最近話題の英語の時事ネタ「Brexit」に「Regrexit」?

英語メディアで読む国際ニュースは、世界情勢を知る手段でもあり、英語を学ぶ学習教材でもあります。時には辞書にない新語も登場したりして、言葉は生きているんだなあということを実感させてくれます。

2016年6月23日、イギリスでEU離脱の是非を問う国民投票が実施されました。開票結果は離脱派の勝利。数日経過した6月27日現在も、英国の動向や各国が受ける影響などを巡るさまざまなニュースが飛び交っています。

BrexitRegrexit は、そんな一連の記事の中で登場した新たな英単語でありバズワード(buzzword)です。

BrexitもRegrexitもいわゆる造語

Brexit は、Britain(ブリテン=英国) と Exit(退出する)を組み合わせて作られた語です。「イギリスのEU離脱(問題)」を一意に指す用語です。

Brexit  はEUの離脱そのものを指すというよりも、欧州離脱にまつわる諸問題全般を指して用いられる語です。国民投票が行われるかなり前から欧米のメディアでは多用されています。

Regrexit は、Regret(後悔する)と Exit(退出する)を組み合わせ、Brexit をもじった語です。国民投票の結果、「EUを離脱する」意向が明らかになり、少なからぬ国民が投票結果を後悔しつつあるという動向を指しています。

ちなみにイギリス国は正式名称を The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland といい、略してUnited Kingdom」、あるいは更に略して「U.K.と呼ばれます。Britain はイギリス本国を指す呼び名で、UKの通称としてしばしば用いられます。Great Britain とも言います。日本語の「イギリス」という呼称は英語由来ではない点は、留意しておきましょう。

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Brexitの背景

イギリスはそもそも欧州連合の結成・加入に消極的な国でした。

欧州連合は「大戦を繰り返さない」という名目のもとにフランスとドイツが歩み寄った欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)にルーツがあります。

イギリスは、1973年のヨーロッパ共同体(EC)に加盟し、ヨーロッパ統合の動きに参加しました。

その後も、欧州連合加盟国内の国境政策であるシェンゲン協定やユーロ導入には賛同せずに、独自路線を歩んできたといえます。

2011年の欧州連合離脱要求署名を背景に、2013年キャメロン首相(David Cameron)が2015年の総選挙で欧州連合離脱を問う国民選挙の可能性を示唆し、2016年2月に国民選挙の開催が決定しました。

そして行われたのが、先日2016年6月23日の国民選挙でした。この選挙では、特に近年増大している移民・難民政策や、欧州債務危機に起因するイギリスの経済政策・離脱の際の影響が最も大きな論点となりました。

選挙結果は世界が注目する中で、51.9%の得票を得て離脱派が勝利しました。キャメロン首相は辞任を発表し、今後2年ほどをかけて、欧州連合との離脱交渉が始まります。

イギリス離脱の速報を受け、円相場をはじめとした各国の金融・経済市場は大混乱し、一時、1ドルが100円を割った瞬間もありました。

しかし今、欧州連合離脱が現実化したことを直視したイギリス国民からは、今回の投票結果を後悔しする「regrexit」の声が広がっています。

英国メディアBBCによれば、再選挙を求める声も多く、27日時点ですでに50万もの要望が集まったとしていますが、その中には詐欺疑惑のものも少なからず含まれているようです。

欧州連合の中で、特に経済・金融の面で重要な地位を占めてきたイギリスの離脱が、今後ヨーロッパや世界に与える影響はどうなるのか、今後もしばらく注視すべきでしょう。


+exit 造語ファミリーは意外と多い

長らく英語メディアでニュースを読んでいる方は、Brexit の語を目にして Grexit  を思い起こされたのではないでしょうか。

Grexit はGreece と Exit からなる造語で、いわゆるギリシャ債務危機の際に登場した「ギリシアのユーロ離脱」を指す語です。ユーロ圏を巻き込むギリシア経済破綻の懸念は、 Grexit をキーワードとして2010年代前半の世界を席巻しました。

Brexit は造語としては Grexit の系譜に連なるといえます。

Brexit が現実化する情勢から、他の欧州各国も混乱するEUからの離脱を考えはじめている向きが報じられています。そこにも新しい-exitが登場しています。

ほかにも、イタリア・スペイン・フランス・オランダなど様々な問題を抱えたり欧州連合の不利益を被っている国々の離脱を表す言葉が生まれています。

  • Itexit (Italy + Exit)イタリアのEU離れ
  • Spexit(Spain + Exit)スペインのEU離れ
  • Frexit(France + Exit)フランスのEU離れ
  • Nethexit(Netherland + Exit)オランダのEU離れ

これらの語が定着するか否かはまだ定かではありませんが、きっと今後も折に触れて新聞のヘッドラインに登場するでしょう。

…… と言っているうちに Chexit」なる英単語が登場

言葉は変わりゆくもの

教科書で学ぶ英語は、厳然とした規範のある言語体系です。他方、英語はリアルに使用されている言葉であり、意味や用法が変化したり、新たな表現が登場したりといった変化も常に起こっています。

スラングや若者言葉などは特に顕著に更新される部分です。教科書ではなかなか学べませんし、学んだ頃にはもう失われているかもしれません。

今日ではインターネットを通じてリアルタイムに英語の情報源に接することができます。確立された英語を学ぶことももちろん大切ですが、現在進行形で新陳代謝している言葉のダイナミックさを意識しながら言葉に接することも、きっと有意義なはずです。

 





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