「既読スルー」は英語でどう言う?

「既読スルー」は英語では基本的に leave on read あるいは leave on seen のような言い方で表現できます。特殊な用語というよりは普通の英語表現の部類といえるでしょう。

ちょっと発想を転換すれば、ignore the text(メッセージを無視する)、あるいは does not reply (返事をしない)といった言い方も思いつくでしょう。メッセージは読まれているけど返信が来ないという既読スルーの状況はバッチリ表現できます。

メッセンジャーアプリは世界中で利用されていますが、未読・既読・返信の迅速さなどを気にする度合いは、お国柄によって価値観の異なる部分である、という部分には留意しておきましょう。

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既読スルーは英語では leave on ~ でうまく表現できる

日本語で「既読スルー」と表現される状況を英語で述べる場合、最有力候補は leave on read または leave on seen でしょう。すなわち、leave on ~(~のままにしておく)という言い回しが表現のカギです。

read と seen はどちらも「閲覧」「目を通した」という意味で使えて、ニュアンスに応じた使い分けも特に意識しなくてよい部類でしょう。アプリによって「既読」を read と表示する場合と seen と表示する場合に分かれます。

欧米で主流といえるメッセンジャーアプリは、 iPhone にプリインストールされている「 iMessage 」とFacebook が提供している「 Messenger 」が双璧です。そして iMessage では既読を read、Messenger では seen と表記しています。

leave on read

既読スルーを英語で表現する言い方は基本的には leave on read である、と言ってしまってよいでしょう。「既読」は seen と表示されるアプリを使っていて、leave on read と表現しても趣旨が伝わらない懸念はほぼないでしょう。

read は「読む」の過去分詞形、 /red/ と読む

leave on read の read は、「読む」という意味の動詞 read の過去分詞です(read は原形も過去形・過去分詞も綴りは同一です)。

read の読み方は原形では /ríːd/ 、「リード」のような発音で読みますが、過去分詞としての read は /red/ 、「レッド」のような発音です。

leave on read の read は「過去分詞の形容詞用法」と捉えると腑に落ちやすいでしょう。read の品詞を「形容詞」として扱っている英語辞書もありますが、これは「過去分詞の形容詞用法が形容詞として定着した末の扱い」と捉えましょう。そう見なすことで、後述する leave on seen も腑に落ちやすくなります。

on は「~の状態で」というイメージ

前置詞 on は様々なニュアンスで扱われますが、leave on ~ という言い回しにおいては「~の状態で(固定されている)」というイメージで捉えるとよいでしょう。

英語の前置詞「on」の意味・用法・イメージの正しい捉え方

前置詞は名詞を先導する語であり、前置詞の後ろには必ず名詞が置かれます。on read の場合、read は形容詞(の扱い)ですが、これは being read の省略(動名詞 being が略されている)と捉えられます。

being read は名詞として「既読」に対応する表現といえます。名詞なので前置詞 on の後に置けますが、being は省略しちゃいたい単語なので省かれている次第です。

leave は「そのままに残す」イメージの語

動詞 leave は、主に「去る」「離れる」といった訳語と対応づけられますが、実際のところ「し残す」「そのままにしておく」という意味でもよく用いられる英語表現です。

手元にある案件を、対応・返答をしないままにして、他の案件に意識を移す。・・・ といったイメージで捉えると、「立ち去る」という意味合いと「そのままにしておく」という意味合いがどちらも leave で表現されることが腑に落ちるでしょう。

既読スルーした対象を目的語に取ることも可

leave は自動詞でも他動詞でも使える動詞です。目的語を挿入して leave the message on read のように述べれば「メッセージを既読の状態のまま放置する」という風に明示できます。

目的語はメッセージに限らず、たとえば「人」を目的語に置いて leave you on read のように表現する言い方もできます。ただし、目的語に「人」を置いた場合は文法的解釈がちょっとややこしくなります。

leave you on read という表現においても、文意上、実際に読まれ(read)ている対象は人ではなくメッセージです。leave you on read  は、アプリ上「既読」と表示されている状態で(相手を)放置する、という風に解釈できます。とすると、leave you on read  は leave you on being read の略というよりも leave you on “read” (「既読」の状態で君を放置する)と解釈した方が妥当という考え方に行き着きます。

まあ leave you on read という表現は多分にスラング的な言い回しですし、厳密厳格に英文法に照らしてどう捉えるべきかは断定しかねる部分ではあります。

leave on read を名詞的に扱う場合の英語表現

leave on read という表現そのものは、日本語の「既読スルー」のように、それ自体を名詞として扱うことは困難です。何せ leave は動詞です(名詞としての leave は語義が全く違います)。

名詞として扱う手っ取り早い方法は、動詞 leave を動名詞に換えて leaving someone on read という風に述べる言い方です。

「既読スルーされている」と受け身的に扱う場合の英語表現

自分が既読スルーされている、という悲哀に満ちた状況を英語で述べる場合、leave よりも leaveing よりも、 受動態 left を使った言い方が使いやすいでしょう。

たとえば I am being left on read. もしくは I have been left on read. のような言い方は端的に「既読スルーされてる」と述べる言い方として通じます。他人事も He left me on read. のように表現できます。

誰を主軸として話しているのか、またその既読スルーはどの時制で起きているのか、などの点を考慮しながら、文脈に応じて様々に活用してみましょう。

My girlfriend has been leaving me on read for a week now.
彼女から1週間も既読無視されている
If I ever sent such a sentence, it would definitely be left on read.
そんな文章を送ったら絶対に既読スルーされるわ
Leaving someone on read is so cruel.
既読スルーって本当に残酷

ignoring (a) message でも趣旨は充分に通じる

既読スルーというのはメッセージに反応(返答)しないことであり、つまり無視することです。

わざわざ「既読スルー」に対応する表現なんて探すまでもなく、「メッセージを無視する」とでも言えば趣旨は十二分に表現できるはずです。

「スルー」は英語では through とは訳しにくい

「既読スルー」という言い方における「スルー」は、英語の動詞 through を転用した言い方といってまず間違いないでしょうけど、英語の through には日本語の「スルーする」みたいな動詞の用法はありません。

つまり「スルーされた」とかいう場合の「スルー」を英語で表現する場合、through の語を念頭に置いてしまうと、適切な表現にたどり着けなくなります。

「既読スルー」のような表現における「スルー」は、 through  よりもむしろ動詞 ignore がうまく当てはまります。

ignore は「無視する」という意味の英単語です。日本語の「既読スルー」も「既読無視」と呼ばれる場合があります。

ignore には「意志を持って(意図的に)無視する」という意味合いが自ずから含まれます。つまり、ignoring (a) message のように述べると、メッセージが既読かどうかには直接言及していないものの、「あえて無視することを選んだ」という部分はバッチリ表現できるわけです。

does not reply や does not text back も「スルー」を表現できる英語表現

「返事をする」という意味の動詞に否定形を用いることでも、「スルーする」つまり「無視する」という旨は表現できます。

reply は、手紙、メール、メッセージなど全てのツールを通したやり取りにおいて「返信する」という意味で使える単語です。(相手)does not reply my message. と述べれば自分の送ったメッセージに相手が返信をくれていない、つまりスルーされているという主旨が伝わります。

メッセージアプリのような手軽なやりとりに限って使える text back というフレーズもあります。text はいわゆる携帯電話から送信するタイプのメッセージ全般に関して幅広く使える単語です。Eメールなどとは区別されます。

(相手)does not text me back と述べれば、日本で言うところの「ラインの返信がない」という状態に近いものを表すことができます。

reply も text back も、既読かどうかには全く言及していません。ただのスルーではなく既読スルーであると表現したい場合は、補足的に説明する必要があります。

I know she has seen my message, but she hasn’t texted me back.
俺のメッセージ見たはずなのに、まだ返信くれないんだ

「未読スルー」は leave on delivered と表せる

iMessageでは、トークを開けるまでは相手のデバイスに delivered(送信済み)という表示がされます。これを受けて「未読スルー」は leave on “delivered” と呼ばれているようです。

ただし近年は、既読を意味する read を相手のデバイスに表示させるかどうかを選べる機能があり、この機能を使用している人は既読した後でも delivered 表示のままだそうです。

does not open でも「未読スルー」は表現できる

「メッセージを開ける」という行為は「メッセージを読む」「既読を付ける」という行為とほぼ同じだと言えます。この「開ける」を意味する open を使っても未読・既読を表すことはできます。

He hasn’t opened my message. と言えば「彼がメッセージを開けてくれない」つまり「彼に未読スルーされている」という状態が伝えられるというわけです。

Messenger では、そのアカウントが現在アプリ上にいるかどうかが他人のデバイスに表示されます。相手がオンラインなのに自分のメッセージが開かれないという場合、いま自分は未読無視をされているのだということがはっきりわかってしまいます。

He doesn’t open my message though he’s online. I’m crying.
彼オンラインなのに私のメッセージを開けてくれない 泣きそう

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