英語の母音 [ɔ] の発音、(特に単語の最初にある場合)について、正しく発音するための具体的な口の形、舌の動かし方をおさらいしましょう。
[ɔ] の発音の特徴(どのような音か)
[ɔ] と発音する単語の綴りは多岐にわたります。call /kɔːl/、bought /bɔːt/、caught /kɔːt/ など。表記は少し複雑です。でも発音そのものは簡単です。
[ɔ] の音は日本語の「オ」に対応する音といえます。英語には、「オ」に対応する母音は [o]、[ɔ]、[ɑ] の3種類あります。
[ɔ] と [ɑ] は、カタカナ表記される場合には「ア」で表記されることもあります。たとえば award /əˈwɔːd/ は日本語では「アワード」と表記されます。アウォードとは普通は表記しません。
award のように [ɔ] を「ア」の音でカナ表記する例は少なく、実際は「オ」の音で表記する場合が大半です。
いずれにしても、日本語のカナ表記や日本語風の発音は無視してしまって、新たな発音を覚えるつもりで学習に取り組むのが最適です。
[ɔ] の具体的な発音方法
【1】
まず、軽くあくびをするような要領で、のどの奥を広げましょう。そうすると、自然に舌先の位置が少しだけ後ろに下がります。
のどの奥を少し広げたままの状態で、上下の歯の間を人差し指の幅(太さ)1本分だけ開いてください。口の開け方の程度を把握できるまでは、実際に指を口に突っ込んで測ってみるとよいでしょう。
【2】
口とのどを開き、歯を指1本分だけ広げ、それと同時に、上下の唇も指につくようにすると、自然に唇全体が少し丸くなります。
顔の筋肉はこわばらせず、力を抜きましょう。
【3】
舌、歯、唇の正しい位置が作れたら、そのまま「おー」と声に出してみましょう。口や舌の位置が正しければ、日本語の「オ」とは少し異なる、やや「ア」に近い感じの「オ」の音が出ます。それが正しい [ɔ] の音です。
[ɔ] の発音のコツとポイント
男性が相づちを打って「おう、その通りだ」と言うような場合の「おう」は、[ɔ] に近い口の形です。口は丸く小さめにして、あごを下に降ろした形になっているはずです。唇や歯も、おおむね上下に指1本分くらい開いているでしょう。
ただ、口に指を入れてみて実際に「おう」と発してみると、唇に力が入っていることが指に伝わります。唇の力を抜き、適度に開いたまま「おう」と言ってみると、[ɔ] の発音にだいぶ近づきます。
[ɔ] の音を含む英単語
- August /ˈɔːɡəst/
- all /ɔːl/
- call /kɔːl/
- bought /bɔːt/
- caught /kɔːt/
※発音記号は OxfordDictionaries より
[ɔ] の音を多めに含む文章
英語の「正しい発音」方法の身に付けかた・矯正方法・練習方法【もくじ】
- [r] の発音の方法とコツ
- [l] の発音の方法とコツ
- [v] の発音の方法とコツ
- [f] の発音の方法とコツ
- [ð] の発音の方法とコツ
- [θ] の発音の方法とコツ
- [ʃ] の発音の方法とコツ
- [s] の発音の方法とコツ
ICLP® 一般社団法人 国際発音検定協会
代表理事 奥村 真知