英語の数字といえば、one、two、three、のような数詞がお馴染みです。学校の英語の授業でも、数字の英語の読み方はアルファベットの次くらいに教わる、基礎中の基礎知識です。
数字は生活のあらゆる場面で接する情報です。しかも、現実で用いられる数の表現は、5桁の数(万単位)だったり、分数だったり、小数だったり負の数だったりします。数字そのものだけでなく、数字の周辺の英語表現に関する知識も必要です。
ということで、改めて数字の表現の仕方について振り返ってみましょう。
英語の数字の基本(2桁の数)
まずは基本となる数字の読み方をおさらいしましょう。
ちなみに、「1」「2」といった数そのものを示す語は「基数詞」と言います。「ひとつ」「ふたつ」のように数え上げる際に用いられる語は、基数詞に対して「序数詞」と言います。first、second といった語は英語の序数詞の表現です。
おおまかな法則
英語では1~12までは固有の名詞で、13以降は規則的な形を取るようになります。つまり、「20」まで把握してしまえば2桁の数字が網羅できます。ついでに「21」も覚えてしまえばカンペキでしょう。
- 1~12 までは暗記してしまいましょう
- 13 以降の十の位の数(~19)は「一の位+teen」で表現できます
- 2桁で一の位がゼロの数(20や30)は「一の位+ty」で表現できます
- その他の2桁の数は十の位の数と一の位の数を続けて述べます
基数詞と序数詞をまとめて学んでしまうと納得感が増します
13以降は規則性を持って語形が変化しますが、three と thirteen、five と fifteen のように、変則的な綴りの変化が見られる箇所もいくつかあります。
基数詞と併せて序数詞もまとめて覚えてしまえば、綴りの変化は腑に落ちやすくなります。十の位は「序数詞+teen」と考えてもよいくらいです。
数字とその読み方の対照表
アラビア数字 | 英語(基数詞) | 発音 | 序数詞 | ローマ数字 |
0 | zero | /zɪərəʊ/ | ※なし | ※なし |
1 | one | /wʌn/ | first | I |
2 | two | /tuː/ | second | II |
3 | three | /θriː/ | third | III |
4 | four | /fɔː/ | fourth | IV |
5 | five | /fʌɪv/ | fifth | V |
6 | six | /sɪks/ | sixth | VI |
7 | seven | /sɛvən/ | seventh | VII |
8 | eight | /eɪt/ | eighth | VIII |
9 | nine | /nʌɪn/ | ninth | IX |
10 | ten | /tɛn/ | tenth | X |
11 | eleven | /ɪlɛvən/ | eleventh | XI |
12 | twelve | /twɛlv/ | twelfth | XII |
13 | thirteen | /θəːtiːn/ | thirteenth | XIII |
14 | fourteen | /fɔːtiːn/ | fourteenth | XIV |
15 | fifteen | /fɪftiːn/ | fifteenth | XV |
16 | sixteen | /sɪkstiːn/ | sixteenth | XVI |
17 | seventeen | /sɛvəntiːn/ | seventeenth | XVII |
18 | eighteen | /eɪtiːn/ | eighteenth | XVIII |
19 | nineteen | /nʌɪntiːn/ | nineteenth | XIX |
20 | twenty | /twɛnti/ | twentieth | XX |
21 | twenty-one | /twɛntiwʌn/ | twenty first | XXI |
ローマ数字の読み方
ついでにローマ数字の読み方も軽く知っておきましょう。使う機会はともかく、街中で見かける機会はあります。
ローマ数字の書き方には「左から大きい順に書き連ねる」「同じ字を4つ並べて表記しない」という基本ルールがあります。主にI(1)、V(5)、X(10)の組み合わせで表記されます。読む際には《5+2》程度の加算・減算が必要です。
同じ字が4つ並ばない法則により、4はIIIIとは表記できず、かわりに「IV」と表記して「5-1=4」を示します。9は「IX」(10-1=9)の形で示します。
ローマ数字で用いられる数は、さらにL(50)、C(100)、D(500)、M(1000)まであります。100や1000は centi、milli の頭文字と共通なので、絡めて覚えておくとお得です。
同じ数字を4つ並べられないというルール上、ローマ数字では3999までしか表現できません。
1より小さい数の表現
英語で正しく読み上げる算数・数学の「値」と「計算式」 も併せて参照ください。
少数
少数は、小数点(point)を挿んで日本語と同じ法則性に従って読みます。つまり、整数の部分は通常の数字の読み方で読み、小数点をpoint と読み上げ、小数の部分は数字をそれぞれ単独で読んでいきます。one point five six (1.56)のような感じです。
「0.1」のように整数部分がゼロだった場合は、zero は言わなくても正しい表現として通じます。ただ、言ったほうが分かりやすいでしょう。
数字 | 英語 |
0.1 | (zero) point one |
0.01 | (zero) point zero one |
0.56 | (zero) point five six |
1.56 | one point five six |
分数
分数の表現では、分子は基数(one、two)で読み、分母は序数(first、second)で読み、そして分子・分母の順で読み上げる言い方をとります。分母は複数形を取るという点にも注意しましょう。
例えば「3分の2」は、英語では「two thirds」と読みます。「2/3」の表記なら語順そのままに読めます。
数字 | 英語 |
1/2 | a half |
1/3 | one third |
1/4 | a quarter |
2/5 | two fifths |
4/13 | four thirteenths |
1/2 と 1/4 は、half(半分)および quarter(四半分)という表現が別途あり、こちらがもっぱら使われています。
1/3×2=2/3 という考え方
third や fourth といった英語の序数詞には、「何番目」という序数の意味の他に、「何分の一」という分数の意味合いもあります。たとえば third が単独で「3分の1」という意味で用いられることもあります。
つまり、「two thirds」は、「2つのthird(3分の1)」ということで「3分の2」を示しているわけです。そう考えると thirds が複数形を取るのも納得です。
負の数
ゼロを下回る(0より小さい)数=負数は、英語では negative number と呼びます。
minus と negative
数字表記では、負数はマイナス記号(minus)を伴って「-8」のように表記されます。読み方としては、「minus eight」とも「negative eight」とも読みます。
minus と negative は、どちらの読み方が正しいか・一般的か・多数派か、といった判断は一概には下せない状況のようです。どちらの言い方でも通じるかもしれないし、一方が通じにくければ他方に言い換えてみるといった工夫が必要かもしれません。
気温を表現する場合には、eight degrees below zero のような表現も多く用いられます。「8度ほど氷点下を下回った」と表現する塩梅でしょう。
引き算の場合は「minus」
「5-3」のように引き算式を読み上げる場合は、「five minus three」と表現します。「5-(-3)」といった式の場合、「five minus negative three」と表現し、「引き算のマイナス」と「マイナスの数字」を区別します。
桁の大きな数字の英語表現
英語では、0 がいくつも並ぶような桁の多い数字には1000ごとに、つまり0が3つ並ぶごとにカンマで区切って表記されます。この点を意識しつつ読み方と併せて把握できると、大きな数も余裕で読み上げられるようになります。
英語の数は3桁ごとに単位が変わる
英語では10 は ten、100 は hundred 、1000 は thousand と固有の呼び方があります。その次の 10000 (1万)は固有の単位ではなく ten thousand 、続く100000(10万)は hundred thousand と表します。そして10万の一桁上の「100万」になると、 million という固有の単位が登場します。
以降、「各単位 × 1,×10、×100 → 次の単位が登場」という、3桁ずつの規則的な数え方と単位の繰り上がりが生じます。
たとえば、10の10乗(100億)は10×10億で ten billion 、10の11乗(1000億)は100×10億で hundred billion です。hundred billion の10倍(10の12乗 = 1兆) は trillionという単位になり、その10倍(10の13乗 = 10兆 )は ten trillion となります。
英語の数は「1000」で区切る
日本語でも、1万 = ten thousand の考え方にならって「10千」と表記する場合があります。企業の決算書などでは千単位で(下3桁は省いて)扱う表記が標準的です。
英語の数の数え方は、アラビア数字の表記方法でしばしば目にするカンマづかいと連動しています。10,000 や 100,000,000 のように用いられるカンマを一目見れば、英語なら何桁と読めばよいのかが一目瞭然というわけです。
接頭辞に注目すれば巨大数の単位がわかる
100万(million)以降はどのような単位となるのでしょうか。まずは一覧で見てみましょう。各単位は3桁ずつ( × 1,×10、×100 )用いられるので、一覧は冪指数が3の倍数となっています。
- 10の6乗 million
- 10の9乗 billion
- 10の12乗 trillion
- 10の15乗 quadrillion
- 10の18乗 quintillion
- 10の21乗 sextillion
- 10の24乗 septillion
- 10の27乗 octillion
- 10の30乗 nonillion
- 10の33乗 decillion
- 10の36乗 undecillion
- 10の39乗 duodecillion
- 10の42乗 tredecillion
- 10の45乗 quattuordecillion
- 10の48乗 quindecillion
- 10の51乗 sexdecillion
- 10の54乗 septendecillion
- 10の57乗 octodecillion
- 10の60乗 novemdecillion
- 10の63乗 vigintillion
- 10の303乗 centillion
一目で気付く点は、どの語も「-illion」が付くという点。これは「大きい」という意味合いの接尾辞です。そして前方に付く語は tri 、quad 、oct のように、数を表す接頭辞となっています。
※ million の mil- は「千」を意味する点で例外的といえますが、以降は bi (2)、tri(3)、quad(4)と規則的に増えていきます。
つまり、 thousand を基礎として million を「1」と捉えてみると、あとはカンマが何個付くか数えれば、英語で何と読めばよいかは一目瞭然なのです。
- million = 1,000,000 (カンマの数は1+1)
- bi = 2 。billion = 1,000,000,000(カンマの数は1+2)
- tri = 3。trillion = 1,000,000,000,000 (カンマの数は1+3)
- quad= 4。quadrillion =1,000,000,000,000,000 (カンマの数は1+4)
bi、tri という数に基づきカンマの個数から桁を判断する場合は、 1,000 (thousand)で出てくるカンマ1個分が特別扱いになっているという点に注意しましょう。「単位:千」で考えると腑に落ちやすいように思われます。
ここまで把握できれば、膨大な桁の数値をいきなり目にした場合でも、割とサラッと読み上げることが可能となります。たとえば
100,000,000,000,000
カンマ数が4個(1+3)に100なので hundred trillion と判断できます。
逆もまた然りというもので、billion を数字に置き換えて記述する場合も難なくこなせる筈です。
とはいうものの、日常で目にする機会があるかもしれない単位はせいぜい trillion くらいまででしょう。これより上の単位は「天文学的数字」の部類といえます。
「 一億兆兆」のような言い方もある
septillion や octillion のような表現の他に、10 billion trillion trillion のように表現する言い方もあります。
10 billion trillion trillion は、「10 × 10億 × 1兆 × 1兆」の数を表現します。並ぶゼロの数は34個、つまり ten decillion と同じ桁数(同義語の関係)となります。
ダイヤモンド惑星は「100億兆兆」
2012年に「ダイヤモンドでできた惑星が発見された」というニュースが報道され、世界中の注目を集めました。この星は地層が丸ごとダイヤモンド化している「ダイヤモンド惑星」と推測されています。そして、この星が含有するダイヤモンドの重量をカラット数に直すと 10 billion trillion trillion carats 相当に上るのだとか。
大半のメディアは ten decillion とは表現せず billion trillion を用いて報じています。やはり、耳慣れない言葉を持ち出すよりも、まだ耳にしたことがある語を重ねて表現した方が伝わるという判断でしょうか。
日本語の巨大数の単位には「溝」(こう)という単位があり、これが10の32乗を表します。ダイヤモンド惑星のカラット数は「100溝カラット」 と表記できます。とはいえ唐突に「溝」と言われても普通は理解できません。「100億兆兆」とでも言われた方がまだ規模が想像できるというものです。ちなみに日本のメディアの多くはカラット数に換算することはせず「星全体の質量の約3分の1」のような報じ方を主としていました。
数字に伴う英語表現
~以下、以上と表現する言い方
金額や人数など数字を伴う会話をしているときは、「~以下」「~以上」という表現が多く用いられるかと思います。数字をnとすると、「n以下」はnを含んでそれより少ないもの、「n以上」はnを含んでそれより多いものを指します。
「n以下」はn or less と表しましょう。nを含まない、つまり「n未満」であればless than nと表します。反対に、「n以上」はn or more、nを含まずに「nより多い」のであればmore than nと表します。
比率を表現する言い方
比率(ratio)を表す際には、書く時にはコロン(:)、読む時には to を使います。 2対3は、コロンを使って「2:3」と書きます。読みあげる場合は「two to three」のように言います。
「○と△の比率は、□対×です」のように、比較対象とその比率を列挙する場合は、「the ratio of ○ and △ is □ to ×」と表現できます。
事務所にいる男性と女性の比率は7対3だ
それらは5対4の割合だ
縦と横の比は11対6だ
計算で使う表現
算数の宿題を解くときや、ボンヤリと頭のなかで計算するとき、重さや量を図るときなど、数字を使う場面は色々あり、どんな場面かによって使う英語の語彙は変わってきます。
例えば、「答えを出す」というニュアンスならばwork out(算定する)、金額について判断・評価するときはassess(査定する)など。基本的には「計算する」という意味のcalculateで事足りるかもしれませんが、場面にあった表現を使えるとなお良しです。
年月日の表記
西暦の読み方
1991年や2016年のような西暦を読むときは、基本的には「2桁ずつ」読みます。例えば、1991は普通の数字として読むとone thousand nine hundred and ninety oneですが、西暦ではシンプルにnineteen-ninety oneとなります。2016年はtwenty-sixteenとなります。
日付の書き順
年月日を数字で書く場合、11/8/2016のようにスラッシュで区切って書きます。ただし、注意しておきたいのはアメリカ英語とイギリス英語で表記の順番が違うということです。例えば2016年11月8日であれば、アメリカ式では11/8/2016(月→日→年)となるのに対し、イギリス式では8/11/2016(日→月→年)となります。
相手にとってのスタンダードがアメリカ式かイギリス式かわからないときには、混乱を避けるためにNovember 8th, 2016または8th November 2016と月をアルファベット表記にするのが無難です。
日付の読み方
日付を読むときは、普通の数字のようにone, two, threeとは読みません。1日、2日、3日はfirst, second, thirdと読み、4日以降にはthをつけます。
→英語の「日付」の正しい読み方、書き方、使い方