「痛い」と伝える表現は、健康に関わる重要な表現ですから、しっかりと伝達できるようになっておきたいものです。
英語にも「痛さ」を形容する表現が複数あり、基本的には何がどんな風に痛むのかによって使い分けられます。瞬間的ですぐ引く痛みもあれば、ずっと長びく痛みもあります。
目次
「pain」は幅広く使える汎用的表現
いわゆる「痛み」を示す最も基本的で一般的な 語が pain です。pain は名詞または動詞、「痛い」と形容するなら painful 。
pain は痛みの程度や種類にかかわらず、幅広く使えます。身体的な痛みだけでなく、精神的な痛み(心痛や苦悩)を指すこともできます。
漠然とした「痛み」は不可算名詞として扱います。局所の具体的な痛みを指す場合には可算名詞として扱い a pain のように表現します。
- chronic pain
慢性的な痛み - acute pain
激痛 - dull pain
鈍痛
ちなみに「陣痛」は labor pain といいます。
例文
My back pains.
背中が痛い
I have a pain in the shoulder.
肩が痛む
That gave her a great deal of pain.
それが彼女の心を大変苦しめた
He managed it without great pains.
彼はそれをあまり苦労せずやってのけた
You’re a pain!
いやな人だねえ
人に対して「You’re a pain!」という言い方は、「厄介者」「悩みの種」「ウンザリするヤツ」という侮蔑のニュアンスを含む俗な表現です。
「ache」は体内の持続性のある痛み
ache (発音は/éɪk/) は体の内側に起こる、継続する痛み、断続的な鈍い痛みを指します。
ache は基本的に「痛む」という意味をとる動詞ですが、身体の部位を指す語と結合して headache や stomachache のように表現されると名詞になります。
- headache
頭痛 - stomachache
腹痛 - backache
腰痛 - muscleache
筋肉痛 - toothache
歯痛
ache も「心が痛む」のような精神的な痛みを指すことがあります。heartache は心痛・悲嘆という意味。ただし、headache などの肉体的な痛みは可算名詞で、heartache のような精神的な痛みは不可算名詞となる点には注意が必要です。
例文
My hand aches from writing.
書きものをしていたので腕が痛い
The disaster caused me heartache.
災害を思うと心が痛む
「hurt」は外的要因による痛み
hurt は動詞で「ケガをする」という意味、および「痛む」という意味でも用いられます。とくに怪我などのような外部から衝撃を受けて痛みが生じた(外に原因がある)痛みについて使われます。
精神的に「ひどいことを言われて傷ついた」という意味合いで用いられることもあります。
It hurts! は「痛ッ!」と言うとっさの一声としても使えます。
例文
Don’t touch my injury. It hurts.
ケガした所にさわらないでよ痛いの
I was hurt by her words.
彼女の言葉に傷ついた
Sorry, I was looking aside. Are you hurt?
すみません、脇見をしていました。痛くはありませんか
「sore」は傷や炎症などのジクジク痛み
sore は傷や炎症などでひりひりと痛むさまを形容する表現です。pain、ache、hurt とは異なり、動詞の形は取りません。
例文
I have a sore throat.
喉が痛い
I ran a long distance yesterday, and today my legs are sore.
昨日長距離走ったので今日は足が痛い
My whole body is sore from the training yesterday.
昨日の練習で体中が痛い
I gingerly touched the sore place.
恐る恐る痛む場所を触ってみた
痛みをオノマトペ的に形容する表現5選
日本語の「ズキズキする」「ヒリヒリする」のように、直接に「痛い」と述べずに痛み方を表現する言い方が英語にもあります。
■ throbbing
ズキズキする痛み。throbは「ドキドキする」という意味で、心臓がドクドク脈打つ度に痛む場合に使われます。
■ pricking
チクっとする痛み。prickは「ちくりと刺す」という意味で、トゲや針など鋭いもので刺した瞬間のような痛みを指します。比較的軽度の痛み。
■ stinging
刺すような痛み。stingも「刺す」ですが、prickよりも強く、長く続く痛みです。
■ gripping
キリキリする痛み。gripは「握る」という意味で、ギューっと締め付けられるような痛みに使われます。
■ burning
熱く焼けるような痛み。burnは「燃やす」という意味で、火傷や辛いものを食べた時の痛みに使われます。
アウチ(ouch)は間投詞
「痛い」の訳語として「Ouch!」を思い浮かべる方も多かろうと思いますが、ouch は痛みが生じた時に発する間投詞・感動詞であり、痛みの叙述には使えません。
病院でお医者に痛い箇所を説明するような場面で「My back is ouch !」なんて言ったら、キョトンとされるか、ユーモラスな人だなあと思われるか。言わんとする所はおおよそ察してもらえるとは思いますが……。