和製英語に要注意! それはネイティブが使わない英語・ネイティブに通じない英語です。
今回の要注意表現は「アットホーム」。
「アットホーム」を英語で言うなら cozy
日本語でいうところの「アットホーム」は、まるで自宅にいるかのように気兼ねなく寛げるさまを表現する言い方です。「アットホームな職場です」みたいなフレーズが連想されます。
(家庭にいる時のように)くつろいださま。家庭的。
この意味合いの「アットホーム」を英語で表現するなら、cozy が一般的で妥当な表現です。cozy は形容詞で「(こぢんまりして)居心地がよい」、「くつろげる」といった意味。ぬくもりが感じられて緊張が解けるような心地を形容する表現です。
なお三省堂大辞林は「和製英語」とは特に記載していません。
at home は句としてセットで意味を成す場合がある
「アットホーム」という表現が英語の at home に由来する表現であることは、疑う余地がないでしょう。
英語の at home は基本的には前置詞 at +名詞 home で「家に居る」「自宅にて」というような意味を示しますが、「at home」でひとつの句として用いる使い方も実はあります。
自宅用
家の中での使用が想定されていたり、そのために使用されていたりするものを at-home と形容する場合があります。
部屋着(家の中で着る服)
家でできる運動・体操・エクササイズ
個人宅で催されるパーリー
at-home 自体が名詞扱いで、「個人の家庭で開かれる(家庭的な)パーティ」という意味で用いる用法もあるようです。
まるで自分の家にいるかのような心地よさ
Collins English Dictionary には、at home の意味合いを複数列挙していますが、その中に「自宅にいるかのように寛いだ気持ちになる(at ease)」という意味合いも含まれていると述べています。
また、Cambridge Learner’s Dictionary は feel at home あるいは make yourself at home という熟語表現で同様のニュアンスを解説しています。
to behave in a relaxed way in a place, as if it was your own home:
まるで自宅にいるかのようにリラックスしてその場所で振る舞うこと
これは日本語の「アットホーム」の意味合いそのものと言えるニュアンスでしょう。つまり、日本語のアットホームという表現およびその意味するところは、和製英語というわけではないということになります。
でも at home のアットホーム的な用法はまず見かけない
しかしながら、at home という表現が実際に用いられる場面は、十中八九のところ「家(ホーム)で」という意味合いです。
「家で」以外の意味合いの用法について、実際に使われている事例を見つけることは、至難のわざです。「ホーム球場で」「ホームグラウンドで」という意味ならまだ用例も見つかりますが。
というわけで、やはり結論としては、日本語の「アットホーム」のようなニュアンスを英語で表現するなら cozy が妥当でしょうという所に落ち着くわけです。めでたし。