ビジネスを効率的に推進するためには、目標や目的を正しく表現して共有することが重要です。「目標」に当たる英語表現としては goal (ゴール)などがまず思い浮かびますが、目標の性質や目標達成に向けた取り組み姿勢などのニュアンスに応じて、いくつか表現を使い分けられます。
英語学習においても目標の設定は大切です。目標をあらためて明確にしつつ、その目標が英語ではどのように表現すべき性質のものなのか、振り返ってみてはいかがでしょうか。
目次
「goal」は抽象的で大きな目的
目標・目的・到達地点といった意味で用いられる最も基礎的で一般的な単語は goal でしょう。
goal は、球技や陸上競技における「ゴール」を含め、「目指す所」という意味合いで幅広く用いられる単語です。「目標」「目的」「目的地」のように訳せます。
goal は「努力や志の向かう所」や「望む結果」というニュアンスが比較的色濃い表現といえます。大きく、抽象的、実現性を度外視した(問わない)ような目標を指します。
目指す内容は必ずしも曖昧というわけではありません。ビジネスシーンにおいて「売り上げ目標」を sales goal と表現するような言い方もあります。
Your great deal of efforts will make you fulfill the ambitions and achieve goals.
あなたのとてつもない努力は野望を満たし、目標の達成につながるでしょう
Congratulation! Let’s celebrate the sales goal achievement!
おめでとう!売り上げ目標達成を祝おうよ!
「target」は到達が見据えられた具体的な標的
target は射撃における的という意味の語で、「目標」の意味でも多く用いられる単語です。
goal がどちらかといえば抽象的な目標を指す表現であるのに対し、target は、目指す先への到達が具体的・現実的に見据えられているユアンスを多分に含みます。数値化された「近い目標」は target が最もしっくり来るでしょう。
「努力目標」「目標達成率」など、数値を必要とする言葉にも target は使われます。ビジネス用語としても頻出する単語です。
「努力目標」は non-binding target
直訳すると、「縛られない目標」となります。努力目標とは、達成しなければならない厳しい目標ではないため、このような表現が使われるようです。
「達成目標」は binding target
non-binding target の反対、binding target という言い方もするようです。しかしながら、目標とは、そもそも達成するために立てるものなので、target や goal も「達成目標」に該当する言葉として使われています。
「達成目標率」はtarget achievement rate
「達成率」は、achievement rate や growth rate と言います。growth rate は、特に経済やビジネスにおける成長達成率を表します。
「目標達成率」は、これらの表現に、「目標」を意味する target をつけて、target achievement rate や target growth rate と言います。goal achievement rate と言うこともありますが、あまり使われていないようです。
The company’s target of 2 percent annual growth seems easily attainable.
企業の年間成長率2パーセントという目標は、簡単に達成できるように感じる
Do you think we will be able to meet our target by the end of this month?
今月末までに目標を達成できると思う?
I set myself the target of running 100 miles on every Sunday.
毎週日曜日に100マイル走るという目標を設定した
「objective」は到達に向けて努力・模索する対象
objective は達成しようと計画している対象を指します。特にビジネスシーンでは好んで用いられる言い方です。
「長期目標」は long-term objective、「短期目標」は short-term objective と表現できます。
The rival company failed to meet its objective of expanding into Indonesia.
ライバル企業はインドネシアへ進出するという目標の達成に失敗した
In my opinion, management should’ve set clear objectives.
私の意見としては、経営陣は明確な目標を設定するべきであった
「aim」は計画的な努力を前提とする目標
aim は個人の行動や計画が達成しようとしている結果を指します。目的・目標のために計画的に努力をしているというニュアンスが含まれます。
My aim was to try to make her laugh again.
私の目標は、彼女をもう一度笑わせることだった
The main aim for your mission is to open his mind and get information.
君の主要な目的は、彼の心を開いて情報を得ることだ
「purpose」は行動の理由となっている目的
purpose は「あなたがなぜそれをするのか」「それはなぜ存在するのか」など、行動や存在の理由を意味します。また、決意や決心なども意味します。目的・目標に対する強い意志がある場合に使われます。
Don’t leave. Her purpose in coming here is to talk to you.
逃げるなよ。彼女がここに来た目的は君と話すことなんだ
First of all, you should explain the purpose to us.
まずはじめに、君はその目的を私達に説明しなきゃいけない
The purpose of the research is to try to find out the causes of the cancer.
その研究目的は、癌の原因を見つけることです
「intention」は目指したいと考える対象
intention はあなたが望んで計画していることを指します。「目的」そして、「意向」という意味があります。目指しているという気持ちはあるけれど、あまり具体的なことが決まっていない段階で使われるようです。
男性について、特に何の意向であるかが明示されていない場合、intention は基本的に「結婚への意向」を指します。
My father announced his intention to stand for the next election.
父は次の選挙への立候補を目指すことを公表した
She said that there were no intentions, desires after failing the exams.
彼女は、試験に失敗してから何の目標も希望もないと言った
She told him that she had no intention of marrying him.
彼女は彼にあなたと結婚するつもりはないと言った。
目標を取り扱う表現
「目標を設定する」を英語で言うと
「設定する」と聞いて思い浮かぶのは、set でしょうか。その他にも、agree(同意する)、establish(確立する)が同様の意味で使われます。
「目標を達成する」を英語で言うと
「目標を達成する」と言いたい時には、achieve(達成する)、meet(満たす)、reach(届く)が使われます。
「会う」という意味を持つことで知られている meet ですが、「必要」「要求」「目標」などが目的語となる場合には、「満たす」という意味で使われます。