日本語のカタカナ英語表現は、正しい英語表現とは限りません。英語の本来の意味や用法、正しい英語表現を学び直しましょう。
今回の要注意表現は「オブラート」。和製英語というわけではありませんが…
「オブラート」は英語でない
日本語で言うオブラートは、主に医療分野などで用いられる、デンプンを主成分とする薄い膜を指します。水に溶けやすく、体内に摂取されても無害、そのため粉薬を包んで摂取する際などに利用されます。
この「オブラート」という単語は英語に由来するものではなく、オランダ語の oblaat 、あるいはドイツ語の Oblate がもとになっています。
日本語のオブラートに当たるモノを、英語では主に wafer paper あるいは wafer sheet のように表現されます。英語の wefer は「聖餅」とも訳される語で、オランダ語 oblaat もドイツ語の Oblate ももとは「聖餅」を指す語です。
英語で「オブラート」というと、oblate =楕円、扁円 という意味に理解されてしまうかも知れません。英語の oblate もラテン語まで語源を遡れば oblaat と共通する語なのですが。
オブラートに包むを英語では
日本語では、体裁のよいトゲのない表現でやんわり述べるさまを「オブラートに包んで言う」のように表現しますが、これを英語では sugarcoat と表現します。「糖衣でコーティングする」という意味の動詞です。
「オブラート 」は英語でこう言おう!
「医者は患者に対する“ノー”をオブラートに包んで言うべきか?」
Should physicians sugarcoat saying ‘no’ to patients?
※ Becker’s Spine Review の記事タイトルより