日本語の「おめでとう(ございます)」に当たるお祝いの言葉は、英語では場面に応じて表現を言い分ける必要があります。表現自体はどれもシンプルで、表現の使い分けも少し意識しさえすれば簡単なものです。
「おめでとう」のようなお祝い言葉を贈る場面を、英語的に区分すると、個人の記念日や人生の節目、万人共通の行事やイベント、そして門出、というように区分できそうです。
→英語で伝えるお祝いの言葉「誕生日おめでとう!」場面別・相手別メッセージ集
目次
記念日や人生の節目を祝福するなら 「Congratulations !」
Congratulations ! は卒業、入学、入社、転職、昇進、婚約、結婚など、人生の節目を祝う言葉です。
この「節目」は、努力により何事か達成した、人生が一段階進んだ、というような意味合いを多分に含みます。お誕生日のように定例・恒例で訪れる祝い事は基本的に含まれません。
congratulation はもともとは「祝い」というか「祝い事」といった意味の名詞です。相手に「おめでとう」と呼びかける間投詞的な使い方をする場合は必ず、末尾に複数形の s が付いて congratulations と表記されます。言葉を尽くすニュアンスが感じられます。
「誕生日おめでとう!」のように祝う対象を明示する場合は、前置詞 on+名詞または動名詞を添えることで表現できます。
カジュアルな場面では、congratulations を略した congrats という表現も多く使われます。親友など気さくな間柄の人に贈ってあげたい言葉です。
Congratulations on passing your test!
試験合格おめでとうございます
Congratulations on your test!
試験の件、おめでとうございます
Congrats on passing your test!
試験合格おめでとう
Congratulations on your graduation!
卒業おめでとうございます
Congratulations on getting a promotion!
昇進おめでとうございます
Congrats on your marriage!
結婚おめでとう
congratulations の語に含まれる r と l は混同しやすいので注意しましょう。R が先で L が後。つづりをイメージしながら口で覚えるようにすると書き誤りを防ぎやすくなります。
年中行事やイベントを喜び合うなら「Happy (イベント名)!」
Happy Birthday ! を典型とする「ハッピー○×!」のフレーズは、記念日を祝う定番のフレーズです。誕生日や祝日・祭日など、いわゆる「めでたい日」に用いられます。
お祝いの言葉として用いられる happy は「楽しい」「幸せな」という意味の形容詞(限定用法)です。「楽しい記念日を」という字句には、楽しい一時を過ごしてねという気持ちや、自分の幸せな気持ちを相手と共有するニュアンスも込められます。
Happy birthday!
誕生日おめでとう
Happy Holidays!
楽しい休暇を
Happy Halloween!
ハロウィーンおめでとう
Happy Easter!
イースターおめでとう
Happy belated birthday! Hope it was a great one!
遅ればせながら誕生日おめでとう、素晴らしい日だったことと思います
Happy 10th anniversary!
10周年おめでとう
I wish you a Merry Christmas and a Happy New Year.
楽しいクリスマスとよいお年を
Merry Christmas (メリークリスマス)というフレーズも、merry が「楽しい」という意味の語ですから、happy ~ と同じ意味合い・使い方の表現といえます。クリスマスはキリスト教的な行事なので、他宗教を意識すべき場面では避けて Happy Holidays! と言い換えられることが多々あります。年末年始の休暇について「良い休暇をお過ごしください」と伝えるわけです。
日本の年賀状デザインの中には「A Happy New Year」と書いているものがしばしば見られますが、これを「よいお正月を!」という意味の間投詞的なメッセージと解釈する限りにおいてはAが蛇足です。ただし文章として I wish you a Merry Christmas and a Happy New Year. のように述べる場合は、Christmas も New Year も冠詞の a が必要です。
これからの幸運を言祝ぐなら 「Best Wishes !」
相手の幸せや成功を祈る・願う意味合いを込めて贈る言葉には Best Wishes ! のフレーズが使えます。入学、卒業、出産、あるいは誕生日といった節目において、将来が幸せでありますように、明るい未来が訪れますようにと願い祈るニュアンスを込めて用いられます。「ご多幸をお祈り申し上げます」というやつです。
best wishes には現時点で成功を収めたか否かといった観点は含まれないので、ここまで失敗続きだったような人にも贈れます。ご多幸を祈るフレーズなので、転機・節目となった事柄がめでたい事なのかどうか微妙に判断しかねる場合でも無難に使えます。
Best wishes to you both on your Anniversary.
二人とも記念日おめでとう(これからもお幸せに)
Best wishes on your new career.
新しい仕事が上手くいきますように
Best wishes on your wedding.
結婚おめでとう(お幸せに)
Best wishes on your graduation.
卒業おめでとう(今後のご多幸を祈ります)
お祝いの言葉にもう一言添えよう
実際にお祝いの言葉を贈る場面では、congratulations や best wishes といった定番フレーズに加えて、自分なりの率直なお祝いの気持ちを自分の言葉で言い添えてあげたいところです。
喜びの気持ちを分かち合いつつ、事の素晴らしさを再認識したり、感動や羨みの気持ちを陳述したり、将来の成功や幸運を祈ったりしてみましょう。
Congratulations on your marriage. I’m so happy for you.
結婚おめでとう。私もとっても嬉しいよ。
Congrats on passing your test! I knew you could do it.
試験合格おめでとう!君ならできると思っていたよ。
Happy 3 years anniversary! Wishing you more happy years to come.
3年記念おめでとう!これから来る年も幸せでありますように。
Happy New Year! Hope it’s a good one for you.
あけましておめでとう!良い年になりますように。
Best wishes on your new job. You’ll be alright.
転職おめでとう。君ならうまくやれるよ。
Best wishes on your birthday. I hope you have a fruitful year.
お誕生日おめでとう。実り多き一年になりますように。
この喜ばしい瞬間に、相手と同じ「嬉しい」「楽しい」「幸せな」気持ちを共有できていること、その気持ちが伝えられればお祝いの言葉は完璧に役目を果たしたと言えるでしょう。