海外のいわゆるトレンディードラマは、現地の日常生活や日常表現が学べる恰好の教材です。世相や社会的・文化的背景と共に、どんなセリフがどんな風に使われるのか、具体的に学べます。教科書には出てこないスラング、こなれた表現、気の利いた言い回し、ちょっと汚い罵り文句なども多数ちりばめられています。
耳慣れない言い回しで、日本語に訳して解釈する言い方ではなかなか理解が捗らないような表現も、海外ドラマにはたくさん出てきます。初めのうちは少し手荒な教師かもしれませんが、表現を少しずつ覚えてネイティブ感覚に近づいていきましょう。
言えるとかっこいいフレーズの例
You’re so mean.
本当に意地悪ね
「mean」は動詞で「~を意味する」という用法で使われているのはよく知られていますが、形容詞の用法で、特に人に対して使う際は「卑屈な」、「下品な」という意味で使われます。
You’re sick.
最低だな
sick = 病気 、という理解だと「あなたは病気です」のようになってしまいますが、sick には「胸焼けするような(むかつきを覚える)」というような意味合いもあります。それで、場面によっては「君は最低だね」のような意味が出てきます。
What do you have in mind?
どうするつもり?
このフレーズはジャンルを問わず、多くのドラマや映画で使われる表現の一つです。直訳すると「頭の中に何がある」という訳になり不自然になりますが、意味するところは「What are you going to do?」と同じです。
What do you say?
どう思う?
このフレーズも頻繁に使われる表現の一つです。主に相手に返事や意見を求める時に使われます。「What do you think?」よりもカジュアルな表現で、特に米国で多く用いられます。
I’m feeling nauseous.
うんざりするわ。
日本語に直訳すると「吐き気がするよ」という意味ですが、比喩的表現として「もうウンザリしている」という意味合いでもよく用いられます。
「吐き気がする」という意味では feel nauseous の他に feel like vomiting のような表現が使われることもあります。
I’m allergic to~
~が嫌いなの
「be allergic to~」は「~に対してアレルギーがある」という意味ですが、必ずしも医学的なアレルギー疾患を指すばかりではなく、嫌悪感を持っているという意味合いの比喩的表現として用いられます。日本語の感覚と同様です。
ちなみに、カタカナ語の「アレルギー」はドイツ語の発音に依拠した表記です。英語の allergy の発音は /alərjē/ で、「アラジー」に近い発音です。
I’ve got a shot.
やったね
文字通りには「注射を打ってもらった」というような意味の言い回しです。これがカジュアルな表現としては何かの好機をモノにしたような場合のフレーズとして使われます。
You can’t ever help it.
仕方ないことね
文字通りに訳すると「あなたはそれを助けることすらできない」といった風になりますが、これは「仕方ない」「しょうがない」というニュアンスで用いられる定番の慣用表現です。
同種の表現に It can’t be helped. があります。
I couldn’t have said it better myself.
そう、まさにそれ
「それ以上にうまく言い表す方法が思いつかない」と述べることで「まさしくその通り」と表現する言い方です。
しばしば「I」や「myself」が省略されます。
My point exactly.
まさにそうなんだよ
相手への同意を表す表現。That’s my point exactly. を省略した言い方です。point はここでは論点・趣旨・主眼といった意味合いです。
You got a minite?
ちょっといいかな
「いま時間ある?」と気軽に訪ねる言い方。 Have you got a minute ? を略したフレーズです。さらに略して Got a minute? と言う場合もあります。
You got a sec? とも言います。
Would you excuse me?
ちょっと失礼しますね
会話や食事の最中、その場を離れる際に使われる表現です。一時的に離席する場合にも、完全に退席する場合にも使えます。
「ちょっと通してもらえますか」といって通り抜ける場合や、「ひとりにしてくれませんか」と断りを入れる場合などにも用いられます。
おすすめ海外ドラマは
オススメ度の高いドラマ作品を敢えて挙げるなら、「Gossip Girl」「Glee」「The O.C.」などがよいもしれません。3作品ともアメリカで2000年代に放送されたテレビドラマで、いずれも放送当時ティーンを中心に絶大な人気を博した作品です。日本でも少なからず注目を集めました。
ドラマ作品はあくまでも気楽に視聴するエンタメですから、使用される表現・言い回しはどれも気さくな(堅苦しくない)単文が中心です。しかし他方ネ イティブ感覚でステキと思えるようなこなれた表現でもあるわけで、ニュアンスも捉えにくく、日本語に訳して解釈しようとしてもうまくいかない場合が多々あ ります。
海外ドラマを原語で一通り鑑賞できるようになると、日常会話を中心とする英語の学習能率は飛躍的に向上します。しかも楽しみながら。