日本語の「実家」に対応する英語表現としては parents’ house または parents’ home のような言い方が挙げられます。「親が住んでいる家」というニュアンスを中心とする言い方です。
基本的には「親」といえば父母・両親が念頭に置かれるため、 parent(親)は複数形で parents と表現されます。複数形の s が付いた語にさらに所有格の ‘s を加えることになるので、アポストロフィ( ‘ )のみ表記する形が取られます。
実家は parents’ house と parents’ homeで
parents’ house と parents’ home 、どちらの表現でも「実家」に対応するわけですが、house と home のどちらの語を使うかによってニュアンスは微妙に違ってきます。
house も home も、日本語の「家」に対応する基礎的な語です。
ただし、house は建物(住宅)に焦点を当てる語。家は家でも「家屋」に該当する語といえます。
対して home は「慣れ親しんだ場所」という抽象的なものを指す言い方です。home は「家庭」に対応する語と言えるでしょう。
厳格な言い分けはそれほど必要ない
house と home は文脈に応じて使い分けられます。とはいえ、実際はどちらで表現しても問題ない場合が多く、どちらで表現してもそうそう誤解も違和感も生じません。
実家は大阪にあります
正月は実家でごろごろしていました
もし「実家は暖かい」と述べるような場面があれば、体が温まる(暖房システムの整った)家屋なのか、心が温まる(ホッとする居心地のよい)家庭なのか、言い分けを意識した方がよいかもしれません。
「生家」のニュアンスを出すには
「実家」の語は往々にして「自分が生まれた家」、つまり「生家」という意味で用いられます。
生家も parents’ house あるいは parents’ home と表現してしまえます。
「自分が生まれた家」という部分を明瞭に伝えるなら、関係詞を使って the house where I was born あるいは the house in which he was born のように表現できます。
- the house where I was born
- the house in which he was born
- the house I grew up
文脈によっては hometown (故郷)と表現する
文脈によっては、「実家」は必ずしも「親元」という意味合いではなく、単に「地元」あるいは「故郷」「郷里」という程度の意味合いである場合も少なからずあります。
「地元」のニュアンスを念頭において表現する場合には、hometown の語がぴったりでしょう。home city とも表現できます。
夏休みは実家に帰って昔の友達と一緒に遊んだんだ
単に home と表現してもよい
実家に帰る → 郷里に戻る、という程度の文脈なら、I will go back home. のように表現してしまえます。
home 自体に「郷里(に)」「故郷(に)」という意味合いがあります。
ただし、この home は名詞でなく副詞として扱われている点に注意しましょう。
「go home」「go to home」「go to house」はどれが正しい?
出自・身元はもっと柔軟に表現を変える
人の経歴や身の上について「実家は~です」のように述べる場合は、「実家」を parents’ house のように表現せず、もっと大胆に文章を再構成した方がうまく表現できます。
- 実家の所在地に言及する文は、実は「自身の出身地」について述べている。
- 実家の家業に言及する文は、実は「自分の出自・経歴」について述べている。
I was born in Saitama.
He is from a farmer family.
His parents run a store.
He is a man of high birth.
Which country were you born in?
Where’s your home?
日本語文章にとらわれず、文章内容に合わせて表現を組み替えられるようになりましょう。これは英語で英語を考えるよい練習になります。