「修羅の国」は英語でどう言う?

「修羅の国」は、そのまま英語に翻訳して通じる種類の表現ではありません。まずは言葉の趣旨(「修羅の国」という表現で何を言わんとするのか)を把握し、その上で自分の言葉を紡ぐ必要があります。

単に「治安が悪い(街)」という意味を示したいなら、素朴に dangerous (危険な)とでも表現すれば事足りるでしょう。あえて「悪鬼羅刹の跋扈する世界」のような詩的な情趣を込めて the city of demons(鬼の街)のように表現する手もアリかもしれません。―― 意味合いが語弊なく伝わる確証は得られませんが。

「修羅の国」を英語で表現する案

元ネタ準拠の直訳なら the land of demons

「修羅の国」という言い回しの直接の元ネタはマンガ「北斗の拳」に登場する地域の呼び名です。さらにその元ネタとして仏教における修羅(阿修羅)の名が挙げられます。

「修羅」は demon と訳されることが多い

「修羅」は阿修羅(Asura)の略。阿修羅は元々は古代インドにおける神格です。仏教に習合されて仏法と共に日本へ伝わっています。

西欧文化圏においては、仏教の端役に過ぎない Asura が広く知られているとはいえません。

特に「阿修羅」という固有名は必要なく、ただ「鬼神のような存在」という意味を伝えられれば十分という場合、たいてい demon が訳語として充てられます。demon は鬼神・悪鬼・悪魔といった意味の語です。

「北斗の拳」の「修羅の国」の訳し方

「修羅の国」という表現の直接の元ネタはマンガ・アニメ作品「北斗の拳」の終盤に登場する戦闘力本位の国家の呼び名です。

「お前はもう死んでいる」は英語でどう言う?

「修羅の国」が西欧の原語に訳されている例として、とりあえず海外版ウィキペディアを見てみましょう。

英語版 Wikipedia の「Fist of the North Star(※「北斗の拳」)の項目では、「修羅の国」を Kingdom of Shura と表現している例が見つかります。つまり《固有名+補足説明》の形式です。

However, Rin is taken captive by the remnant of Jakoh’s forces and is sent off to the mysterious Kingdom of Shura, a brutal land of warriors ruled by three overlords who have all mastered the ways of Hokuto Ryūken, […]
しかしリンはジャコウ軍の残党により拉致され、謎に包まれた修羅の国へ――北斗琉拳を極めた3人の大君主が支配する冷酷無情な戦士の国へと流されたのであった
―― Wikipedia

イタリア語版 Wikipedia の「Kaio (personaggio)」の項目では、「terra dei demoni」という記述が見られます。これは英語の land of demons に相当する表現です。ザックリした無難な意訳といった趣です。

Kaio nacque nella terra dei demoni, fratello maggiore di Raoul, […]
(※下記はGoogle翻訳を用いて英語に機械翻訳した結果)
Kaio was born in the land of demons, elder brother of Raoul, Toki and Sayaka:
カイオウは修羅の国の生まれであり、ラオウ、トキ、サヤカの長兄であった
――  Wikipedia

View of destruction city with fires and explosion over dramatic sky background

スラングとしての「修羅の国」は例えば dangerous city

インターネットスラングとしての「修羅の国」は、基本的には、「(日本とは思えないくらい)治安がアレな街」というステレオタイプを込めた福岡県の異名(仇名)です。

dangerous city

単に「危ない」「物騒な」「治安が悪い」「身の危険と隣り合わせ」という意味合いを表現するなら、dangerous だけでもひとまず事足りるでしょう。dangerous city とでもいえば「物騒な街」という意味が伝わります。

city of violence

violence (暴力)の語を使って city of violence のように表現すれば、「暴力が支配する街」のようなニュアンスがより伝わる言い方にできるでしょう。

日本語で日本人を相手にネットスラングとして用いている限りは「修羅の国」も冗談半分の愛されニックネームという前提が半ば自明といえますが、そのような前提知識を共有していない外国の人に真顔で Fukuoka ~ the city of violence ~ と伝えた場合、相手がどのように受け取るか、ちゃんと冗談として伝わるか、その辺はよくよく考える必要があるでしょう。




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