英語の助動詞 will は、未来、意思、推測といった幅広い意味で用いられます。訳語いっこ把握して安泰というわけにはいきません。みっちりと用法・用例を把握しましょう。
will をはじめとする助動詞を、英語ネイティブスピーカーの感覚で使いこなすには、その単語の根底に隠された抽象的なニュアンスを自分なりに把握する必要があります。いわゆるコアイメージ。→ 英語の助動詞「will」の意味・用法ごとの具体例
とはいえ、コアイメージの把握には遠大な用例採取・地道で継続的な学習が必要です。明日の試験には間に合わない学習法です。
日本語でまとめられた教科書・辞書・参考書も、英語知識をモノにする最初の手がかりとしては十分に有効です。まずは辞書的・教科書的な分類を把握するところから初めてみましょう。
単純未来を表す
未来に確かに起こること、計画されていることについて言います。
主語が2人称、3人称の場合に使われます。
大きくなったらこのことを後悔するよ
彼女は来月で5歳になる
全てのコンピュータ設備が近いうちに取り換えられます
もしドナルド・トランプが勝利すれば新たな暗黒時代となるだろう
意志未来を表す
話者の発話時の意志、つまり「話している時点でそうしようと思っていること」に使われます。発話者の約束や予定などを示しています。話し手の「意志」があるかどうかが単純未来との違いです。前々からあらかじめ決めてあるような事柄についてはwillよりもbe going to が一般的に用いられます。→英語の未来表現「will」と「going to」の違いと使い分け方
いいわ、そうします
私は明日彼に会う
明日そこへいきますか?
強い意志を表す
willは「絶対に~してみせる」という強い意志を示すこともあります。
この場合はwillに強調を置いて話します。「断固として、あくまでも~する」というニュアンスが含まれます。
何が起ころうとも成功してやる
少しでも動いてみろ、この子供を撃つぞ
喫煙が合法である限り僕は指定場所で喫煙し続けるぞ
私達は脅威を止めてみせる、子供たちが再び緑の中で安全に遊べるように
避けられない出来事を表す
willが回避できない(通常好ましくない)出来事を指す場合もあります。起こってほしくはないが、自分の意思ではどうにもできないというニュアンスがあります。
事故は起きるものだよ
動物が死ぬこと、人間がよりいい思いをするために苦しむことは不可欠な事実だよ
他方、次に何をするかについて別の考えをもっている人もいるものだよ
意欲、承認を表す
「~する気がある」「~してもいい」という意欲、承認の意味でwillが使われることもあります。この場合、単に「意思があるか」だけでなく、「意欲的かどうか」というニュアンスまで含んでいます。疑問文でwill you~?とした場合は、「~する気がありますか?」という質問というよりも、「~してください」という「要求」の意味も含んでいます。
ここまで歩いてくれる?ありがとう
ウイスキー飲む?
車がちっとも動かない
送っていってあげるよ
能力を表す
willは「~することができる」という「能力」の意味でも使われることがあります。
この木材は軽いから水に浮くだろう
君のタンクは26ガロンぐらいは入るだろうね
この国を毎年の歳入が保証できるところまで持っていく計画を作らなければ
この車の後部座席には3人入るよ
推測を表す
可能性を示して、「~だろう」という推測を表すこともあります。この場合、未来であるかどうかはあまり関係ありません。
追わないほうがいいよ。もう何マイルも先に行ってしまっただろうから
教会や信仰団体と強い絆をもっている人もいるだろう
その事故は彼には信じがたいだろうけど、本当なんだ
ドアのそばにいるのはジョージだろう
習慣を表す
willが普段からいつもやっている「習慣」を表すこともあります。
人の習慣をなじるとき、嫌な気持ちを表すときはwillを強調して発音します。
アメリカ人ってのは引き分けを避けるためには何でもするんだよ
最強の動物というのは捕まって檻に入るなんてことは絶対に許さないんだよ
彼が部屋にこもったね。数時間は出てこないよ
気を付けて。彼がきっとずっと邪魔をしてくるから