高校の英語教師の英語の実力、政府が報告

文部科学省が「英語教育改善実施状況調査」と題する報告書を毎年公表しています。2003年度から行われている取り組みです。

この「英語教育改善実施状況調査」は、公立の小・中・高校を対象とし、生徒、教師、ALT(外国語指導助手)や学習補助機材の活用状況なども含めた、英語教育の実情が取りまとめられています。

2016年4月、昨年度(平成27年度)調査の結果が公表されました。

高校教員の英語力は「57.3%がTOEIC 730点以上」

平成27年度(2015年)版「公立高等学校・中等教育学校(後期課程)における英語教育実施状況調査」(PDF)に、高校における英語教育の状況が報告されています。

高校英語教師(英語担当教員)の英語力は、「英検準1級以上等」を取得している教員の割合が全体の57.3% とのことです。

※ この「英検準1級以上等」は、《英検準1級以上》 および 《TOEFL PBT 550点以上》、《TOEFL CBT 213点以上》、《TOEFL iBT 80点以上》、および 《TOEIC 730点以上》 のいずれかのスコアを取得していることを指します。

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TOEIC 730点以上=教員の英語力のひとつの目安

この「英検準1級以上等」は、文部科学省が英語担当教員の英語能力の目安として据えている基準です。

「「英語が使える日本人」の育成のための行動計画」(抜粋)において、「英語を使用する活動を積み重ねながらコミュニケーション能力の育成を図る授業を行うことのできる英語力」として設定されています。

文部科学省は「概ね全ての英語教員」がこの水準に達することを目標に掲げています。全体の5割強という数字は、まだまだ十分ではない状況と言えそうです。

前年比で向上してきてはいる

昨年度も同じ調査が実施されて同じ調査結果が報告されているわけですが、1年前のデータでは、「英検準1級以上等」を取得した教員は55.4% でした。地道な底上げは行われていることがうかがえます。

ちなみに、調査対象となった高校英語担当教員・約2万3000名のうち、英検・TOEFL・TOEICいずれかの試験を受験した経験がある者の割合は 76.8 % とのこと。その試験を受けた教員のうち「英検準1級以上等」を取得した者の割合は、74.7% に上るそうです。


海外留学経験者はほぼ5割

英語担当教員のうち海外留学を経験した者の割合は、正規留学も語学留学も含めて、全体の 51.9%  (前年度は48.9%)とのこと。

留学経験アリの実績を持つ教員の30.0%が、ひと月未満の短期留学。1年以上の長期留学経験者は20.9% となっています。


参照リンク


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