日本を訪れる外国人旅行者の中には、意外と流暢に日本語を使いこなす「きっての日本通」の方も多くいます。他方、声をかけるフレーズとして「すみません」くらいは知っているけれど、特に日本語が話せるわけではないという方だって多くいます。
外国人旅行客と話す機会があれば「日本語は話せますか?」のように尋ねる場面もあるでしょう。でも、その尋ね方には注意が必要です。
「日本語は話せますか」にあたる英語のフレーズとして「Can you speak Japanese?」が思い浮かんだ方。あなたは上から目線の物言いだなぁと思われてしまっているかもしれません。
「君にその力があるのか?」と聞いてることになる
「can」は素朴に訳せば「できる」に相当する語ですが、この can は「能力」について問う助動詞です。言語について「Can you speak Japanese?」のように尋ねた場合、「君には日本語を話せるだけの能力が備わっているかい?」というニュアンスで聞こえてしまう可能性があるのです。
「can」には身体的な能力を示す意味合いもあります。たとえば、赤ちゃんが言葉を話せるようになったよ!という場面は「can」で表現されます。これはこれでまた失礼なニュアンスになるのはお察しの通り。
「言語を話す」ことは習慣の一部
英語では、「言語を話す」ことは、できる・できないという尺度ではなく、「話す習慣を持っているかどうか」という尺度で捉える考え方をします。和訳するなら「日本語を話せますか」ではなく「日本語を話しますか」と訳した方が感覚的には近いでしょう。
日本語を話すか否かを尋ねるフレーズとしては do を使って「Do you speak Japanese?」と言う尋ね方が自然です。これは「自分は話せません」と言う場合も同様です。
Do you speak Japanese?(日本語は話しますか?)
I don’t speak English very well.(英語はあまり上手に話せません)
「英語を話せます」という場合、その言語について知っている(知識がある)という意味で「I know English.」と言うこともできます。
ぜひ積極的に話しかけてあげて!
現地の言葉に接し、現地の人々とコミュニケーションを取る、という経験は海外旅行における醍醐味のひとつといえます。日本人は全体的に「親切だけど無口」と見られています。多くの人は話しかけてもらえれば嬉しいものです。