いわゆる「お取り寄せ」に対応する英語表現は大抵 order です。《取り寄せる》よりもむしろ《在庫がないので注文する》のだと考えれば、order で十分に表現できると納得できます。
日本語表現の「お取り寄せ」が醸す特別感につられて「英語でも何か特別な表現があるはず」という先入観を持ってしまうと、徒労を強いられることになります。
back order(バックオーダー)はソコソコ特別な「お取り寄せ」感の漂う表現ではあります。ただし back order は「在庫切れ」を指す意味合いが中心です。文脈に応じて上手く使い分けましょう。
「お取り寄せ」は英語では大抵 order で表現できる
「お取り寄せ」という表現が使われる場面はというと、十中八九、小売店の店頭には在庫がなくて本部に発注すれば入手可、というような状況でしょう。こうした状況は英語では order で表現できます。
日本語で「取り寄せる」というと、どうも英語に置き換えにくい感がありますが、「お取り寄せ」は別途発注して取り寄せてもらうということだと解釈すれば、腑に落ちやすいでしょう。
order は名詞としても動詞としても使える
order は「順序」「秩序」という意味合いを根本にもつ基礎的かつ汎用的な単語です。good order(いい調子)とか、higher order(上層)とか、doctor’s orders (医者の指図)とか、さまざまな意味の広がりを持ちます。
そして order には命令・指示・注文という意味合いもあります。
order は名詞としての意味だけでなく動詞(他動詞)としても使えます。(自動詞の用法もあります)
動詞としては「命じる」あるいは「指図する」という意味合いが中心的です。order to (do) の文型を取れば「~するよう命じる」という意味合いが表現できます。
つまり、名詞的な意味用法における「お取り寄せ」も、「お取り寄せ(する)」という動詞的な意味用法における「お取り寄せ」も、たいてい order の一語で表現できてしまえるというわけです。
back order も「お取り寄せ」の意味で使える表現
「お取り寄せ」に関連しそうな話題を探っていくと back order という表現にも遭遇します。字面的には何となく「お取り寄せ」感のある表現で、日本語メディアでも「バックオーダー」という字面で用いられることがままあります。
ただし back order は「在庫切れ」に近いニュアンスが濃厚
back order も「お取り寄せ」に通じるところのある表現ではありますが、どちらかというと、back order は日本語で言うところの「在庫切れ」に近い表現といえます。
A retailer’s order for a product that is temporarily out of stock with the supplier.
販売元に一時的に在庫がない状況の商品への小売店の取り寄せ(注文)
文脈上、back order が「お取り寄せ」と翻訳されたり、逆に「お取り寄せ」が back order と訳されたりすることは十分にあり得ます。とはいえ普通の文脈では単に order といえば十分です。