旺文社、カシオ、毎日新聞の3社が「英語応対能力検定」試験を立ち上げます。2016年8月に構想が発表され、12月には検定試験の運営主体となる合弁会社が正式に設立されました。翌2017年3月に第1回試験が開催される予定です。
現代の需要に応える形で新設される新しい試験。どんな英語力を測る試験なのでしょうか。
英語応対能力検定はどんな試験か
「おもてなし英語力」を磨く
公式発表によれば、英語応対能力検定は「訪日外国人と応対する機会が多いサービス現場や街なかで実際に使われる会話に焦点を絞った」試験と説明されています。
すなわち、《日本国内で》《外国人観光客を相手に》英語で応対する場面が主に想定された、《英会話》に特化した試験です。
コミュニケーションツールとしての英語の運用力を試す
英語応対能力検定は、いわゆる英語の4技能のうち、会話に必要な「聞く」(リスニング)および「話す」(スピーキング)の2技能に特化しています。
また、同検定では、あえて「体系的・網羅的な英語力」の向上を目指すものではないと明言されています。読む・書くの2技能は(効率的な英語学習には欠かせないとしても)特に問われないというわけです。
「業種別試験」が大きな特徴
英語応対能力検定の大きな特徴として、外国人観光客に接する機会の多い特定業種に特化した試験が用意されるという点が挙げられます。
業種は5種設定されています。お店にホテルにレストランに交通機関。いずれも外国人観光客が多く利用するサービスの接客業です。
- 販売
- 宿泊
- 飲食
- 鉄道
- タクシー
また、業種を限らない一般人向けの試験も設けられます。一般向け試験は「街中でふと声をかけられたような場面で対応に困らない英語力」を測ります。
受験形態は iBT、判定は4段階評価
英語応対能力検定はiBT(Internet Based Testing)方式で行われます。試験会場に出向く必要がなく、PCあるいはタブレット型端末を通じてオンラインで受験できます。将来的にスマホで受験できるようになるかもしれません。
試験結果は、合格/不合格を判定する形ではなく、到達度をA~Dの4段階で評価する方式が取られます。「知識」「理解」「応答」の3つの観点から到達度が評価されます。
英語応対能力検定はこんな人にぴったり
おもてなし最前線の職種で働く人
英語応対能力検定が第一に想定している受験者層としては、第一に「業種別試験」区分に該当する職業に従事している方々が挙げられます。
職務として英語を扱う必要に迫られる可能性が高い販売員やタクシードライバーは、必要な英会話力を客観的に評価してもらえることで、着実に対応力の向上が図れます。
訪日観光客を手助けしたい人
一般向け試験は街中で外国人観光客に声をかけられた場面で適切に対応できる英会話能力を問います。
困っている外国人を放っておけない気骨のある人は、英語応対能力検定で知識・能力と自信を養っておくと、胸を張ってコミュニケーションできるでしょう。
試験に備える学習方法
公式教材を使って学ぶ
カシオ計算機は、英会話を手軽に学習できる電子辞書型デバイス(英会話学習機器)「EX-word RISE(エクスワードライズ)」シリーズを販売しています。2016年12月に「英語応対能力検定」対応モデルがシリーズに追加されました。
カシオ 英会話学習機器 EX-word RISE XDR-A15
XDR-A15 は検定公認教材を収録し、さらに「NHKラジオ基礎英語」シリーズや「キクタン」シリーズ、「ジーニアス英和」など、英会話力の向上に役立つコンテンツを合計60収録しています。
「おもてなし英会話」で学ぶ
当「weblio英会話コラム」にも英語応対能力検定と同じコンセプトのシリーズ記事があります。
音声つきでシチュエーション別の典型的な会話例が学べます。「英語おもてなし力」の学習に取り組む事始めの取っかかりとして活用ください。