英語の母音 [u] の発音、(特に単語の最初にある場合)について、正しく発音するための具体的な口の形、舌の動かし方をおさらいしましょう。
[u] の発音の特徴(どのような音か)
英語の [u] の音は、おおむね日本語の「ウ」に相当する母音です。
英語の「ウ」系統の音は、[u] と [u:] の2種類に区別できます。[u] は短母音、 [u:] は長母音の音を区別できます。
[u:] の方は、心持ち唇を丸めるようにして「うー」と発音すれば、ほぼ正しく発音できます。他方、[u] の発音は日本語の「う」「うー」の感覚ではなかなか正しく発音できません。
[u] は日本語の「ウ」と「オ」の間のような音です。正しく発音するには少々コツが必要です。
[u] の具体的な発音方法
【1】
まず、唇を丸めて「うお」と言ってみましょう。
「お」のときの口は、指の幅の半分ぐらい開いた状態になっているはずです。
【2】
この「お」の口の形を維持したまま、口腔内だけ使って「う」の音を発声してみましょう。
唇の形が「お」のまま「う」の音を出そうとすると、舌の後ろ(付け根側)が少し持ち上がるはずです。この舌の動きがポイントです。
音は「う」と「お」の中間の音が出るように意識しましょう。
[u] の発音のコツとポイント
英語の [u] は唇を丸めて発音します。日本語の「ウ」は、単独で発音する際には唇を丸める形になっても、通常の会話では特に唇を丸めずに発音する、という場合も多いものです。
鏡の前に立ち、ゆっくりと「あいうえお」と言い、口の動きを確認してみましょう。もし、「い」から「う」に移る際に、上下の唇の幅を狭めるだけで「う」と発音している場合、普段の会話でも唇を丸めずにウの音を出しているかもしれません。
「ウ」の音を唇を丸めずに発声する傾向のある方は、英語の [u] の発音は唇を少し前に突き出して口笛を吹くような形を作るように意識するとよいでしょう。
英語の場合、母音の [u] だけでなく、子音にも唇を丸めたほうが発音しやすい音がたくさんあります。口の動きは多少大げさなくらいでよいのです。
[u] の音を含む英単語
- foot /fʊt/
- cook /kʊk/
- book /bʊk/
- took /tʊk/
- push /pʊʃ/
※発音記号は OxfordDictionaries より
[u] という発音表記はJones式発音記号の体系に基づくもので、OxfordDictionaries 等の辞書が採用しているIPA(国際音声記号)の体系とはやや異なります。
Jones式発音記号は IPA 等に見られる音声学的な厳密な弁別を簡素化しています。たとえば IPAの /u/ と /ʊ/ は、共にJones式発音記号では [u] として扱われています。
日常会話レベルでは [u] = /u/ と /ʊ/ と捉えて何ら問題ありません。
[u] の音を多めに含む文章
英語の「正しい発音」方法の身に付けかた・矯正方法・練習方法【もくじ】
- [r] の発音の方法とコツ
- [l] の発音の方法とコツ
- [v] の発音の方法とコツ
- [f] の発音の方法とコツ
- [ð] の発音の方法とコツ
- [θ] の発音の方法とコツ
- [ʃ] の発音の方法とコツ
- [s] の発音の方法とコツ
ICLP® 一般社団法人 国際発音検定協会
代表理事 奥村 真知