日本語のカタカナ英語表現は、正しい英語表現とは限りません。英語の本来の意味や用法、正しい英語表現を学び直しましょう。
今回の和製英語は「エンスト」。自動車関係の用語です。
「エンスト 」は和製英語。略さなければ通じるのに
日本語のエンストに対応する英語として engine stall という言い方があります。あえてカタカナ表記すれば「エンジンストール」。もうお察しですね。
stall は名詞で「失速」や「停止」といった意味があります。同じ stall の綴りで動詞としても使われるため、文章によっては engine stalls とか engine stalling のように活用して用いられます。
engine failureとも言います。これは不調・不具合・故障、といったニュアンスの強い言い方です。
文脈から状況が判別できる場合は単に stall だけでも十分に通じます。
エンストはエンジンストップ(engine stop)の略ではありません。あるいは、エンジンストップはカンペキな和製英語と言い換えてもよいでしょう。(stop には不本意に停止してしまったというニュアンスは弱く、むしろ「止める」という他動詞の用法がメインです)。エンジンストップというと、普通に駐停車してエンジンを切ったのねと認識されてしまいます。
正しい英語が導入されたのに独自に省略されたことで「通じない英語」になっている例は少なくありません。アクセル もそのひとつです。
変に省略しなければいいのに、と言いたくもなりますが、英語と日本語では音節のとらえ方が違うことや、外来語は半ば固有名詞的に扱えること、日本語は省略したがる文化だったりすること、などなど、しょうがない側面もあるのでしょう。きっと。
「エンスト 」は英語でこう言おう!
「走行中の車がいきなりエンストを起こした。 」
The running car suddenly had an engine stall.