ひとつの言葉が含む意味の範囲・幅広さが、英語と日本語とでは大きく異なる、という表現は結構たくさんあります。たとえば「まとめる」などもその例に挙げられます。
物理的な「結束」、抽象的な「要約」、精神的な「団結」、等々、日本語の表現は複数の次元において「まとめる」の語が使えますが、英語ではそれぞれ対応する別個の表現で言い直してやる必要があります。
→英会話の中で話をまとめる「つまり」「要するに」の英語表現・フレーズ集
→英語で「以上、」と述べる場面別英語表現と使い分け方
目次
内容をまとめる(要約する)という場合
会話の内容や記述内容などを要約するという意味合いで「まとめる」と表現する場面では、英語では to sum up と summarize といった表現が使えます。
プレゼンテーションの終盤で自分の見解を凝縮させて述べる「まとめ」も、この sum が使えます。
要点をまとめます
私のプレゼンテーションを要約しますと
類義語との混同に注意
summarize とよく似た意味の単語に conclude があります。 summarize も conclude も、レポートやプレゼンテーションの終盤の「まとめ」の段階で用いられる定番の表現ですが、両者の意味するところははっきりと違います。
- summarize は「要約してまとめる」という意味
- conclude は「(ここまでの情報を踏まえて)結論を出す」という意味
summarize と conclude は、どちらか一方を選んで他方を断念するという二者択一の表現ではありません。むしろ summarize した上で conclude もするという考え方が、プレゼンやレポートにおいては重要です。
最後に要点をまとめたあと、結論を出します
細長いものをまとめる(束にする)
細長いものを束にする(まとめる)のに広く使われるのが tie~together です。特にロープやコードなどひも状の物をまとめる際は、 roll up と tie off でより適切なニュアンスを伝えることが出来ます。
バトンをまとめる
コードを束ねる
ロープを束ねる
同質のもの、人をまとめる(団体にする)
同質のものや人を集める際は bunch を、統制され秩序ある集まりを作る際は unite を使ってまとめます。
子供たちは一箇所に集まった
あの男がそれらの部隊をまとめている
bunchは名詞としても使われ、群れた状態を意味します。
ぶらぶらしている連中
荷物をまとめる(梱包する)
荷物などを包む(まとめる)、詰める際は bundle と pack を使います。特に bundle oneself up と言えば「自身を包む」から転じて、「(暖かそうに)くるまる」という意味にもなります。
一切合切をまとめた
彼女は毛布にくるまった
旅行のために服をまとめておきなさいよ
情報・資料をまとめる(リスト化・書籍化する)
情報をまとめ、資料を作成したり書籍化する際は compile を使います。その為、compile には「(書籍を)編纂する」という意味もあります。
そのテーマに関するドキュメンタリーのために、君にはデータと情報をいくらかまとめてほしいんだ
私たちは百科事典を編纂している
「まとめサイト」という場合の「まとめ」
インターネット上における、いわゆる「まとめサイト」、これを敢えて英語で言うなら curated media という表現が使えるかもしれません。
curate(キュレーション)は情報を精選して編成し直し、コンテンツとして新たな価値を生み出すといった作業を指します。日本語でも「キュレーションメディア」と呼ばれることがありますが、英語では curation media とは言いません。
英語圏では、まとめサイトのあり方(様式)指して content curation と呼ぶことは多々ありますが、そうして作られたメディアは多くの場合 social media (ソーシャルメディア)に区分して扱われています。
また、「まとめサイト」といって連想されやすい「2ちゃんねるまとめサイト」は、ほぼ日本独自のメディアのあり方であり、一般的といえる英語表現はなかなか見いだせません。一部で定着しつつある呼称はあるのかもしれませんが……
考え・アイデアをまとめる(集める)
考えやアイデアをまとめる際は、 put the thought together と bring ideas together で表現できます。散り散りになっていたそれぞれの考えやアイデアを一箇所に「置く(put)」もしくは「持ってくる(bring)」イメージです。
Give me a second. I put my thoughts together.
5分後に、私たちはアイデアをまとめなければならない
put heads together にすると「一緒に考える」という意味になります。アイデアが出ずに困っている人を助けるときは、次のように提案しましょう。
一緒に考えよう