洋画鑑賞は英語学習方法としてかなりオススメできます。でも正直しんどい部分もあります。映画の予告編(trailer)は、ごく短い中に作品のエッセンスが凝縮されていて、しかも英語学習にも意外なほどピッタリです。
予告編は映画の「さわり」。いろいろ見てみて、英語スキルも向上させつつ気になる映画作品を探してみてはいかがでしょうか。
目次
映画トレーラーのココがステキ
短くて飽きない
映画を英語学習教材として活用するには、準備段階で多少の根気が必要です。はじめに映画作品を選定する必要があるからです。
英語学習に適したお気に入り作品の心当たりがあれば問題ないのですが、手がかりのない段階から探すとなると、わりと大変です。
予告編なら1本せいぜい1~2分。長くても数分。ざっと通して見てしまえます。気になる作品があったら本編に手を出してみてもよいでしょう。
楽しくて飽きない
映画の予告編は、本編に興味を持ってもらうために制作された宣伝コンテンツです。多くの場合、本編の(オチ以外の)最もワクワクする場面や印象的な場面がかいつまんで紹介されます。
登場人物のグッとくるセリフも高い確率で予告編に含まれます。本編が微妙につまらない作品も予告編はウキウキして見られるという場合も少なくありません。
予告編は短い尺に面白い部分が詰め込まれた、映画のいいところを手軽に味わえる手段なのです。
無料で手軽に見られる
映画の予告編は宣伝広告のためのコンテンツです。本編とは違って、YouTube等の動画共有サイトでも公式に配信されており、堂々とタダで視聴できます。
予告編を見てみて全く興味が引かれなかったとしても、損失は時間にして数分のみ。お財布は無傷。それ位なら、まあ屁でもない範囲でしょう。
本編は正当な対価を支払って視聴しましょうね。
映画トレーラーに難点・注意点があるとすれば
映画の予告編は色々な側面から見て英語学習にもピッタリと言い切ってしまえますが、いくつか留意しておきたい事項もあります。
断片的になりがちという側面にはご注意
予告編は映画の概要を紹介する性質上、各場面のツギハギの形が多く取られます。各シーンは断片的になりがちで、話の一連の流れは巧妙に隠されます。そのため、前後の文脈から会話の内容が推察しにくいという難点が生じます。
模倣するだけの情報量はない
《映画で英語学習法》の大きな利点として、登場人物になりきってセリフや表情やしぐさをマネる、という学び方ができる点が挙げられます。
特定キャラクターに感情移入して、登場人物になりきり、真似る。それによって英語のフレーズだけでなく言い方全般(表情や声の調子など)を総合的に体で覚える方法です。
予告編は特定キャラクターに感情移入できるだけの情報量があるとは言えません。断片的だし、そもそも時間が短いし。
感情移入できそうなキャラクターに出会えたら、本編を視聴してみることを検討しましょう。
ジャンル別おすすめポイント&オススメ実例
映画の予告編の内容や特徴は、もちろん映画作品によって千差万別ではありますが、英語学習という観点では映画のジャンルによって学べる英語表現の傾向や難度を大まかに区分できそうです。
子供向けファンタジー物は平易で実用的な英語の宝庫
ファンタジー系に区分される映画作品の多くは、子どもを主な視聴者と想定しています。作中で用いられる英語表現も平易な表現が中心で、聞き取りやすく話されます。
とはいえ、いにしえの世界を舞台とするお話の場合は、あえて古めかしい英語表現が用いられていることもあります。
I am positive
I am sure よりも、さらに強い確信を持っているときに使います。日本語では「絶対に~だ」と訳せるでしょう。
get lost in
get lost in は映画中の「迷子になる」という意味の他に、「夢中になる」「没頭する」という意味でも使われます。
今日はついてない日みたい。こんなこと滅多に起こらないもの
―「Tangled」(塔の上のラプンツェル)
off day
off day は「調子の悪い日」「ついてない日」という意味で使われています。主にイギリスで使われている表現です。
もしそうでなければ、彼はずっと獣のままでいる運命となるでしょう
―「Beauty and the Beast」(美女と野獣)
be doomed
名詞形 doom は「破壊」「死」という意味です。be doomed で「(通常悪い意味で)~する運命にある」ことを表します。
甘いセリフが多い「恋愛映画」
恋愛映画は、恋人や夫婦など男女の関係を扱っている映画です。そのため、普段はあまり出番がなさそうなロマンチックなセリフも多く登場します。海外に恋人がいる人は、恋愛映画で使えるフレーズを増やすのも良いでしょう。
君のEメールの中で、君は破局を乗り越えるって書いてあるのを見たよ
―「Her」(her/世界でひとつの彼女)
come through
come through は「切り抜ける」「持ちこたえる」ことを表すイディオムです。
breakup
break up は「破局する」ことを表します。split up も同様の意味です。名詞として使いたいときには、2つの単語をつなげて breakup と表記します。
一緒にいてこんなに気が楽な人に出会ったのは本当に久々だ
―「Her」(her/世界でひとつの彼女)
at ease
at ease は「気が楽」「安心する」「くつろぐ」などを表すイディオムです。feel at ease(とても安心する)などのフレーズで使われることもあります。
上級者向けの「コメディ映画」
コメディ映画は、勢い良くジョークやスラングを飛ばしていくため、テンポが速く、聞き取りについていくのが大変です。また、文化の違うジョークを理解することも簡単ではありません。コメディ映画は、英語学習の上級者向けと言えるでしょう。
funny business
funny business は、反抗的・挑発的な行動を指しています。「ふざけた行為」と訳せるでしょう。
セリフの短い「SF・アクション映画」
アクション映画は、その名の通りアクションが中心のため、セリフが少なく、またあったとしても叫び声などの短いものが多いことが特徴です。英語があまり分からなくても状況を把握しやすいため、英語学習の取っ掛かりとしてみ始めるのは良いでしょう。
gotta
gotta は have got to を略したスラングです。have got to とは、have to をよりカジュアルにした表現として使われています。ちなみに、want to を略した wanna や going to を略した gonna と同様に若者コトバとして認識されています。キレイな言葉ではないので、使用には気をつけましょう。
彼らが襲い掛かってくるって気が付かなかったの?
―「Dawn of the Planet of the Apes」(猿の惑星:新世紀)
turn on
turn on は「襲いかかる」「食ってかかる」ことを表します。