「そもそも」は英語でどう言う?

日本語の「そもそも」という表現は、おおむね「話題の原点に立ち返る」と言う意味合いで用いられます。英語では in the first place がおおむね似た意味合いで用いられます。

文脈によっては anyway あるいは originally のような語が適切にニュアンスを表現できる場合もあります。

日本語の訳語を探すのではなく、英語の語彙を直接選ぶような考え方を身につけましょう。それが表現の究極的なコツです。

「そもそもこんな事に手を出すべきじゃなかったんだ」「そもそも期待してなかったから大丈夫」というような文脈で用いられる「そもそも」は、「はじめから」「はなから」あるいは「第一に」という風に言い換えられます。そう考えると適切な訳語が見つけやすくなります。

in the first place

in the first place は日本語の「そもそも」のニュアンスに近い英語表現として、幅広く使えます。

直訳するならば「最初の段階で」といった意味合いで、この「最初の段階」が日本語の「そもそも」の持つ「元々の」「元来の」といった意味に通じます。

後悔を表現するニュアンスで

起きてしまったことを責めたり後悔したりするような場面で使われる「そもそも」には in the first place が適しています。

そもそもあのときああしたからこうなったんだ、初めにこうしていればよかったのに、といった文脈で使われることが多い表現です。

I shouldn’t have started this in the first place.
そもそもこんなこと始めるんじゃなかった
If you hadn’t done such a thing in the first place, none of this would have happened!
そもそも君があんなことさえしなければ、こんなことにはならなかったのに!

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議論の始点に立ち返るニュアンスで

in the first place は、複雑な問題を一歩下がって考えようと事の発端に言及するような場面でも使えます。

Why did such a mess happen in the first place?
そもそもどうしてこんな面倒なことになったの?

言い方によっては first の1語だけでも同じ趣旨が表現できます。

Who said it first?
そもそも誰がそう言ったの?

to begin with

to begin with は、主に文頭に置かれ「はじめに」「まず第一に」といった意味で用いられます。 first of all などと同様の使い方です。

いくつもの事象をひとつずつ説明する場合や、物事を順序立てて説明する場合などに用いるフレーズですが、特に後者の場合「そもそも」の意味合いを持つと言えるでしょう。

出来事の一番初めについて言及する際の「そもそも」に適した表現です。

To begin with, our company was established in this region.
そもそも、わが社はこの地域で誕生しました

from the beginning

from the beginning は「最初から」「はじめっから」「はなから」といったニュアンスで、最初だけでなくその時から今までずっと継続しているようなものを対象に用いられます。

very や right などを付けて強調することもできます。また「最初」を詳しく説明し、「初めて~したときから」のように言い換えることもできます。

I told you not to, because I knew this was coming from the very beginning.
そもそも反対したじゃないか、こうなるってわかっていたから
We had a good impression toward each other, right from the moment we first met.
そもそも、初めて会った時から互いに好印象を持っていました

anyway

anyway は文頭では「とにかく」という意味で使われることが多くありますが、文末に置かれた場合は「そもそも」を意味します。

諦観の表明として

anyway は「とにかく」「なんにしても」と話を仕切りなおすようなフレーズとして使われますが、これは言い換えれば「何がどうなってもこの結果になる=結果は一緒」という意味にもなります。

そんな何をしても変わらない場面で多用される anyway は逆に言えば、「どうなったところで」「どっちみち」「どうせ」というあきらめのニュアンスを持つ言葉だとも言えます。

「あきらめ」というとネガティブに聞こえますが、意外とポジティブな場面において皮肉交じりに使われたりもします。

It’s fine. I was never gonna be able to win anyway.
そもそも勝てるわけなかったんだから、いいのよ(挑戦してもしなくても負けていただろう場面)
I’m in. I have nothing to lose anyway.
協力するよ、そもそも失うものがあるわけじゃないし(リスクのある計画に賛同する場面)

いわゆる「そもそも論」の意味合いで

anyway の「難しい事情はいったんさておき」といったニュアンスは、「そもそも」の「一度始めに立ち返って」というニュアンスと共通します。

よって難しい問題や答えのない問いについて考える際にいったん思考回路の初めに戻ってみよう、テーマを整理してみよう、というような場面で anyway がよく使われます。

? Do you love him?
彼のこと愛してるの?
? Well…, What is love anyway?
んー、そもそも愛って何よ?

original

original は「元々の」「元来は」といった意味の形容詞であり、それ以上の含みはありません。後悔やあきらめのようなニュアンスも含まれず、「そもそも」がそもそも持っている意味に最も近い単語であると言えます。

また副詞 originally でも原形、元の姿、起源といった意味を表すことができます。

What was the original plan like?
そもそもはどんな計画だったのだ
This product was originally made for this project.
この製品はそもそもこのプロジェクトのために作られた



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