「胸が大きい」と表現する英語の言い方は色々あります。いちばん基本的な叙述は She has big breasts. でしょう。She’s busty. というような表現の仕方もあります。
公の英会話の場で「胸が大きい」と述べる機会はまず訪れないでしょうし、もし機会があっても言及は避けた方が無難です。それに大きさの問題じゃない。全てのおっぱいに貴賤なし。
ここまで読んだ貴方は既に She has big breasts. というフレーズが心に刻まれ、そして「身体的な特徴を備えているという旨は動詞 have で表現できる」ということもスッと理解できていることでしょう。これぞ下ネタの力。
英語で表現する「おっぱい」「お尻」ちょっとエッチな英語スラング
英語の「基礎的な語彙でエッチな意味を表現する」隠語的スラング表現
英語でどう言う?「エロ本」「いかがわしい本」
目次
「胸が大きい」と英語で表現する基本的な言い方
さらに少し深掘りしてみましょう。あくまでも for science(学問のために)。
She has big breasts.
「胸が大きい」という趣旨を述べる表現としては She has big breasts. が最も基本的な叙述といえるでしょう。
もうちょっと卑俗な感じにするなら She has big boobs. と述べても良いかも知れません。
主語は女性(she)、と前提してしまってよいでしょう。
breasts は「胸」に対応する語で、他にも多種多様な言い方がありますが、いずれにしてもオッパイを指す文脈では複数形を用いると前提してしまってよいでしょう。
動詞は have が基本
この She has big breasts. という叙述の根幹は動詞 have の使い方といえるかもしれません。
動詞 have はここでは「手に持つ」という動作(行為)ではなく「特徴を備えている」という意味合いで用いられています。
have は動作(行為)に限らず、《所有》に関する幅広く多分に抽象的なイメージで用いられます。《具有》《保有》《所持》《付帯》《包含》および《表出》《罹患》《獲得》《摂取》《経験》《開催》等々、とうてい説明しきれないほど広範なニュアンスが含まれます。
もし「胸が大きくなった」という変化・変容の趣旨を表現するなら、get のような動詞も選択肢に入ってくるでしょう。
名詞は breast をはじめ色々な言い方がある
日本語の「胸」(もしくは「乳」「乳房」「おっぱい」「パイオツ」等々)に対応する英語表現は、スラングや比喩的表現も含めれば、それこそ無数にあります。
ややマジメ寄りの語
比較的マジメな文脈で用いられる語彙としては、 breast や bosom あるいは chest などの語が挙げられます。いずれも訳語としては基本的に「胸」「胸部」のような語に対応づけられる語彙です。
chest はどちらかというと「乳房」というよりは「胸部」、呼吸器系を含めた胸の部分という意味合いで用いられることの多い語です。ただし big-chested のような表現が「巨乳」の意味で用いられていることはままあります。
なお、breast や chest は男性の胸部や胸板を指す語としても用いられます。大胸筋を鍛えまくったメンズの胸元を big-chest あるいは big-chested と形容する場合も決して少なくありません。
やや不マジメ寄りの語
より下世話な文脈で「おっぱい」の意味で用いられるスラング系の語彙としては boob(s)、tit(s)、bazonga(s)、cheb(s) といった語が挙げられます。
boobs はオッパイを指すスラングとしてよく使われている表現です。特に「乳房」に焦点を当てたニュアンスが色濃い語彙といえます。(太った人の背中・肩甲骨まわりの余剰な贅肉が乳房のように垂れ下がったり谷間を作ったりしている姿を俗に backboobs といいます)
tits は多分に「乳首」へと意識が向いているニュアンスがあります。ツンとした語感。
bazongas は乳の中でもとりわけ「巨乳」を前提としている趣の濃厚な語です。
chebs にはもっぱら巨乳爆乳を指す趣があります。貧乳微乳について言及する文脈では基本的に中々お目にかかりません。
形容詞も big をはじめ色々な言い方がある
胸を「大きい」と形容する表現は基本的には big で事足りますが、large と形容あるいは giant と形容しても無難に意味が通ります。
やや熟語めいた表現としては full breasts(豊乳)という言い方があります。たわわな感じのある表現。
さらに well-rounded breasts(丸々とした豊満な乳房)、well-developed breasts(豊かに発育した乳房)、ample bosom(豊かな胸)といった言い方もあります。
ample は「充分に余裕のある」という意味合いの形容詞で、ample funds(充分に余裕ある資産)という風に色々な言い方に用いられます。ample の動詞形が amplify で「増幅」というような意味になります。
欧米のセクシーモデルの中には、それこそスイカみたいな豊満なボインの持ち主もいます。
Her breasts are big.
Her breasts are big. という風に be動詞を取るSVC型の文型で叙述する方法もあります。「彼女の胸 – は – 大きい – です」という日本語の直訳のような言い方ですが充分に英語として成立します。
乳房は2つあるものという前提があるので、主語は breasts にしろ boobs にしろ複数形が基本、そして動詞(be動詞)は are が基本です。
形容詞 big は large をはじめとする形容詞(叙述用法)に置き換えられます。beautiful (美しい)と形容すれば美乳の意味合いが表現できるでしょう。fantastic(すばらしい)なんて言うとサイズとは限らず肌艶あるいは感触・揉み心地の評価かと思われそうな感もありますが。
She is busty.
英語には busty という形容詞があり、これは端的に「胸が大きい」という意味合いを示します。「ボイン」みたいなニュアンスでしょうか。
busty を用いると 人(she)を主語に置きつつ be動詞を使ったSVC型の文型で表現できます。
She is big-breasted.
breast は基本的には名詞として扱われますが、その動詞の過去分詞のような語形で – breasted という形を取り「~のような胸」と述べる場合がままあります。
– breasted は必ずしも乳房を形容するとは限らず、むしろ double-breasted jacket (ダブルのジャケット)というような言い方でしばしば用いられます。「胸がそういう仕様になっている」くらいの意味合いと捉えてよいでしょう。
Nice breasts.
ちょっと観点を変えて She has nice breasts. 、略して Nice breasts.、のように表現する手も大いにアリでしょう。
nice breasts は「いい乳」くらいの意味ではありますが、男の煩悩に照らすとコレは十中八九~十くらいまで大きい胸を念頭に置いた発言といえます。もちろん大きさ以外の審美的要素を十分に満たしているオッパイが対象です。
「胸が小さい」と表現する言い方
「胸が大きい」と表現する言い方が分かれば、逆に「胸が小さい」と述べる言い方も大体察しがつくでしょう。
big を small とかに置き換えたら大体OK
ここまで見てきた「胸が大きい」という意味の叙述、たとえば She has big breasts. の「大きい」という趣旨の形容、これを「小さい」という意味の語に置き換えてしまえば、何の問題もなく「胸が小さい」という趣旨が表現できてしまえます。まあ当然ですが。
- She has small breasts.
- her breasts are small.
- She is small-breasted.
busty は単語それ自体が「豊乳」の意味を示す語なので例外扱いです。
little に置き換えてもOK
big が large や giant とも言い換えられたように、small も little あるいは tiny などの語彙に置き換え可能です。
flat(ぺたんこ)とも形容し得る
小さい胸は「平板」という意味合いで flat と形容される場合もあります。
巨乳豊乳について述べる場合は big-breasted という所を、微乳貧乳について述べる場合はどうも flat-chested と表現される場合が多いよいうです。胸は胸だが「乳房」のニュアンスの希薄な語彙に寄るという悲哀。
Girls. Skinny or large, short or tall, flat-chested or big-breasted,white or black, young or old..You're beautiful. No one can change that.
— I Think That Way (@lThinkWay) 2018年4月20日
「3人の中で一番おっぱいの大きい女」は英語でどう言う?
「おっぱいが大きい」という言い回しが用いられている事例として、例のコピペを連想した人もいる筈。
例のコピペというのは、ウェブ上に海外ジョーク集の1例として流布している話です。
そこで彼は3人に5000ドルずつ渡し彼女らがその金をどう使うか見ることにした。
一人目の女は、高価な服と高級な化粧品を買い、最高の美容院に行き自分を完璧に見せるためにその金を全て使って こう言った。
「私はあなたをとても愛しているの。だから、あなたが町で一番の美人を妻に持っているとみんなに思ってほしいのよ」
二人目の女は、夫になるかも知れないその男のために新しいスーツやシャツ、車の整備用品を買って、残らず使いきる と、こう言った。
「私にとってはあなたが一番大切な人なの。だからお金は全部あなたのために使ったわ」
最後の女は、5000ドルを利殖に回し、倍にして男に返した。
「私はあなたをとても愛しているわ。 お金は、私が浪費をしない、
賢い女であることをあなたに分かってもらえるように使ったのよ」男は考え、3人の中で一番おっぱいの大きい女を妻にした。
この話の出所(オリジナル)は定かでなく、出典の特定はおそらく困難でしょうけど、少なくとも「海外ジョーク」ネタであり日本語よりも英語版の方が先行していることは確実です。
英語では the one with the largest breasts と表現されている
たどり得る例のひとつは 2010年に掲示板 reddit に投稿された「A man is dating three women…」というレス。
そして、Google Books によれば、これ↑と同じ内容が2005年に刊行されたフレデリック・アロイシャス( Frederick Alloysius)の著書「The Indian Salesman and Other Jokes」に収録されていることまでは突き止められます。題名は「The Test」。
A man is dating three women and wants to decide which to marry. He decides to give them a test. He gives each woman a present of $5000 and watches to see what she does with the money.The first does a total make-over. She goes to a fancy beauty salon, gets her hair done, new make up and buys several new outfits and dresses up very nicely for the man. She tells him that she has done this to be more attractive for him because she loves him so much. The man was impressed.
The second goes shopping to buy the man gifts. She gets him a new set of golf clubs, some new gizmos for his computer, and some expensive clothes. As she presents these gifts, she tells him that she has spent all the money on him because she loves him so much. Again, the man is impressed.
The third invests the money in the stock market. She earns several times the $5000. She gives him back his $5000 and reinvests the remainder in a joint account. She tells him that she wants to save for their future because she loves him so much. Obviously, the man was impressed.
The man thought for a long time about what each woman had done with the money, and then he married the one with the largest breasts.
よほど紙幅を割きましたが、言いたかった事としては、「3人の中で一番おっぱいの大きい女を妻にした」は英語では married the one with the largest breasts という表現で記述されているという事です。
ついでに名著「おっぱいの科学」の原題も「Breasts」
おっぱい関連ではアメリカ人ジャーナリストのフローレンス・ウィリアムズ(Florence Williams)が2013年に世に出した処女作「Breasts: A Natural and Unnatural History」(邦題「おっぱいの科学」)も思い出されます。思い出されるんです。
breasts という言葉は硬くもあり柔らかくもあり(複数形になったら柔らかくなるのか?)、乳房とも「おっぱい」とも訳し得る、という感じの語彙であることが分かります。
公の場で言及するような表現ではないということはお忘れなく
女性の胸のサイズなんて事項には公の場では当然ながら大っぴらに言及できるような話題ではありません。
どうしてもと言うなら、せめて beautiful(美しい)とか curvy(曲線美が官能的)くらいの言い方に留めておきましょう。
とはいえ、男の性として巨乳に惹かれる傾向そのものは、洋の東西を問わず。表現を知っておいて損するということもないでしょう。