英文において「笑い」を示す表現方法の代表的な書き方として「lol」が挙げられますが、この頃では英語ネイティブスピーカーは「lol」をあんまり使用せず、むしろ他の表現を用いる傾向があるらしいという調査結果が報告されています。
報告者はSNS最大手Facebook、2015年8月の情報です(「The Not-So-Universal Language of Laughter」)。
日本語で同種の表現といえば(笑)が代表的といえるでしょうか。でも今どき(笑)はチョット古くさいと感じる方も多いはず。ネットに親しい若い男子なら草ww でしょうと。女子なら(≧∇≦)とかでしょうと。しかしながら、(笑)も全く使われないわけではありません。
その辺の日本語の感覚と対比しつつ、改めてデータを見てみましょう。
英語で「lol」はもやは使われていないらしい
「lol」を使う人はネイティブの1.9%
Facebookの調査によると、Facebook の投稿上でネイティブが一番多く使っていたのは、「haha」で全体の51.4%を占めるという結果でした(※hahahaha をはじめとする表記の揺れも含みます)。
次いで多かった表現が「emoji」で、33.7%(※13種類の絵文字の総計)。その次が「hehe」で13.1%、そして4番手にやっと登場する「lol」は1.9%という結果に。
emoji は下記13種類。
「haha」はかなり柔軟にニュアンスが表現できる
最もデータの多かった「haha」は他の表現に比べて自由度の高い表現です。文末だけでなく文頭でもよく使われます。そして ha を多く重ねることで笑いの度合いを増した表現が可能です。
来たくないんだと思ってた(笑)
www それはすごい
haha は男性が好んで使うようです。
emoji はかなり繊細なニュアンスが表現できる
絵文字は単純な「笑い」に収まらない、名状しがたい種類のこまやかな感情を表現できます。特に涙を流して笑う様子を示す「Face with Tears of Joy」は 2015年版 Oxford Dictionaries Word of the Year に選ばれる人気ぶりです。
あ、それやるの忘れてた(><)
キミほんと面白い (ノ∇≦*)
emoji はやはり女子に人気です。
英語の「lol」は死語というわけではない
地域によっては比較的使われる
笑いの表現は地域によっても傾向に差が見られます。
Facebookの調査では、「haha」や「hehe」はアメリカ西岸で好まれ、「lol」は南部で好まれる傾向にあるというデータも出ています。
年代にもよる
年齢別の分析によれば、若い人ほど haha を好んで用い、hehe や lol は相対的に使用者の平均年齢が高いという結果になっています。
日本語の(笑)と同じ「ひと昔前のネット世代の表現」のような雰囲気がじわじわ伝わってきます。地域差を示すデータも、アメリカ北部の海岸沿いの人たちほど流行に敏感という見方もできそうです。
表現の幅という点で lol は微妙に不利
当調査の haha には hahaha や haahhhaa のような表現も含まれています。haha の4文字だけでなく、豊富なバリエーションが包含されています。
emoji も13種の絵文字がひとつの emoji として扱われています。
lol にも lolz や loll のような表現が含まれますが、haha ほど自由度の高い表現ではないため、パターンは乏しくなりがちです。この点も数の少なさを考えるにあたって留意しておいた方がよさそうです。
媒体の特色が微妙に含まれる可能性もある?
Facebook の調査は、もっぱらFacebook 上の投稿およびコメントを対象としています(“de-identified posts and comments posted on Facebook in the last week of May with at least one string of characters matching laughter”)。
Facebook は老若男女を問わず利用されている巨大SNSですが、それでも積極的に利用している中心的ユーザーは新しいもの好きの若い世代といえます。その意味では、イマドキの世代が haha を多く使われているという傾向は、比較的顕著に表れていると考えるべきかも知れません。
出典:Facebook(2015年8月6日) “The Not-So-Universal Language of Laughter”