「肌色」「肌の色」は英語でどう言う?

日本語でいう「肌色」は、二重三重の意味で、英語で言い表しにくい言葉といえます。「訳語を探す」発想は捨てて、根本的に捉え直す方向で考えた方が得策です。

特定の色合いを指す言い方としてではなく「肌の色」と述べる場合は、 skin color と表現すれば意味は通ります。ただし、肌の色は人種・民族の差異に直結する非常に繊細な話題です。基本的には言及を避けた方がよいでしょう。

日本語の「肌色」の色は他の名称で例える

今では日本語の「肌色」も社会的に遠ざけられ、日本語としても通じない言葉になりつつある言葉といえるでしょう。

画材の色としては「肌色」という呼び名は2000年代に廃止の動きが進み、「うすだいだい」あるいは「ペールオレンジ」といった呼び名に切り替わっています。

ただし「うすだいだい」も「ペールオレンジ」も日本語的な代替表現であり、英語に由来する表現というわけではないので、そのまま英語で通じるという保証は今ひとつありません。

「肌色」も「ペールオレンジ」も英語では通じない表現

「肌色」をそのまま英語にして skin color と言ってみても、ある特定の色を表すことはできません。「(誰かの)肌の色」を表すだけで、skin color という名前のついた色はありません。

また日本での現在の呼び名、「うすだいだい」や「ペールオレンジ」を英語で pale orange と表現してみると、確かにそれっぽい色を表す場合があります。

しかし pale orange は単に「薄いオレンジ色」という意味なので、薄くする前の元のオレンジによっては濃かったり薄かったりして「肌色」とはかけ離れてしまいますし、呼称にも「人の肌の色を表す」というニュアンスは含まれません。

skin

語弊が少ないのは  peach

日本語的「肌色」あるいは「うすだいだい」を英語で表現する場合、いちばん近い色を指し示せる表現のひとつとして peach が挙げられます。

peach を日本語的な「桃色」に当てはめて考えると、ちょっと濃いめのピンク色を想像してしまいますが、英語で peach といって主に想起される色は少しだけ赤みがかった薄オレンジ色のような色合いです。

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色の名前が差別的にならないようにとの配慮からこう呼ばれるようになったので、語弊を与えない無難な表現ではありますが、「うすだいだい」同様、あまり社会的に定着してはいないようです。


英語圏で肌の色に言及する言い方

「人肌の色」と述べる言い方には nude や flesh がある

実際の色合いを度外視して「人肌の色」と表現する語彙としては nude color あるいは flesh color といった表現が一応あります。

nude は「ヌード」つまり「裸」を意味し、flesh は「(人や動物の)肉」「食肉」「果肉」などを意味します。どちらも直接に「肌」を意味する単語ではないものの、人の体の色であることを表現できる言い方です。

この nude や flesh といった呼び名について、「肌の色に標準を設けることになってしまうため人種差別にもつながる」という議論がなされ、最近では使われ方が変わってきているようです。例えば現在ファッションアイテムなどに用いられる nude color といった表現は、「一人ひとりの肌の色と同様の色」のように定義されています。

アメリカで公民権運動が盛んだった1960年代頃から flesh という色のクレヨンがなくなり、peach に改名されたそうです。

特定の色ではなく「(誰かの)肌の色」と述べる場合は skin color と表現できる

色の名前としてではなく、ある人の肌の色について言及したい場合にはそのまま skin color で表せます。もちろん生まれつきの肌の色のことも意味しますが、日焼けやけがなどの影響で一時的に変化する肌の色などについて述べる場合にも使えます。

“If you ask somebody on the street, ‘What are the main differences between races?,’ they’re going to say skin color,” […] .
街で誰かに「人種間の最大の差異はなんだろう?」と尋ねたら肌の色だと彼らは言うだろう
――The New York Times, October 12, 2017
Skin Color Changes: What They Mean
肌の色の変化:その意味するもの
――MedicoRx®, March 23, 2017

色よりは色合いの濃淡で表現する

英語圏での日常的な会話においては、肌の色が何色かを明言するというよりは明るさや濃淡で肌色を表現することの方が多いと言えます。そういった場合は color よりも、tone を用いたほうが自然でしょう。tone は「(音や色の)調子」「濃淡」「高低」などの意味を持ち、変化する物事の状態を表すのに便利な単語です。

Look at her skin tone! It’s beautiful.
彼女の肌色、すごく綺麗!
Have you ever tried on a top or a shade of lipstick that makes your skin tones, eyes, and face come alive […] ?
あなたの肌の色や目、顔を生き生きさせるトップスや口紅の色を試してみたことがある?
――Style Caster, March, 2017

色白・色黒と表現する言い方

生まれつきの肌の色ではなく、日に焼けた色黒な肌か全く焼けていない美白の肌かを表す場合には、色や明るさ以外の言い方で表現します。

tan

まず日焼けによって褐色になった肌のことは、「日に焼ける」を意味する tan という動詞を形容詞的に用いて、tanned skin と表します。日焼けというと sunburn が思いつきますが、これは多くの場合痛々しいほどに焼けてしまった状態を表します。健康的に美しく日焼けしている場合は tan を用いましょう。

tanned skin という固定フレーズ以外にも、人自体を直接 tanned と形容するだけでその人全体が日焼けしたように見える、少し黒くなったような印象がある、という状態を表現できます。

You look a little tanned.
少し焼けたね

fair

そして反対に、日に焼けていない白い肌のことは一般的に fair で表します。fair は日本語でもあるように「公平な」という意味で用いられることが多い単語ですが、実は「快晴の」「魅力的な」「有望な」など多くの意味を持つ単語です。その中の一つに「(肌が)色白い」という意味があります。

「白い肌」と表現する場合は fair skin、そして「色白の人」のように人を形容したい場合は fair-skinned person のように表します。

pale

「色白」と呼ばれる中でも、外に出ていなくて不健康そうといったニュアンスや血色の悪い青白い肌を表す場合は pale が当てはまります。同じ白い肌を表現するのにも、込めるニュアンスによって単語が異なるので、しっかり把握して使い分ける必要があります。

化粧品の色の呼び分けは種類豊富で少し特殊

肌の色の表現というと女性用化粧品の呼称が参考にできそうな気もしてきます。

欧米諸国では化粧品を購入する人の肌の色合いが幅広く、日本とは比べものにならないほどさまざまな色味の化粧品が販売されています。

基本的には、元々の肌の tone や shade (陰影)、または undertone (基調)を基準に自分に合う色の化粧品を探すようです。肌の tone は大きく3つのパターンに分かれています。黄みがかった warm tone (暖色系)か、青みがかった cool tone (寒色系)か、その中間と呼ばれる neutral(明るいピンクかアジア人のような肌色)かです。

また化粧品の色は非常に細かく分かれていて一口に言うことはできないので、その色に最も近いモノの名前を付けて呼ぶ方法がよく取られます。BBクリームの中には食べ物や植物に例えて色の名前を呼んでいる製品も多くあります。

例えば左から明るい順に、 cream (クリーム色)、bisque(ビスク色)、honey(ハチミツ色)、olive(オリーブ色)、caramel(キャラメル色)、chestnut(クルミ色)、carob(キャロブ色)などです。中には本当にこんな色の肌ある?というものもありますが、キャッチ―かつ女心をつかむ、差別的でない表現であることが重要なようです。

アジア人の肌は olive か medium

アジア人が英語で自分の肌の色を説明する際には絶妙な色のニュアンスを伝える必要があります。dark skin とも light skin とも言えない名状しがたい色であり、日本語の「肌色」という概念も通じないからです。かと言って yellow (黄色人種)のように自らを形容すると無駄に自虐することになってしまいます。

一般的に英語圏におけるアジア人の肌は中間色である olive や medium のように表現されます。アジア人と言っても色々ですが、日本人や韓国人のように美白を死守したような肌の人は十分 fair とも呼べますし、pale と言われることもあるでしょう。地黒の人でも light dark で「明るい茶色」のように簡単に表現してしまってよいでしょう。


色よりも明るさやルーツで表す方が無難

英語圏での「肌色」の表し方に関して言えることは、基本的に共通した肌の色の概念はないということです。そして誰かの肌の色の話自体も、極力しないに限るということです。

もしも肌の色について何らかの脈絡で言及する場合でも、多人種の共存する欧米では肌の色に関する話題には特に敏感です。black や white、yellow などと言った差別的ととらえられる可能性のある表現はなるべく避けましょう。

その代わりに dark か light など肌の明るさを表す単語を用いたり、African American(アフリカ系アメリカ人)、 Latino American(ラテン系アメリカ人)、 Asian American(アジア系アメリカ人)、Caucasian(ヨーロッパ系白人種)のようにその人のルーツを用いたりして表すとよいでしょう。





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