「述べる」を英語で意味する動詞(mention と refer)の違いと使い分け方

英語の動詞「mention」と「refer (to~)」は、意味合いのよく似た類似表現ですが、ニュアンスの違いもあります。対比して違いを把握しましょう。

mention も refer も、英語では日常でよく用いられる動詞です。和訳すると「述べる」「言及する」「参照する」といったカタめの訳語になりやすく、ニュアンスの違いも薄れてしまいますが。

mention は「それとなく、軽く触れる」というニュアンス

mention は他動詞で、主に「話題に触れる」「簡単に述べる」といった意味で用いられます。

もっぱら会話中でちょっとだけ話題に触れるような軽い言及を指して用いられます。「大きく話題に出す」という意味では使われません。

Just because a famous artist mentioned it on his radio, the song became a hit.
ある有名歌手がラジオで言及したことで、その曲は大いに売れた

mention の語源をさかのぼると、ラテン語で「心に思い起こさせる」という意味の語であり、そして mind(心)と共通した語源から生じた語であることが分かります。

もののついでに思い起こさせる程度に軽く述べるイメージ、あるいは、「ああ、そうそう」とか「そういえば」という感じで自分の記憶の中から情報を引っ張り出してくるイメージで捉えてよいでしょう。

「文書に記載がある」という意味でも使われる

mention は会話中に(口頭で)話題に出すという意味合いだけでなく、書かれた文章に軽く記述があるという意味でもよく使われます。

Did he mention me in his letter?
彼の手紙に私の名前出てきた?

mention は、どちらかというとフォーマルな印象を伴う語です。しかしながら、日常会話でも多く使われています。

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mention を使ったイディオム・定型フレーズ3選

mention の語を含む言い回しの中には、日本語からの英訳では微妙に思いつきにくい便利なフレーズが多々あります。

As I mentioned before ~(以前軽く言及した通り)

話し始めに少し触れた話題についてもう一度話すときに用いる表現です。スピーチの途中や接客中など、フォーマルな場面に適した表現です。

Not to mention ~(~は言うまでもなく)

ほとんどの人が想像できる事柄について「言及する必要もありませんが」と前置きしながら述べたり、「~はおろか、…も…も」とさらに重要なポイントを挙げる際などに用いるフレーズです。

Don’t mention it.(どういたしまして)

「ありがとう」への返事として「そんなこと言わないで」=「お礼なんていいのよ」という意味で使われるフレーズです。


refer (to~) は「明確に引き合いに出す」ニュアンス

refer は自動詞で、もっぱら前置詞 to を伴い refer to ~ の形で用いられます。(他動詞の用法もあります)

refer to~ は mention よりも「大々的に」「明確に」「ハッキリと」話題として取り上げる意味合いがあります。物のついで程度ではなく、関心を向ける対象として位置づけるイメージです。

動詞の根本的イメージとしては、特定の情報源をより所として意識を向けるという心の動きとして理解するとよいでしょう。

My mother often refers to the Bible when she lectures.
母はお説教中、よく聖書の言葉を引き合いに出す

動詞 refer は make reference とも言い換えられます。

I will make reference to your research at my speech.
スピーチであなたの研究に言及するつもりでいます

refer の語源は「re」(再び、後ろに)および「fer」(運ぶ)という構成に分解できます。「持って帰ってくる」、「必要なものを引っ張り出し的示す」というニュアンスがあります。

「参照する」「照会する」という意味もある

refer には日本語で「参照」「照会」のように訳される意味合いでもよく用いられます。要は、文献や資料などを引っ張ってきて照らし合わせることです。

この辺りの意味合いも、re+fer で「持って帰ってくる」という根本のイメージに通じます。

Reference List
参考文献一覧
I referred her identity to her office.
彼女の身元を勤め先に照会した

refer to ~ で付き合わせる文書・資料の主な種類としては、《根拠》、《典拠》、《引用元》、《参考にすべき事例》、《照らし合わせる必要があるデータ》、《引き合いに出せる事例》、《引き合わせなくてはならない相手》などが挙げられます。


mention および refer to と、tell や say との違い

「述べる」「言及する」という意味合いを表現するだけなら、mention でも refer to でも、あるいは tell や say のような動詞でも、問題なく使えてしまえそうにも思えます。

たしかに、適当にどの語を選んで表現しても、そうそう誤用や不適切な言い方にはならないでしょう。とはいえニュアンスの違いが明確にある以上、適当に選択してしまうと違和感を生みかねません。

mention と refer to は少しかしこまった表現

mention と refer to は、日常でも多用されていますが、tell や say に比べると多少かたい、かしこまったニュアンスのある表現と言えます。

単に「言う」という意味で、tell や say を使っても無難に表現できる文章も、あえて mention の語に置き換えて表現すると、フォーマルな場ではより適切な響きのある表現にできます。

文語的・口語的という区分で捉えれば、mention や refer to は文語的な表現、tell や say はより口語的な表現と言えます。tell や say はもっぱら口頭で述べる(言う、伝える、話す)動作を念頭において用いられますが、mention や refer to は文書・文献における記述に言及する場合もよくあります。

mention や refer to は「ついでに言い及ぶ」ニュアンスがある

mention や refer to には、「言及する」「言い及ぶ」つまり「ある話題を話している中で、他の話題にも話が及ぶ」というニュアンスが含まれます。

tell や say には、この「話が及ぶ」というニュアンスは特に含まれません。

ほのめかし程度の言及なら allude も使える

日本語で「言及する」と訳される英語の動詞としては、allude もあります。

allude は mention や refer to よりも文語的な表現です。日常会話でも使われないことはありませんが、見聞きする頻度は大きく下がるでしょう。

allude は「間接的にそれとなく言う」という種類の言及を表現します。文脈によっては「ほのめかす」と訳されることも多々あります。





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