英語と日本語で意味の幅・範囲が異なる表現。該当する表現は沢山ありますが、「結果」なども顕著な例のひとつでしょう。パッと思いつく表現としては result が挙げられますが、このほかにも状況に応じて使い分けられる複数の英語表現が見いだせます。
日本語で「結果」と表現してしまえる場面でも、英語で表現する際には場面やニュアンスに応じて複数の表現を使い分ける必要がありそうです。
目次
「result」は、因果関係から生じた最終的な結果
result は、因果関係に基づく結果を表します。
Macmillan Dictionary を参照すると、result は原因と結果が直接的に結びついている状況として定義されています。
something that is caused directly by something else that has happened previously
(以前に起こった事柄が直接的に影響して生じる結果) ―― Macmillan Dictionary
どのような結果であるかを形容する表現が特になく、複数形で results と表現される場合、基本的には良い(好ましい・喜ばしい)結果を指します。ビジネスシーンでは単位期間における売上や利益といった意味で用いられます。
Profits have increased as a result of the recent strong yen.
最近の円高の結果、収益が増えている
Her broken arms are the direct result of her own carelessness.
彼女の腕の骨折は、彼女自身の不注意による直接的な結果である
He is the best teacher who knows how to get results.
彼は、どうしたらよい結果が出せるのかを知っている良い教師である
熟語 as a result (of ~)は、「結果として」という意味の表現です。文頭に置き、前文を受けて「その結果、」と述べる場面でも使えます。
「outcome」は、最終的に生じた結果
outcome も物事の所産・結果を指しますが、特に「最終的に」(at the end of)もたらされた結果、というニュアンスを中心とする表現です。
製造・加工を経て生じた産品(物理的な結果)も、思考・討議によって導き出された結論(論理的な結果)も、どちらも表現できます。
outcome は、(result が因果関係を前提とした結果を表現するのとは異なり)、原因を特に意識せずに結果だけに着目して使えます。
How was the outcome of the conference?
会議の結果はどうだった?
He refused to comment on the outcome of the discussion.
彼はその会議の結果についてコメントすることを断った
Don’t you think it is too early to predict the outcome of the election?
選挙の結果を予想するのはまだ早すぎると思わないか?
「effect」は、特定の要因からもたらされた結果
effect も「結果」と訳せる単語ですが、基本的な訳語のとおり「影響」や「効果」という意味合いを軸にしで用いられる表現です。何らかの、特定の原因・要因によってもたらされた結果を指します。
take effect というと「あなたが望む結果を達成すること」という意味になります。
They had to wait more than 1 hour to take effect before they turned the switch off.
望む結果を得るためには、彼らはスイッチを切る前に1時間ほど待たなければならなかった
The radiation leak has had a disastrous effect on the local area.
放射線漏れは地元地域に深刻な結果をもたらした
「consequence」は、物事の成り行きの結果
consequence は、その行動や状況がもたらす結果、成り行きが帰着する内容を示す語です。
result のようなに原因と結果が直接に結びつく因果関係ではなく、諸々の要因を巻き込んで行き着いたところといったニュアンスがあります。結果から原因を直接に遡ることは難しい、とはいえ、原因と結果には必然性があります。
Many young men have been unemployed as a consequence of the government’s policies.
多くの若い男達が、政府の政策によって職を失っている
Look at the consequences! I shouldn’t have told him that he can do whatever he wants.
この結果を見て!彼にやりたいこと何でもしていいよなんて言うんじゃなかった
「end」は、終着地点としての結末
end は「終わり」を意味する基礎的な単語で、主に空間的・時間的な「最終地点」や「終端」を意味しますが、文脈によっては「結果」と訳しうる意味合いでも用いられます。「最終的に(結局)こうなった」というニュアンスです。
in the end は、「最終的には」「結果として」という意味のイディオムです。
その結果、孤児たちのために学校が建てられた
「upshot」は、議論や判断が行き着いた結局の所
upshot は、もともとは弓術における「最後の一矢」という意味の語で、意見の飛び交う議論などにおける最後の矢、すなわち結論という意味で用いられます。必ず定冠詞つきで the upshot の形で用いられます。
その議論の結果として、賃上げはしない方針となった
「corollary」は、必然的に導き出される帰結
corollary は「推論」とも訳される語で、すでに証明されている事象や命題から必然的に導き出される結果を意味する名詞です。数学の証明をはじめ、学術的な話題で用いられることの多い、やや堅めの表現です。
盲目的な嫉妬は情熱的な愛の必然的な結果として生まれるものだと言われている
「fruits」は、労苦によって得られた実りの比喩
fruit は果物(フルーツ)を指す語ですが、苦労、忍耐、勤勉、善行などが結実した喜ばしい結果という意味で用いられることもあります。実り、賜物、といった意味合いです。
この意味では基本的に複数形の fruits が用いられます。fruit で示される結果はです。
この論文は、10年がかりの研究の成果だ