「電話を取る」場合と「電話をかける」場合の英語の基本表現集

電話を通じて行う英会話は、互いに表情や身振りが見えず、声と言葉だけでコミュニケーションを取らなくてはならなりません。その点で、対面で会話するよりも意思疎通の難易度が高めです。

でも怖がる必要はありません。明瞭に聞こえるように口調を意識し、電話のやりとりでよく使われるお決まり表現を把握しましょう。

電話応対の基礎的な心がけ

電話は相手の姿が見えない状態で会話します。英語レベルの程度にかかわらず、普段との会話とは少し違った心がけが必要です。

はっきりと話す、ゆっくりと話す

電話で話す際にまず意識するべき原則はゆっくりと話すこと、はっきりと話すことです。特に電話のはじめの一言二言の語調はかなり重要です。

ゆっくりはっきり話すことは、電話応対の基本という意味でも重要ですが、自分の希望する会話ペースを相手に伝えるという意味でも重要です。

電話の冒頭ではあいさつ表現などの定型的フレーズを述べることが多く、つい言い慣れた感じで流暢に話してしまいがちです。それを敢えてゆっくりと話しましょう。そうすれば相手もこちらのペースに合わせてくれやすくなります。

はじめに颯爽とした調子で早口で話してしまうと、相手も「この人は流暢に話す人だ」と認識してしまいます。そうなると後が大変です。


最初に覚えるべき「電話で使えるフレーズ」

「わからない」を電話相手に伝える言い方が重要

電話では、聞き手が理解できているかどうかが伝わりづらいものです。積極的にわかっていないことを言葉で伝える姿勢が必要になります。

互いに対面して会話する場合、聞き手の表情やちょっとした動作から「話が通じていないな」と察することができます。聞き手も眉をひそめたり首を傾げたりといった動作で相手に理解度を伝えられます。電話ではこうした話し手は相手の表情やうなずくそぶりから話がちゃんと通じているかを確認できます。聞き手も眉をひそめたり首を傾げたりすることで相手に理解度を伝えることができます。

ネイティブスピーカーやネイティブ並に話せる人は、英語は流暢に話せるもの、という認識に寄ってしまうものです。相手が理解できているようであれば、自分のペースで話すでしょう。

なんとなくの相槌で流していると、重要な情報が聞き取れないまま、もしくは勘違いしたまま通話が終わってしまう恐れもあります。

ついでに言うと、イマイチ理解できていない状況でとりあえず「はい」と頷いて話が進むまま身を委ねるような姿勢も、日本以外では美徳とは映りませんので注意しましょう。

電話英会話において大事なのは“聞き取れていない、わかっていない”ことを相手にすぐ言葉で伝えること。そして、英語に自信がない人はとくに、自分の伝えたい情報が相手に正確に理解されているかということにも気を配りましょう。

Sorry, could you speak a little more slowly? I can’t follow you.
すみません、もう少しゆっくり話してもらえますか。ちょっとついていけていません
Sorry, could you say that again for me? I couldn’t really hear you.
すみません、もう一度繰り返してもらえますか。よく聞こえませんでした
Sorry, could you rephrase that more simply? I don’t understand what you said.
すみません、もう少し簡単に言い換えてもらえますか。仰っている意味がわからなくて

聞き返すフレーズがパッと出てこなければ、 Sorry? の一言だけでも十分な聞き返しフレーズとして使えます。あるいは、かろうじて聞き取れば部分をたどたどしげに反復すれば、相手も言い直しが必要と察してくれます。


電話のかけ方の基本

電話でも開口一番はあいさつが基本です。相手が誰であれ、電話に出てくれたら、まずはあいさつを交わしましょう。

英語では電話でも面と向かっている状況と同様に Hello. とあいさつします。 Good morning. Good afternoon. といったあいさつも使えます。

あいさつの後は、電話をかけた先が正しいかの確認と、自分が誰であるかを名乗りる流れが一般的です。

電話口では自分も相手も This と表現する言い方がお決まりです。

「田中さんのお宅」のように電話先を表現する言い方は、姓を複数形で表現し、さらに所有格の s の代わりにアポストロフィ(’)を付けた形を取ります。つまり Tanakas’  のような形です。

電話を取り次いでもらう言い方

Hello. Is this Mr.Browns’? This is Yamada calling. May I speak to Mary, please?
もしもし、ブラウンさんのお宅ですか? 山田ですが、メアリーさんにかわっていただけますか
Hello. This is Yuki speaking. Is Emma there?
もしもし、ユキです。エマはいますか
Good afternoon. This is Mr.Suzuki of ABC company. May I speak to Mr.Jones in the Account Management Section, please?
こんにちは、私ABCカンパニーの鈴木と申します。営業部のジョーンズさんはいらっしゃいますか

相手が不在だった場合の言い方

About what time will he back?
彼はだいたい何時ごろお戻りでしょうか
May I leave a message?
伝言をお願いしてもよいでしょうか
I’ll call him again tomorrow.
明日またかけ直します
Would you just tell her that I called?
彼女には電話があったことをお伝えいただけますか
Please tell him to call me when he gets back.
戻られたらこちらに電話するようお伝えください

電話の受け方・取り次ぎ方の基本

電話がかかってきて、取る場合、最初の一言は Hello? が定番です。日本語の「もしもし」と同じ感覚で用いられます。

事業所が顧客からの電話を受ける場合は Thank you for calling.(お電話ありがとうございます)と電話を受ける場合も多々あります。

ビジネスシーンでは電話を受けたらまずは名乗りましょう。This is ~ speaking. といえば通じます。自分が名乗った上で、相手が何者かを尋ねましょう。プライベートでは必ずしも先に名乗るべきとは限りません。

相手の名前、用件を尋ねる言い方

Who’s calling,please?
どちら様でしょうか
May I have your name, please?
お名前を伺ってもよろしいでしょうか
What company are you with?
どちらの会社の方ですか
会社名をうかがえますか
How may I help you?
ご用件は何でしょうか
Whom would you like to speak to?
どちらにご用件がおありでしょうか

自分宛ての電話に出た場合の言い方

? Is Mr.Yokota there?
横田さんはいらっしゃいますか
.
? This is he.
私です
? Is this Mr.Suzukis’?
鈴木さんのお宅ですか
.
? Yes, it is.
はい、そうです

「私です」という言い方は自分を第三者的に扱って he または she と表現する言い方が定番です。ただしカジュアルな場面では It’s me. という言い方もよく使われます。

? May I speak to Yuki?
ユキさんお願いできますか
.
? It’s me.
私です

他の人に取り次ぐとき

Hold on, please. I’ll get her.
少々お待ち下さい。彼女にかわります
Just a moment, please. I’ll transfer you to the person in charge.
少々お待ち下さい、担当者におつなぎします

取り次ぐ相手が不在のとき

He is out now.
彼は外出中です
She is not here right now.
彼女は今席を外しております
He is not back yet.
彼はまだ戻っておりません
I’m sorry, she is on the other line now.
すみません、いま彼女は別の電話中です

留守番電話に対応する要領

外資系や海外の会社では、社員が各自の電話番号をもっている場合があります。そのため担当者が出張やお昼休憩の時など、留守電になるシチュエーションも多くあります。

留守電にメッセージを残す場合の言い方

伝言を残すときは、氏名、用件をはっきりと簡潔に述べることを意識し、折り返し電話がほしい、メールを見てほしい等、伝言を聞いた相手にどうして欲しいのかをちゃんと伝えることが大事です。

Hello. This is Matsuda. I’m calling you to confirm the schedule of next meeting.
もしもし、松田です。次回打ち合わせのスケジュール確認のため電話差し上げました。
I’ll call you later. Thank you.
また後でかけ直します、では失礼します
Please call me back when you hear this. Bye.
これを聞いたらかけ直してください。それでは
Please give a call at xxx-xxxx.
xxx-xxxxにお電話ください
Please check the e-mail I sent to you this morning. I’ll see you this evening.
今朝送ったメールを見ておいてください。では今夜会いましょう

留守電に事前に設定しておくメッセージの言い方

海外の人から電話がかかってくることが多い場合は、英語の応答メッセージを用意しておくと相手に親切です。最近は防犯のため名前ではなく電話番号を言う人も増えています。

Hello, no one can answer the phone now.
ただ今電話に出ることができません
Sorry, we’re not at home.
ただいま留守にしております
I’m out for a business trip and not available today.
出張のため本日はおりません
I’m out for lunch and will be back by 3 p.m.
ただいまお昼休憩に出ていますが、午後3時には戻ります
Please leave your message after the tone.
ピーッと鳴ったら伝言をどうぞ
This is xxx-xxxx. Please leave your name, number and a short message after the beep.
こちらxxx-xxxxです。発信音のあとに、お名前とお電話番号、ご用件をお入れください
In case of emargency, please call at xxx-xxxx.
緊急の場合は、xxx-xxxxにお電話ください

場面別シチュエーション別の電話のかけ方

電話会議

電話会議は、挨拶とアイスブレイク(世間話)→メンバーの確認→アジェンダ(議題)の確認→会議のゴールを共有→本題→決定事項のまとめ、という大まかな進行パターンをあたまに入れておくことが大事です。

英語力に自信がない人ほど事前の準備に力を入れましょう。自分が会議の進行役のときは、通訳など英語ができる人の力を借りてレジュメを準備し、あらかじめ参加者に送っておく・想定される質問の答えを用意しキーワードとなる英語を把握しておくなど工夫することで、ぐっと有意義な会議になります。

レストラン、ホテルなどの予約の電話

海外でのレストランやホテルなどの予約の電話では、日時、人数、プランなどの希望条件をちゃんと伝えるのはもちろんですが、店側が復唱する予約内容をしっかり聞きとることが大切です。「希望通りの時間に席がとれていなかった」「予約したつもりの部屋じゃなかった」と行ってから気づいて途方にくれるなんてことのないように、電話中に再確認するようにしましょう。
海外レストランを満喫するための基礎知識と英語の定番フレーズ集

プライベートでの挨拶、お礼の電話

贈り物をしてくれた親戚や友人にすぐお礼を伝えたいときや、何か手伝ってくれた人に感謝したいとき、子どもが迷惑をかけてしまった人にすぐ謝りたいときなどには電話で気持ちを伝えます。

電話が長引いた時に適当に切り上げる伝え方

明日は朝が早いからそろそろ話を切り上げたい…というときによく使う「そろそろ寝るね」というフレーズは、英語では「I’m going to go to bed.」と言います。
日本語では「そろそろ」という言葉でニュアンスを和らげていますが、英語は直接的な表現をすることが多いため、このようなフレーズでも相手に失礼なく話を切り上げることができます。

will」よりは「be going to」のほうが自然

上記の英会話フレーズでは、「be going to」の代わりに助動詞「will」を用いることもできます。ただし、「be going to」はすでに心に決めている事柄、「will」はその場で決定した事柄について話すときに用いられることが多く、「そろそろ寝る」という事柄は、相手に伝えるときには自分の心の中ですでに決定した事柄のため「be going to」を用いるほうが自然です。

また、「will」は強い意志を表すときにも使う表現です。「I will go to bed.」と言う場合には、「絶対にもう寝るんだ」という強いニュアンスで受け取られてしまう可能性があります。

sleep」と「go to bed」の違い

「寝る」というと「sleep」を連想しがちですが、「sleep」は「眠っている」という状態を表す単語です。それに対し「go to bed」は「就寝する」という行為を表す単語のため、電話の相手に「そろそろ寝るね」と伝えるときには「go to bed」を用いるほうが適切です。ベッドに入りながら電話やメールをしている場合には、「I’m going to sleep.」と言うこともできるでしょう。

電話英会話の力をつける勉強法

電話で必要なリスニング力を強化するには、ネットラジオがおすすめです。映像無しで耳に意識を集中させて理解しようとすることで、話し手の様子や話の内容のシチュエーションを想像しながら聞き取る訓練ができます。

英語学習者向けのゆっくりとしたスピードで丁寧な発音のニュースが聞けるアメリカのVOAや、コンテンツが豊富なイギリスの有名どころBBCなど、リスニング力強化に役立つたくさんのサイトがあります。スクリプトが公開されているものも多いので、一度めは何も見ないで聞いて内容の大枠をつかむ、二度めはスクリプトを見て正確な文章を目で追いながら細部まで聞き取る、など自分にあった効果的な勉強法を試せます。


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