ってみるとよいでしょう。

基本的に「よろしく」は省いても問題ない表現

「よろしく」を英語で伝えようとすると場面に応じて言い分けないといけない、といっても、それは特別に難しいことではありません。考え方が把握できてしまえば簡単に対応できる代物です。

要は、「よろしく、という挨拶表現で何を相手に伝えたいのか」を明確にして、その意向を率直に表現するように意識すれば、たいていピッタリ当てはまる表現にたどり着けます。

場面によっては、英語の「お決まりのフレーズ」があって、そのフレーズに「よろしく」のニュアンスも含まれている、ことさらに「よろしく」と言わなくても大丈夫、という場合もあります。

英語圏の日本語学習サイトを活用しても良いかも

日本語の使い方について思い巡らすことは、簡単なようでいて実はけっこう難しいものです。ネイティブスピーカーは母国語を使いこせ過ぎるため、かえって分析は苦手になるものです。

その意味では、英語圏の日本語学習サイトは分析のよい手がかりになってくれるかもしれません。英語の日本語学習サイトは英語話者の観点から日本語表現のニュアンスや使い方を解説してくれます。日本人ではなかなか気づけないポイントを指南してもらえます。

もちろん英語→日本語にも同様の例はある

さまざまな場面やニュアンスで用いられ、他言語にピッタリ対応する表現がない(かみ砕いて置き換える必要がある)、という表現は、英語やその他の言語にもあります。

たとえば英語の This is it. なんて、場合によって「ここからだ」「これまでだ」あるいは「まさにコレだ」のような意味で使われます。

同じ表現も多種多様なニュアンスを含む、という認識は、英語フレーズの把握の面でもきっと役立つでしょう。

 


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